市場散歩   注目銘柄   One Milestone   証券会社

2023年08月31日

アップルのグローバル供給網は米中の貿易断層により分散化が加速?


 米国アップルは毎年、スマートフォン「iPhone」やパソコン「MacBook」などの部品を製造する主要サプライヤーの社名を明らかにしており、2022年のリストには188社が載っていた。

 アップルのサプライチェーンの中核を担ってきた中心に中国の存在がある。
 同社の製造パートナーの約8割は安価な労働力の活用のため、韓国や台湾、日本などの企業経由で中国大陸に製造拠点を置いている。

 ただ、近代における中華思想を利用した中国政府の軍事覇権の高まりや21世紀型の植民地支配を強めるなか、米中関係が悪化した。
 政治に左右される中国から脱出し、新たな生産拠点がアップル製品生産の仕組みを変えつつあるという。
 リスクヘッジの意味からも部品は複数の場所から集められ、幾つかの場所で組み立てられ、あらゆる市場の顧客に出荷されてきた。

 アップルがサプライヤーリストを公表し始めてからの10年間で、中国との対立関係にあるインドとベトナムが最も存在感のある新たな拠点として浮上した。
 両国とも米国との結び付きが強く、安い労働力を提供できることが最大の利点だ。

 ただ、今のところは中国が重要な拠点であることに変わりはない。

 台湾企業フォックスコン・テクノロジー・グループ(鴻海精密工業)などが中国から生産拠点を移すなかアジア各地で新たにハブが誕生している。
 しかし、赤い事業主体の中国メーカーが新たにサプライチェーンに加わったことで、中国を拠点としたアップルのパートナー企業の数は12年以降はほとんど変わっていない。

 火器弾薬類の製造に技術的な支援をしかねないテクノロジー産業における中国の台頭を抑えようとする米国の取り組みは、業界の主要プレーヤーに中国以外のアジア地域へのシフト加速を促している。 
 世界的なサプライチェーンの分断では、製造・出荷を担う企業と国際ブランドが、態勢が十分確立されていない地域で製造や幾つもの輸出入管理に取り組まなければならいことを意味し、膨大な消費者層にアップルが課す価格を押し上げる恐れが生まれている。
 製造コストが高くなる公算が大きいのは最上級モデルだが、こうした動きに忖度し、高機能製品などを提供する日本の産業の価格抑制として円安を推し進めているのが現実だ。

 中国は依然としてアップルのデバイス製造工場の大半を擁しており、今後も同社サプライチェーンの重要な一部であり続ける。
 米国への日本銀行や政府の忖度政策は日本国民に資産の劣化を強いているうえ、中国への高機能製品の輸出価格も抑制している状況で、中国包囲網の穴を作り広げている。
 反日思考の強い韓国に対しても同じだ。
  

posted by まねきねこ at 07:00 | 愛知 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 市場散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
  鄙サ隸托シ