よく見るTV番組 
2023/10/31 Tue. 10:39 [edit]
いつも習慣的に録画予約している番組というと、
NHK 大河ドラマ、ただし最初の放送で、1年間見るか見ないか決めている、戦国時代、幕末は何と言っても登場人物豊富で、歌舞伎、狂言役者など多方面から起用されるのも面白い、
来年は紫式部の人生を描いた『光る君へ』だそうで、平安時代が舞台ってたしか初めて?資料も乏しいだろう時代をいったいどう描くのか、
番組HP:NHK 大河ドラマ『光る君へ』
刑事ドラマでは最長記録の『相棒』シリーズ、毎週水曜日
始めは単発ドラマとして製作されたが、2002年から半年間ずつの連続ドラマとなった、
水谷豊演じる警視庁特命係の杉下右京という個性的なキャラと周りを囲むメンバーの魅力、練られた台本が長い人気となっている、
殺人事件で捜一メンバーの現場検証で始まる事が多い、
「死亡推定時刻は昨夜21時から23時の間、後頭部に打撲痕があり、死因は鈍器で殴られた事による脳挫傷ですな」
「金品を奪われた形跡はないですね」
「すると怨恨の線か」・・
そこへ、お呼びでない特命係の二人がひょっこり現われる、
特命係が第一発見者になる事も度々^^
番組HP:相棒22
チコちゃんに叱られる!毎週金曜日
教養番組としての要素もあるバラエティー、従来の常識を打ち破った発想の番組構成には知らない間に嵌まる;
you tube:チコちゃんに叱られる!『生き物セレクション』PV
コズミック フロント NHK-BS P 木曜日放送
宇宙科学、天文学の番組はこれ以前にもあったが、2011年に放送開始されて以来、長く続いている、なんといっても、ハッブル宇宙望遠鏡ほか、遠方宇宙を捉える技術が進んだ時代になったのも、番組を充実させる要素だろう、この番組が始まって以降も「冥王星への接近探査」、「ブラックホールの直接撮像」等、実現するだろうか?と思っていた歴史的な進展がいくつもあった、一般視聴者が見るには、結構踏み込んだ専門的内容も適度に取り入れるのが興味を深める、毎週放送できるほど新ネタはないので、再放送やリメイク版が放送されるが、新情報が集まった時点で良い内容で製作してくれればよいv
番組HP:コズミック フロント
you tube:【NEW ドキュメンタリー 】 最新 モンスター ブラックホール
笑点 毎週日曜日
当地岐阜は東と西のお笑い両方が昔から放送されていて、笑点は東のお笑いに馴染む代表的な番組だった、1966年に始まり、57年になる、これほどの長寿番組だが、記録は2位で、1位は「キューピー3分クッキング」だそうだが、30分枠以上とすれば、1位になる。
you tube:笑点 歌丸ジェノサイド特集
PS.年末のnhk『紅白』は長年見ていないし、クラシック音楽番組も興味湧くのが少ない・・
そういえばオリンピック中継も見なくなった、冬期もあるし、世界選手権など、1位から3位の表彰台はしょっちゅう見ている気がする;
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category: 時事・雑記
バッドチューニング 3 
2023/10/30 Mon. 11:26 [edit]
リュート作品 Anthony Bailes (lute)
you tube:Rene Mesangeau - 2suite Pieces in G Minor
*結構、低音域でも和音を奏でる、弦が優れていないと響きの魅力も出ない、
クラヴサン作品 Giovanni Paganelli(clavecin)
you tube:Louis Couperin - Prelude a l'imitation de Mr Froberger for Harpsichord
昔はガット弦しかなかったが、良い響きを得るために余念が無く、洗練された製法で良好な弦が作られていたのではないか、
現代のメーカーが考案している低音用のガット弦には実用性に疑問のあるものがあり、それは弦質の硬さである、前も書いたように、低いテンションで張るリュートにこんな硬い弦では、固定された付近が硬さ負けして振動しないという問題が大きい、
Kürschnerのプレーンガットは半透明なほど高密度に仕上げられているが、硬すぎて5コースに張る0.85mmくらいでも、上のポジションでピッチが上がってしまう、元々弓弦楽器やハープ向けに作られ、リュート向きではないのかも、
リュートが固定フレットじゃないのは、ピッチの狂いを補正する目的もある? と言われるが、直線状態のフレットでは全てに対応できない、
バロックluteの場合、6,7コースはオクターヴに張られ頻繁に押弦する、細いoct弦は問題ないが、低音弦のほうが硬いとハイポジションほどピッチが上がり、oct弦と合わなくなる、
例として、低音にKürschnerのプレーンガット1.16mmを、oct弦に0.52mmを張った実験、
開放から上のポジションへと順に鳴らしてみた、oct弦→低音弦の順に鳴らす、
