なぜ備蓄米は放出されなかった 制度とイメージの間に潜むギャップ

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聞き手・吉田純哉
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 今年は夏の終わりに米不足があり、政府の「備蓄米」が注目を集めました。結局、政府は主食用米を放出しませんでしたが、その判断を宇都宮大学助教の小川真如さんは「適切だった」と評価します。なぜなのか。そこには「実際の備蓄米制度と、国民が持つイメージとの間のギャップ」があると指摘します。

「備蓄米以外」で政府にできるのは…

 主食用の米は、一昨年から不足感がありました。さらに昨秋の新米は、酷暑で品質が劣り、良質なものから奪い合いとなりました。外食・中食業者は年間利用分を早めに確保・契約していましたが、残る主食用米の流通在庫は、例年より薄くなっていました。そこに夏場、台風や南海トラフ地震臨時情報などで買いだめが起きたため、スーパーのような都度発注している小売店からは米が消えました。

 その状況下で大阪府吉村洋文知事は8月、「なぜ倉庫に眠らせたままにしておくのか」と政府に備蓄米の放出を求めましたが、政府は主食用米は放出しませんでした。私は、適切な判断だったと評価しています。備蓄米の放出は、あくまでも最終手段であるべきだからです。

 備蓄米制度は、1995年に…

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この記事を書いた人
吉田純哉
オピニオン編集部
専門・関心分野
スポーツ、文化、教育
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    小松理虔
    (地域活動家)
    2024年10月31日23時56分 投稿
    【視点】

    今回の騒動のように、大きな騒ぎになったことも、状況が改善すると話題にもならずあっという間に忘れ去られていくということがしばしば起こりますが、後になってから冷静に振り返るということはメディアの重要な役割だなと思いながら読みました。 今回の記

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