最強の支部長が大仕事をやってのけた! 馬場貴也(40=滋賀)が3コースからまくり差し一閃(いっせん)。インで粘る平本真之を振り切って1着。メモリアル史上4人目の大会連覇を達成した。

今回の優勝で今年の獲得賞金は1億円を突破して賞金ランクトップに浮上。年末の住之江グランプリ2ndステージからの出場へ大きく前進した。

ボートレースメモリアルを連覇してガッツポーズする馬場貴也(左)と遠藤エミ(撮影・和賀正仁)
ボートレースメモリアルを連覇してガッツポーズする馬場貴也(左)と遠藤エミ(撮影・和賀正仁)

ウイニングランのさなか、馬場貴也の連覇を祝福するように、色とりどりの花火が夜空に舞った。馬場はぎっしり埋まったファンに、両手を大きく振り、何度も頭を下げた。ピットに引き揚げてくると開口一番、「びっくりしました」と目を丸くした。


真骨頂のターンだった。実質、節一パワーの4枠石野貴之を何とか止めてまくり差し、戦前のプランを実行した。3コースからコンマ09を決め、1Mは鋭くハンドルを入れた。バックで先マイした平本真之に、へさきをねじ込んで2Mを先取り。差し返しを許さず、首位を守ってゴールした。「これ、無理じゃね? と思ったけど、差さったので100点です」と喜んだ。

ボートレースメモリアル優勝戦1周2Mをトップで回る馬場貴也(撮影・和賀正仁)
ボートレースメモリアル優勝戦1周2Mをトップで回る馬場貴也(撮影・和賀正仁)

今年上半期は、どっぷりと悩んでいた。今年は出足が来ず、求める仕上がりになかなかならない。そんな中で臨んだ今節、優勝戦は節間で一番の舟足だった。「今日が一番、バランスが取れて良かった。この優勝はいいきっかけになりますね。また、(今後の)ペラのアプローチを考えていきたい」と語った。

記念メダルをかけられた、左から平本真之、馬場貴也、桐生順平(撮影・和賀正仁)
記念メダルをかけられた、左から平本真之、馬場貴也、桐生順平(撮影・和賀正仁)

賞金ランクは1位に浮上。通算6度目のグランプリ出場を確実にした。昨年グランプリは1枠のTR2nd1回戦で妨害失格。苦い思いだけが残った。「あの敗戦で成長がたくさんあった。簡単な舞台ではないと痛感した。それを克服して、毎年毎年、強くなっていきたい」と、年末に思いをはせた。

次節は地元びわこG1。「これ以上ない流れで地元のG1に臨める。また気持ちを入れ直して、しっかりやっていきたい」。勝負の冬へ勢いを加速させていく。【網孝広】


◆馬場貴也(ばば・よしや)1984年(昭59)3月26日、京都府生まれ。93期生として03年11月の三国でデビュー。04年3月びわこで初勝利、07年5月のびわこで初優勝。通算優勝は64度。G1優勝7度、SGは18年芦屋チャレンジカップ、22年常滑ダービーなど5冠。同期は長田頼宗、岡祐臣ら。167センチ、52キロ。血液型A。