mp3: 音サンプル ・・許容範囲外;これはどうにもできない、
2本のガットを撚り合わせて太くしたタイプ、これは昔もあったが、仕上がりの性質も今と同じだったかどうか?今の製品は実質硬い、
見た目の印象だけで、弦長の短いリュートに使えるとは思えない;
ガットに金属線を螺旋状に巻き付けたものは現代考案されているが、このように塑性変形して元に戻らない性質は"針金"と大して変わらない;
製品名をGamut社は"Gimped Gut"、Kürschner社は"Luxline"としている、
テオルボの拡張弦ならまだしも、たかだが弦長70cm弱のリュートにこれらを張っても、ボコっと叩いたような音が出て、音程がよく聴けるほどの余韻はない、
(*Kürschner社によると、Luxlineは弓弦楽器、及びテオルボ等の拡張弦向け、とのこと)
ピッチの問題も合わせ、こんな弦で当時のクラヴサン奏者を魅了したとは考えにくい、
昔の細かく描写された絵画の弦を見ると、ブリッジに止めた様子から硬質に見える弦はなく、しんなり柔らかそうに見える、
様々な顔料らしきもので着色してあるようで、弦の質量を上げて細くする加工法がいろいろとあったと思われる、
現代、リュートに問題なく使える低音弦は、ローデドNGか"巻弦"くらいかもしれない;
音楽機能重視の奏者はこれらを使うようだ、
*ガット弦を上手く使ったレコーディングもある、
Paul Beier(Lute)
you tube:Fantasia in D Major: I. Fantasia(S.L.Weiss)
一方、難点が残ったままの何とも気持ちの良くない録音も聴かれる、
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category: 楽器について
Bach リュート組曲No.1 BWV996 
2023/10/29 Sun. 09:21 [edit]
「Lute works Suite in E minor BWV996」とした表記のほうが馴染める、
原調のホ短調で、奇跡的に?ギター調弦に乗せやすい曲で、特によく演奏されてきたと思う、
ギター編曲譜 (⑥=D)
バロックluteでは逆に難しくなり、大抵、移調で対応したり変則調弦で弾かれる、
楽譜を見るだけでも、明らかに鍵盤の為の曲だとわかる、1曲目Praeludium前半のパッサジォなど、まさに鍵盤のパッセージである、
続くプレストは2声のフーガ(ストレッタ)、
以下5つの舞曲が続く、
始めにG.レオンハルトのチェンバロで、
you tube:J.S. Bach: Suite in E minor, BWV 996 -
1. Praeludium 2. Allemande 3. Courante 4. Sarabande
5. Bourée 6. Gigue
次はクラギによる演奏を2つ、
Daryl Perry、他にも良い演奏が挙がっているが、一時代前より、随分演奏も向上している、
you tube:J.S.Bach Suite e-moll BWV 996
D.ラッセルはリュートのように音を重ねる奏法をギター上に導入している、鍵盤的でもある、
you tube:David Russell - 1st Lute Suite, BWV 996 by J.S. Bach
両者、巻弦上をポジション移動する摩擦音も気にならないほどに抑えている、
各演奏家流儀の音楽ではなく、作品の真価を尊重する時代になったのを感じさせる、
さて、リュートでの演奏は、
まず、今村泰典氏、
you tube:Lute Suite in E Minor, BWV 996:
I. Prelude II. Allemande III. Courante IV. Sarabande
V. Bourrée VI. Gigue
E.マスカルディもそうだが、同門下らしく、完璧主義な演奏、
you tube:J. S. Bach - Praeludio con la Suite BWV 996 - Evangelina Mascardi,
最後にナイジェル・ノースも、
you tube:Suite in E Minor, BWV 996: I. Praeludio. Passaggio – Presto(連続再生)
PS.日本の独学者で高齢世代くらいか?付点が甘くなってしまう傾向がある;
BWV996でもパッサジォの付点は緊迫させるところ、
付点は強調するくらい十分に引いて、次をキレ良く!^^
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category: J.S.バッハ
バッドチューニング 2 
2023/10/28 Sat. 09:37 [edit]
それがどの程度(何セント)かわからないが?許容にも個人差があるかもしれない、
とにかく聴く人達が「狂っている」と感じたらアウトである、一応聴いてくれても「早く終わらないかな」というのが本音だ;さすがにネット動画で調弦不全な演奏は殆ど耳にしない、『音楽』をどれだけ尊重するかの姿勢でもあるが、
