第1回風頼みの自民・立憲の党首選び 世論と向き合うのは選挙のときだけか

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聞き手・小村田義之
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 与野党の党首選びのニュースを見ても、遠い世界の話のように感じる人も多いはず。今の政治はいったい何が起きているのでしょう。政治学者で神奈川大学教授の大川千寿さんに聞きました。

 自民党の総裁選と立憲民主党の代表選。二つの党首選びが同時並行で進み、日本政治の行方を左右する重要な局面です。自民は派閥の重しが外れて、候補者が乱立する異例の展開ですが、候補者をみるとどうしても「軽量級」ばかりとの感が否めません。

 自民も立憲も風頼みの「根なし草」のようになっています。立憲は元々そんな印象がありますが、自民も利益誘導の効果が薄れ、アベノミクスの訴求力も消え、有権者の心をつなぎとめられなくなっている。そこに裏金事件が起き、世論の逆風が強まって、総裁選ではその場しのぎの「選挙の顔」を選ぶ動きが強まっています。

 本来、自民が直面している問題は、世論の逆風だけではないはずです。多くの派閥の解散が表明され、地方組織も盤石でない今、新しい党内統治のあり方が問われているからです。派閥には功罪ありますが、自民の幅の広さや国民政党たりうる「柔構造」を示す装置でもありました。それが流動化し、党内統治が危ぶまれている時に、組織運営の経験が乏しい議員を押し立てて選挙を乗り切ろうとしている。そこまで自民は追い込まれているのでしょう。

戦略的な棚上げも政治の知恵

 一方の立憲は、自民に失望し…

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この記事を書いた人
小村田義之
政治部|外交防衛担当キャップ
専門・関心分野
政治、外交安保、メディア、インタビュー
自民党総裁選挙2024

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