October 29, 2019
大洋の波
オンフィル祭が続いてる写真を挙げながら...
一昨日かな ラヴェル曲の演奏をムービーにして
「楽曲をこんな形で細かに分けながら咀嚼し、そうすることで以前見えなかった情景が現れる」って書きました。
リサイタルのためにお稽古してる時ってどなたでもそうだと思いますが、時間に追われながら譜面を頭に叩き込まなきゃならない。するとね、
楽曲を研究し熟思しようとする想いと、早く仕上げるための便宜的な思考という2つの事が起きる。
それらはジレンマとまでは言えないし、プロなら必要悪として慣れなければならない種類のこと。
たとえば 暗譜するために
'1回目にこのメロディが出てくる時は3度クレシェンドして、2回目の時は2度のみで後は静かに納める' なんて風に記憶します。
当たり前に流通してる方法で、合わせでもレッスンでも『1回目・2回目』って言葉は普通に飛び交います。
本来は回を追って描かれる音やメロディーの情感を捉えるべきでも、『何回目』って風に処置しなければ暗記のキャパも時間も足りなくなっちゃうから・・・
悪いことではないのです。
『何回目』の後ろにある、描かれたものの色さえ忘れなければ。
悪いことではない・・・ そう。滑り台の上段に登って滑り降りる '目的' のための '努力の方法' の1つです。
*滑り台
でも私は「上記の種類の便宜性または努力の方法 を、短い人生で行使する時間」を勿体なく感じ始めた。2回目の退院のあとからかな...
治療しながら、滑り台の階段で遊ぶ楽しさを知ってゆく日々を、
ピアノの前がいつも楽しい日々を、心から楽しんで
一昨日まで8度に分かれてたラヴェルは、弾きながら『何回目』と考えることはなくなってた。
日を渡って録音してみたことで・・・変わらぬ波にも見える大海の、茫洋とした顔の中に変化を見出すのは '時間' 故だと感じることができた。
はじめて見る朝の光をはじく波と
夜の大波を恐れたあとに出会う朝の海とは
海の物語は同じでも見る者の物語が異なるのだと...
夜の大波を恐れたあとに出会う朝の海とは
海の物語は同じでも見る者の物語が異なるのだと...
■ラヴェル関連リンク
*ラヴェルの俯瞰
*亡き王女のためのパヴァーヌ動画
*森感? のパヴァーヌ動画
*小舟のムービー (+ラヴェル)
*水浴とムービー
*水と、緑の水滴のムービー
*一滴とムービー
*ムービー。音楽と遊びの時間
*ムービー。生生流転
*ムービー。混沌とリモコン
*ドライヤーのムービー
lasalledeconcert at 16:46││ パリの風12