一人で練習するときでも、きれいに響かないとやる気はしない;
チューナーの指針はピッチの揺れで変化してわかりづらい場合がある、発信音の出るチューナーで耳で合わせたほうが結果は正確になる、周囲が静かじゃないと出来ないが;
ピックアップを使うのは周囲が騒がしいときだけ、
小型の楽器装着タイプは指針のみになり、多機能ではない、
だいぶ過去の話だが、クラギのリサイタルで、奏者は曲の演奏中にも、休符のある瞬間にさっと糸巻きに手をやり、調弦を補正していた、また左手で弦を押え、余韻の間に右手を持って行って糸巻きを廻す、大きな動作だ;そんな曲芸まで見せられた、「音楽を聴いている」というより「手際よく達者な作業っぷりを見せられた」って印象のほうが強く落ち着かなかった;
ものの5分と経たないうちに何度も・・目を反らしてもカクッと糸巻きの音が聞こえてくる;
*それ以前に補正する前は狂った音を聴かされていたことになる;
そんな高度技?を身につけずとも、1曲弾く間くらい弦を安定させる対策はあるはず、実際他の奏者はそんな事していない、
原因は弦が新しすぎる、さらにステージ照明が強すぎて熱で狂う、両方かも、透明なナイロン弦はグラスファイバーと同じ、光が内部を走り回り、熱を帯びて当然かと思う(温度が上がると高く狂う)、弦は新しいほど良しとするセンスなのか(張り替えて間もない巻弦の音は好きではない)、照明は衣装姿も見てもらいたい意図もあってか?やたら明るかった;
*今はLEDのステージ照明があり、熱射(赤外線)を低減できるそうだ、
さて、ペグ糸巻きのリュートで演奏中の補正は無理、11コースluteでも弦は20本あり、ペグの廻し方も微妙、何としてもステージ前半くらい、ほぼ安定させる必要がある、
まずガット弦など安定しにくい弦で、環境の違う場所へ出かけて弾くというのは困難 、一旦は合わせたとしても、ちょっとした待ち時間にも狂ってくる、それが上述のように本人には許容範囲だと思えても、聴く人もそうだとは言えない;
ガット弦は湿気を吸ったり吐いたりしてピッチが変化するが、洗濯物が乾くのに時間がかかるのと同様、乾いていく(湿っていく)途中の段階で調弦しても、また狂う; ≪続く≫
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category: 楽器について
迷惑メールフィルター 
2023/10/27 Fri. 11:38 [edit]
全部、自分で赤マークしたもの
これらをまとめて削除するだけで大した手間ではなかったが、増えすぎてうっとうしい;
ツールの中の【迷惑メールフィルターを実効】をかけると、ある程度減った、現時点で迷惑メール発信元と認識されたものを除くのだろうか、
サーバーによると、
学習型迷惑メールフィルター
以前から好評をいただいている迷惑メール対策機能は、あらゆる手口の迷惑メールに対応できるよう作られています。すべての新着メッセージは学習型迷惑メールフィルターで解析されます。ユーザーが迷惑メールの判定を行うたびに、その内容が蓄積されて自動判別の精度が向上するので、より多くの時間を重要なメッセージのやりとりに割くことができます。
とのことだが、それでもまだ赤マーク付きで入ってくるのがある、
【迷惑メールとマークされたメールを削除】をかけると赤マーク付きだけ受信リストから一発で消せる、
赤マークしたものははじめからブロックする機能があるともっと良いが、
迷惑メールではないけど、送ってもらわなくてよいメールも多数; 「待ち人来たらず」というか、見るべきメールはたまにしか来ない^^;
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category: 時事・雑記
マスタークラスとは 
2023/10/26 Thu. 09:52 [edit]
受講者は各々何か曲を練習準備し、質問事項も考えて、受講することになる、対象となるのは定期的にレッスンを受けるなど、筋道だった積み上げをしてきた人で、さらにステップアップする何かを得る、というものだろう、受ける人も聴講者もそこはわかっていて・・
準備してきた曲は、講師がその人の技量を見る判断材料になると思うが、
まったくの独学者が来ても、「さて何から手をつけたら・・?」と困るのが実情だろう;
受講料は出しているので、時間内にできる事をしてくれるだろうが・・
単発的な講習でどうにかできる事でなければ、準備してきた曲は置いといて、ずばり初歩からやり直すよう仕向けてくれるのが、良い講師さんかと思う^^;
過去に今村泰典氏のワンレッスンを受けたが、
*全て把握できる速さでゆっくり練習すること、
*次のフレーズで気分の変わる表現をする事、
等々、基本的な指摘だったが、これはその後の練習で意識しながらやっている、
同じ所を間違える、棒読み演奏になる、これを解決するだけでも大きい、
