世間的にはお盆休み真っ只中、「Standart Japan #29」が到着。もう前号から3ヶ月も経ったのか……と思わずにはいられない今日このごろ。そして、あと1号で通算30号。もうそんなになるんだね。
ぱらぱらと斜め読みしたところ、今号で惹かれた記事は、以下のふたつ。
まずは「アノキシック・ウィーターピロー・ファーメンテーション(無酸素水枕発酵尾)」という、いわゆる発酵の話。
発酵をいかにシンプルにコントロールするか、をテーマに試行錯誤した結果、タンクに入れた生豆の上にシートを被せ、そのうえに水を張るというソリューションを実用化したことが書かれている。
今でこそ落ち着いた感がある“発酵”だけれど、個人的にはあの系統の味は好きだし、コーヒーの多様性を育てるという意味ではこれからも期待しているところ。今、この手の発酵モノが落ち着いているのは、きっといろいろな農園が手を出したことで同じような方向性のコーヒー豆が乱発された結果なのかなーと予想。
そのうえ手間もかかってコスト増ってことで、手を引いた農園もきっとたくさんあるんじゃないかな、と。
でまあ、話を記事に戻すと、本文の内容が解説寄りなのに対し、写真が抽象的で、ちょっとわかりにくいのよね。スッと入ってこないというか。
先の生豆の上にシートを被せて水を張って……みたいなこの記事のキモの部分の説明、文字だけなのよね(泣)。
より具体的な写真なりイラストとキャプションがあれば、ずいぶんと理解しやすくなるのに。
この本ずっとそうなんだけれど、記事によってデザインをもっと変えていいと思うし、写真だけでなくイラストも併用するなどして、読者に誤解がないようにわかりやすく伝える、というトライをもっとしてほしいなと思う。
記事の内容が全然違うのに、デザインの調子が終始同じなのは、ちょっともったいないなーと。
……あ、思わず愚痴ってしまった(笑)。そして、同じことを前にも書いたような。
はい、気を取り直して、もうひとつは「知覚の実践」という、コーヒーのテイスティングにまつわるお話。
ざっくり言うと、味を文字で表現するという意味では同じでも、プロのコーヒーテイスターと知覚科学の研究で行われていることは違うから、互いに補完していきましょう的なストーリー(だいぶ意訳)。
この記事とはちょっとズレるけれど、ホント、最近、コーヒーの味を表現するキーワードってものすごく増えているし、そのうえ、それをどう感じるかは主観によるものなので、生豆の商社なりお店で書かれていることを鵜呑みにできないなーと、思っていたところ。
コーヒーの説明に書かれていたテイスティングノートと、実際に自分で焼いて飲んでみたときの印象が「だいたい合ってる」ということもあれば、「全然違う」ということも多くて、本当に悩ましい(笑)。
あとね、それに関連してコーヒー豆の説明で商社の謳い文句をそのまんま流用しているカフェ、コーヒーショップ、自家焙煎店が多いなーと。
特定の銘柄のコーヒー豆をネットで調べるてみるも、お店は違えど同じ文言がずらずら出てきてきたり……。そこはそのお店の方の言葉で書いてほしいところだけれど、コーヒーの味を文字で表現するのって、すごく難しいので、仕方ないのかなー。
ちなみに、記事中で触れられていた「ウッディ」という表現もそうだけど、「アーシー」という表現も、いまひとつピンとこない(笑)。いやぁ、難しい。