羽生結弦さんら能登思い氷上舞う「前を向く気持ちを」 収益を寄付
フィギュアスケート男子で五輪連覇を果たした羽生結弦さん(29)らが15日、能登半島地震復興支援のチャリティー演技会を金沢市内で開いた。会場には能登地域の親子ら20組を招待。配信チケットの販売による収益を石川県に寄付するという。
仙台市出身で東日本大震災を経験した羽生さんが中心となって企画し、世界選手権メダリストの鈴木明子さん(39)や宮原知子さん(26)らが参加した。
羽生さんがソロで「春よ、来い」にのせて滑りを披露。フィナーレでは、明るい曲調の「ケセラセラ」にのって多くのスケーターが演技した。
演技会後に取材に応えた羽生さんは「どんなことがあっても、自分に言い聞かせながら、前を向いていくんだっていうような気持ちを届けたかった」と語った。
演技会には、能登高校(石川県能登町)の生徒らも太鼓や書のパフォーマンスで参加。輪島市や珠洲市など石川県内4カ所に大画面を設置した会場が設けられ、計380人が観賞した。
羽生さんは演技中、低い姿勢で滑る「ハイドロブレーディング」という技で地面をなでるようなしぐさを何度もみせた。「周辺の地面が大きく揺れたこともあって、何か鎮まってほしいなという気持ちもあった」という。
羽生さんは能登半島地震の被災地を夏前に訪れたという。「傷跡がすごく生々しく残っていたなと思った。地元の方々も何か時が止まっているというか。すごく胸に刺さるもの、痛むものがあった」と話した。
金沢で開催したことについて「やはり僕はなるべくつらかった方々、つらいと思っている方々の近くで滑りたいと思った。(復興への思いが)波動としてちょっとでも空気が動いて皆さんの元に届けって思った」と語った。(土井良典)
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