・・と言いつつ、ダメな癖が戻ったりするが;気を取り直して続けたい。
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category: 演奏について
マブチモーター 
2023/10/25 Wed. 10:49 [edit]
子供の頃はプラモデルを動かすモーターとしてお馴染みで懐かしい、"動く工作"にも使った、
一番面白かったのはタミヤ模型の戦車シリーズ、マブチモーターを2個使い、左右キャタピラーを独立に動かしリモコンで向きを変えられる、眺めたりもするが、"動かして面白い"のが第一だった^^
過去記事:タミヤのタンクシリーズ マブチモーターとタミヤのプラモ
小学校のプラモ仲間と上手く作るのを競っていた、この頃「何でも細かく丁寧に仕上げたい」という習慣がついたかも?
マブチモーターは玩具専用かと思っていが、実用品に広く使われていると知ったのは最近だった、確かに小型モーターというと多岐に活用できる、
回転刃式の電気カミソリを動かしているのも、マブチだそうで、
過去記事:バリカン付きシェーバー
振動式のブラウンよりも、トリプル刃のフィリップスが好きで^^長く使っている、
クルマのドアミラーもマブチだそうだ、片方に3個使われている、ミラー本体の開閉に大きいのが1つ、鏡の角度調整に小さいのが上下用、左右用で2個入っている、
本体の開閉は頻繁だが、鏡の角度調整なんて購入時に合わせて以後、殆どいじらない、
(*左側はたまに側溝の際スレスレに止めたいとき、下を見るのに便利v)
クルマを下取りに出す際、動作確認したらちゃんと動く、何年も屋外環境にさらされながら、初期機能を保っているのには感心した^^
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category: 昭和の記憶
Weiss Fantasie ウォッチング VI 
2023/10/24 Tue. 10:20 [edit]
クラギでは昭和に出回ったホ短調編の、あちこち音の違った楽譜で弾く(一応)プロさんまでいるのは日本だけのようだ;
Weiss Fantasie ウォッチングⅣ「楽譜編」
今はクラギではニ短調編が主流だが、流布した楽譜にはまだ音の違った所はある、
今回はバロックluteの演奏に絞って覗いてみた、(楽譜は原譜を見るので問題ないが、1例だけ間違ったのも見られた;)
Jakob Lindbergは安心して聴ける、
you tube:Fantasia in C Minor: Fantasy in C Minor
Yair Avidor、各コースの鳴り方としては好きな収録、
you tube:Silvius Leopold Weiss: Fantasie in C minor on baroque lute
櫻田氏の低音(ガット)は鳴っていない、
you tube:『ヴァイスのファンタジー』|おやすみリュート
E.マスカルディ、さすが模範的、
you tube:S. L. Weiss - Fantasie in c minor - Evangelina Mascardi, baroque lute
Vasiliy Antipov、技術は確かと思うが、低音(巻弦)の余韻が長すぎ;止める技が必要、
you tube:S.L.Weiss(1687-1750) Fantasia c-moll, played on the lute
ほかいろいろとある;
you tube:Weiss Fantasie in c minor, Emil Krasich - baroque lute
you tube:Weiss: Fantasia in C minor
演奏の好みは別として、プロではないにしても殆どの演奏はあるレベルには達し、しかるべき指導を受けた様子がうかがえる、指使いや楽譜のこういった所の演奏でわかる、
(--)音の保持、バロックluteの美質を聴かせる基本、
我流とおぼしき(基本もへったくれもない)アマチュアの動画はめったにない、
you tube:S.L.Weiss Fantasie
*ネット動画というのは世界中の不特定の人が見ている、少し前「アマチュアは責任こそないがマナーは守るべき」と書いたが、あまりに成ってない収録を多々挙げるのは、同好の士達からしても自重してほしいところだ。
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category: 演奏について
新しい演奏のどこが良いか 
2023/10/23 Mon. 10:46 [edit]
録音物の仕上がりはバランスエンジニアのセンスもあるが、たぶん演奏者のチェックもかかると思うので、これが製作関係者一致の仕上がりと見ている、
オイゲン・ヨッフム指揮、ロンドンフィルの録音、名盤と評する人もいたが満足には至らなかった、弦楽が強めで、timpとtrpがかなり引っ込んでいる、これらの楽器は明快に響いてなんぼのもんと思うのだが、同時期の録音はどれもこんな感じである、この頃の標準認識みないなのがあったかもしれない、
