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Weiss Fantasie ウォッチングⅣ「楽譜編」  

今日はほんとにクソ細かい話で恐縮^^;
S.L.ヴァイスはバロック後期、リュートの大家で現代の奏者には不可欠な存在、またクラギのレパートリーとしても多くが編曲されている、
weiss_202205080858237fd.jpg
Sylvius Leopold Weiss 1687-1750
クラギでも最も演奏されるファンタジー(原曲ハ短調)だが、過去、慢性的に出回っていた、間違い箇所の多いホ短調編のギター譜を見つけた、原因は転記誤りのある2次資料から編曲したのか、勝手に変更したのか?
weiss fan
*この譜による演奏例、you tube:Fantasie Weiss
これに赤で修正をかけたが、あちこちある;
まず前半の始まったところ、Dには♯がつく、
we fan 01
ほか見つけた箇所を挙げていく、
we fan 02
we fan 03
we fan 05
we fan 06
we fan 07
このファンタジー前半で低音G(原調)が連続しているが、ここは持続低音である、
weiss fan 04t
ギターのホ短調編ではBになるが、途中の2音をE(⑥弦の解放)に変えた楽譜が多い、
we fan 04
バス音を変えるのはタブーである、音域や運指の都合によるオクターヴ移動はやむなしとして 、上声もバスも別音にいじってはいけない。
バロックluteとギターでは調弦法が随分異なるので編曲は難しく、ホ短調編の場合、修正したとおりに弾くのは無理な所がある、
b lutegitar.jpg
ニ短調編が正しく編曲でき、音域的にも好ましい、上記の持続低音は⑤弦の解放Aで弾ける、
先日も挙げた、佐々木忠編による間違い箇所のない演奏、
weiss fan sasaki you
you tube:「ファンタジー / S.L.ヴァイス(佐々木忠編)」演奏:藤元高輝
PS.佐々木編にも間違いが1箇所あった、下譜のGはこのとおり♮が正しいが♯になっているようだ(奏者もここで③弦の1ポジションを押えている)、ここを直せばOK、
weiss sasaki
完全にほぼ問題なく正しいのはIMSLPにある、ニ短調編、原譜も掲載してある、
S.L.Weiss Fanyasie:Guitar score
せっかくこういう資料があるのに、(一応)プロにさえ無頓着な人がいる;

この演奏も佐々木編と同じ間違いはあるが好演の1つ、
weiss fan you
you tube:Weiss Fantasie

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category: S.L.ヴァイス

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コメント

いったい、

今晩は、きのう日中は窓を開けていましたが、きょうはヒーターをつけています。

このファンタジーのギター編は、いったい何種類あるんでしょうね?

IMSLPに記載されたヴァイスの生年が、1686年になっていますね。

イタリアミラノ出身のギタリスト、教師であったルッジェーロ・キエザ(1933-1993)が、ロンドン版のタブ譜や装飾を説明した五線譜版(音価等、印刷ミス?有り)を1976年に著していますが、これをギターに移し変えた奏者が多いのですかね。

佐々木忠編の間違いの1箇所ですが、ここはキエザも指摘していますが、「和声的にオカシイ」と言っています。… 現代の和声で言われても。

このファンタジーをリュートで聴きますと、18世紀に入ってもタブラチュアを維持した理由が解りますね。… 前座でこの曲を弾くと続くギター曲は何でしょうか?

“細かい話しで恐縮”どころか、当たり前といえば当たり前です。

パイプオルガンを有しているホールや、チェンバロ教室などでは、別講座として楽譜の歴史や通奏低音のルールなど、バロック音楽を理解するための講座を、愛好家のために開いていますね。

老弾 #- | URL
2022/05/08 18:54 | edit

老弾さん こんばんは

汗ばむか、小寒いかのどっちかですね;

>このファンタジーのギター編は、いったい何種類・・
曲の最後がオクターヴ下がり、ピカルディ終始になっている楽譜も見ました、セゴビアのコピーですね;(教室の先生に勧められた楽譜らしく)

キエザ編の曲集は持っていました、ミスが多かったですね、当時はギター用に編曲する元譜はこれくらいしかなかったように思います、イエペスほどの人なら大元のタブ譜を調べたかと思いますが、

現代人が普通に馴染める和声に変えられた楽譜は他にも多かったようですね、日本では「阿部保夫・恭士・編:新版演奏会用バロック名曲選集」が(完全だったかわかりませんが?)原典を調べたと思われる内容で好感が持てました。

>前座でこの曲を弾くと続くギター曲は・・
バッハですかね^^ しかし同様に原典と違ったり、奏者自身の奇妙な編曲もあったり、慎重にならないと見識が疑われますね、
>バロック音楽を理解するための講座・・
よく勉強している愛好家もいますから;

michael #xNtCea2Y | URL
2022/05/08 21:29 | edit

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