you tube:ハイドン 交響曲第94番「驚愕」 ヨッフム / ロンドンフィル
H.von.カラヤン、BPOの演奏などさらにどっしり塊的な響きだった;'60年代から変わらないDG盤らしいサウンドとも言える、
you tube:Haydn “Symphony No 94 ‘Surprise’” Herbert von Karajan • Berliner Philharmoniker, 1982
ここから新しい演奏、
アダム・フィッシャーほどハイドンを多く指揮した人は少ないだろう、彼が行き着いた演奏は音作り(パートバランス)の基礎から建て直したように耳に清涼で活き活きしている、「こう聴きたい」と思っていた好例になる、
第2楽章は無音に近い弱奏が行われる、これも"びっくり"の新アイデア、(M.ミンコフスキ盤の何度もは聴けないパフォーマンスより好ましい)
2022年録音のA.フィッシャー指揮、デンマーク室内O(*小型システムでは聴きづらい、静かな環境も必要、)
you tube:Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 "Surprise":
I. Adagio - Vivace assai II. Andante
III. Menuetto IV. Finale. Allegro molto
*参考にA.フィッシャーの全集にある過去の録音、第1楽章、第2主題でテンポを緩めるなど、新盤に聴かれる表現もあるが、基盤設定が違うのがわかる、
you tube:Haydn: Symphony No.94 in G Major ‘Surprise’
ライヴ録画ではヨハネス・クルンプなど良いと思う、
you tube:Joseph Haydn: Symphony No. 94 "Surprise" / SummerMusicAcademy Hundisburg / Johannes Klumpp
trpは古楽器も用い、輝かしさが効いている、
モダンorch、古楽器orchの区別なく、新時代の演奏はヴィブラートと過剰な音量を控え、和声をきれいに響かせる、これも古楽奏法からの影響だろうか、古典派作品全般に言えるが曲本来の良さが聴きやすい演奏が増えたと思う。
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category: 演奏について
新盤の楽しみ 
2023/10/22 Sun. 11:02 [edit]
ハイドンのSymも待望していたような演奏が出てきて、もう古い演奏は聴けない;
パーヴォ・ヤルヴィ指揮、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンの1枚は予想以上に良かった、ロンドンセットは全曲録音予定と聞いたがこれは期待できる、
you tube:Symphony No. 103 in E-flat Major, Hob. I: 103 "Drum Roll" I. Adagio - Allegro con spirito(連続再生)
そして先日も挙げた、アダム・フィッシャー指揮、デンマーク室内Oの後期Symシリーズ、
これは第2集まで出たが、これも今まで聴けなかった魅力、
you tube:Symphony No. 96 in D Major, Hob. I:96 "The Miracle":
I. Adagio - Allegro II. Andante
III. Minuet - Trio IV. Finale. Vivace assai
最長老指揮者、ヘルベルト・ブロムシュテットも過去とは一新した演奏を聴かせるのに惹かれ 、いろいろ取り寄せてしまった、
ベートーベンのSymは作曲者のメトロノーム指定に基づくテンポを取っている、モーツァルトのSym No.40、シューベルトの「未完成」などさほど聴かない曲だったが、ブロムシュテットの演奏は木管パートがベストバランスでよく聴ける出来栄え、これなら聴きたいと思う、
you tube:Symphony No. 40 in G Minor, K. 550:
I. Molto allegro II. Andante
III. Menuetto. Allegretto - Trio IV. Allegro assai
ブラームスのSym、ピアノConなど随分集めたが、過去に多かった大編成orch、剛腕なピアノによるごってごての演奏ではなくなり、室内楽的で耳心地のよい演奏になってきた、
ラルス・フォークトがピアノソロと指揮(orchはNorthern Sinfonia)を行なった演奏が最新のお気に入り、
you tube:Piano Concerto No. 1 in D Minor, Op. 15 (Version for Piano & Orchestra) :
I. Maestoso II. Adagio III. Rondo. Allegro...
古楽では聴き慣れたヘンデルのリコーダーソナタが、ダビド・アンティクの演奏で、あらためてこんなに楽しめるものかと思った、
通奏低音も素晴らしいが、これらの楽器、今も使えるように維持されているようだ、
アーチlute:マティアス・ドゥルビィ(1985)
バロックguitar:ルーデス・ウンシージャ・モレーノ(1990)
you tube:Recorder Sonata in D Minor, Op. 1 No. 9a, HWV 367a: I. Largo(連続再生)
リュート盤はこのところバッハ作品が続いている、今村泰典氏も2度目のバッハ:リュート作品全集(NAXOS)を出したが、E.マスカルディはバッハの全集がデビュー盤だろうか?
続いて、ナイジェル・ノースが出した初の全集、これはもう聴かずばなるまい^^若手ミゲル・リンコンのバッハも取り寄せた。
you tube:Suite in G Minor, BWV 995: I. Prelude(連続再生)
バッハをリュートで弾くのはプロの仕事、自分は死ぬまで弾かなくてよい!(笑)
新盤の録音の良さについては殆ど心配する必要はない、昔はレコード、オーディオ雑誌に載っていた新盤の録音評など今は必要ないほどだろう、スピーカーは20年以上経つ、アンプとCDプレーヤーは新しいが普及クラス、これで不足なく聴ける、
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category: 演奏について
音の止め方 
2023/10/21 Sat. 09:04 [edit]
衣類や寝るときの布団も迷う、インフルエンザにも要注意、
さて、音を止めるのに管楽器は吹くのを止めればよいが、止める直前の吹き方が肝心で音程が下がったりしないようにするテクニックが要るようだ、特にdim.して終わる場合、
リコーダーの場合、dim.すると音程が下がるので、パっと止めるのが奏法、
弓を使わない撥弦楽器は弾いたあと、余韻は徐々に消えていき勝手にdim.になるが、音を重ねたいとき以外は必要な音価だけ鳴らしたら止める必要がある、フレット楽器なら押えていた左指を離せば止まる、しかし解放弦は止まらないので、とにかく空いている右手、左手のどこかで触れて止める、
E.マスカルディの動画を見ると、解放で弾く低音は右手親指で次に行く一瞬前に触れて止めているのがわかる、もう無意識にできる動作かも、
you tube:De Visée - Rondeau La Montfermeil - Evangelina Mascardi
和音を弾いた数本の弦を止める際は右手の腹(小指より)で止める、曲の終りなら左手で弦を覆ってもよい、
リュート、ギターならではの止め方もあり、パっと止めるんじゃなく、フワっと止める方法も効果的な所で使うと良い、
やり方は弦のブリッジ際に手の腹の小指側で軽く触れ、じわっと手の腹を被せていく、
ブーレーなど活発な曲ならパっと止めるのが良いが、サラバンドや、ゆったり弾くアルマンドでは、終止和音など、フワっと止めると、より相応しい表現で惹き付ける、
リュートやギターは演奏する両手が正面から聴衆によく見える楽器なので、ライヴ(あるいはネット動画)ではこういう丹念な所作が視覚的に惹き付けるかも?
また、よく見えるだけに両手指の技もさらけだす楽器である;見る人が見れば、基礎が出来ているか、我流かも一目でわかる(聴けばわかるが);
チェンバロも発音方式は撥弦で全て解放弦になる、鍵を離せばダンパーが降りて弦は止まる、
チェンバロのジャック、③がダンパー
必ずダンパーが接触したガシャっという音も出るが、終止音を十分響かせ、ダンパー音がすると、締めくくりの合図として聞こえるv
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category: 演奏について
リュート譜:第2バックアップ 
2023/10/20 Fri. 10:33 [edit]
PC時代の前は、こうした資料は写真撮影してマイクロフィルムで保管されていた、アメリカの所蔵先からそのフィルムを貸し出してもらい、フィルムスキャンした事もある、そのままでは不鮮明で見づらいので、さらに手書きで清書もした;
フィルムスキャナーで読み取り、CD-Rに保存した
その後はCD-Rに収めたデータで購入したり、ネットを通じて取得したPDFや画像ファイルが多い。方々探して、ときに手間をかけて集めたこれらを全部失って、再度集めるというのは無理な部分もある;
紙にプリントアウトしても失いやすいので、とにかくPDFか画像データで、1つ所にまとめておくのが一番、(*CD-Rは保存内容が固定されて整理できないし、CD-R自体も紛失しやすい;)
以前、落雷の影響でPCが完全に壊れた経験があるので、普段から大事なデータは外部HDDに入れて、ショートカットで開いている、ただ、この外部HDDも何時故障しないとも限らないので 、もう1つ外部HDDを用意し、その他重要データも一緒にまるごと写して保管することにした 、普段は接続を外しておく、
まあここまですれば、所蔵データが失われることもないかと;
しかし「とりあえず保存さえしとけばいいや、」ってな感じで、1つのフォルダに何でも放り込んでしまい、あとで探しにくい;
作曲家ごとに整理したり、一目でわかるタイトルに変えたりすれば探しやすくなるが、自分の部屋と同じで;PCデータも散らかっている、 まあぼちぼちと整理を・・^^;
*ファイル:画像、PDF、音声、テキストなど1つ1つのアプリに基づく保存形態、現物で言えば1枚の写真から、数ページの冊子のようなもの、
*フォルダー:関連するいくつかのファイルを収める入れ物、またいくつかのフォルダーを収めた大きなフォルダーも作れる、
整理も工夫しないと「こんな所に入っていたか」とあとで探しづらくなる;
PS.実際の書類整理用品の名称を見ると、明確な定義は付けられず、どう呼ぶべきか迷う^^;
綴って一冊になればファイル、まとめて入れておくのがフォルダー?
*バインダーは大型のファイル、ファイルボックスはフォルダーボックスでもある?
クリアフォルダーはプリントした楽譜を1曲ずつまとめるのに重宝v
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category: 楽器について
楽器を聴く空間と位置 
2023/10/19 Thu. 11:41 [edit]
独奏リュートは元々、大勢の聴衆に聴かせる事は想定していない、奏者本人、またはすぐ近くに居る人が理想的に聴ければよい、
楽器から出てくる直接音が好きな音・・なのも重要だけど、奏者本人の耳は楽器の後ろに位置するので、弾いた音が自分に心地良く返ってくる部屋があれば最高^^;
しかし自分の部屋に反射音は殆ど無い、
PC時代に入っての救いが、音声アプリ等に備わったリヴァーブ機能で、録音機にも簡単な機能が付いたものもあるが、近年は機能アップして残響パターンを細かく設定できるアプリがある 、プロ向けの高機能じゃなくて筆者には十分;
空間の寸法(縦横高さ)、天井,壁,床の材質、奏者と聴き手の位置、全体の吸音率など変更できるが、いじりだすときりがないので、一聴して「だいたいこんなところ」にしている^^;
録音は反射音の少ない場所で、直接音を録ってそれをリヴァーブ編集するのが良い、
リュートや古楽器に相応しい響きの会場があるが、そこのイメージを思い出して^^
*録音したままの音(演奏は未完)
mp3:canaries(E.Gaultier)
*リヴァーブ機能を使った音
mp3:canaries(E.Gaultier)reverb
疑似音声に違いないが、ステレオ機に送信して聴いてみると結構自然な感じで、(音だけは;)一端の録音物のようになる、
大きな教会に備えられたオルガンなどまさにそうだが、響かせる会場も楽器の一部と言える、
ピアノも一旦録音して、名ホールで弾く音にできるかも^^
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category: 演奏について
セッションとライヴ 
2023/10/18 Wed. 09:47 [edit]
20世紀の指揮者の中で今も聴きたいと思う1人がオットマール・スウィトナーだが、orchから決してゴッテリした重い響きは出さず、バランスが良い、そしてセッションとライヴとの違いにも惹かれる、ブラームスのSym No.1の終楽章の聴き比べをしてみる、
orchはどちらもSKBで、まずセッション、
you tube:スイトナー指揮ブラームス交響曲第1番(終楽章)
次は1988年、サントリーホールでのライヴ
you tube:Brahms: Symphony No.1 /Otmar Suitner/Tokyo Live(終楽章)
演奏の基本設定とサウンドバランスは同じに思えるが、キレ方が違う、このテーマを演奏した後、ぐっとスロットルを踏み込む、
聴衆の息づかいを背後に感じながらでは、やはり熱の入れ方が変わってくるのだろうか、
次にヘルベルト・ブロムシュテットのベートーヴェンSym No.5、
まずは2017年、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO、これもライヴなのだが、従来のセッション盤みたいな位置づけに思える、収録目的がCD化を前提とするか、放送のためだけか、が違いになるだろうか?
you tube:Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67: I. Allegro con brio(連続再生)
もう1つが、2021年のN響とのライヴで、放送用音源、
you tube:ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 作品67 (ブロムシュテット / N響)
ゲヴァントハウス盤よりもさらに鋭さが増している^^ブロムシュテット94歳の演奏である、
*『運命』という副題は捏造話に基づくとわかり、使われなくなった、
最後に遡るが、フルトヴェングラーが1944年、ラジオ放送用にVPOと録音したベートーヴェンSym No.3『英雄』、会場は空席だが、ラジオの向こうで多くの人々が聴くはず、まるで背後に聴衆がいるかのような熱気溢れる演奏に思える、
you tube:Beethoven - Symphony No 3 ‘Eroica’ - Furtwängler, VPO (1944)
なお、フルトヴェングラーも完璧主義者で、EMIなどスタジオでのレコーディングの際は入念に仕上げると聞いた。
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どの楽器にも良い所はある 
2023/10/17 Tue. 11:14 [edit]
まず、この13コースluteは優等生で、鳴りは十分、音楽表現も豊か、もっぱらこれを使う事が多かったが、音量の出せるプロ向け仕様?の楽器もあり、これもそのタイプ、
筆者にはやや"暴れ馬的"で扱いに馴れる必要もある、
サンプル音 (*以下、演奏は未完)
mp3:Fantasie F-Major Blohm de Vienne
保留ぎみだった、ジャーマンテオルボを近頃よく使い出した、ややおとなしめの鳴り方だが、曲を弾き出すとバランスよく表現できてわるくない、
ジャーマンテオルボ: 調弦法は13コースバロックluteと同じ
楽器のボディ形状によって弦の位置感覚が変わるので、今はすっかりこっちに馴れている;
サンプル音
mp3:Fantasie F-Major Blohm de Vienne
オンラインレッスンでもこれをよく使う、曲によって、長く伸びたエクステンションの響きが効いてくる、このアルマンドでは、13コースのコントラAを弾くのは1箇所のみだが、
曲の中でこの1音が大事な支えに聞こえる、(これはまだ練習中) バロック音楽ではバス旋律のoct移動は必須な表現となり、低音コースが増えた理由だろう、
11コースluteも2つあるが、こちらは結構パワフルに鳴って汎用しやすい、これもステージ仕様というべきか、
サンプル音
mp3:Fantasie F-Major Blohm de Vienne
もう1つ、この古い11コースはおとなしめだが、フレンチ作品には良い雰囲気、1982年製、
緩い弦でも反応よく、指から伝わる力が何も妨げを受けず音になる感じが他の楽器以上で好ましい、一時ガット弦を張ったが、合成弦のみでもいけるv
サンプル音(ガット弦 A=392hz)
mp3:Fantasie F-Major Blohm de Vienne
一概に「音量が出る=良い」とも「音量が小さめ=だめ」とも言えない、楽器の特性で弾き方や表現が微妙に変わる、プライベートに弾く事が殆どなので、好きな音が出ればよい、
製作中の楽器はどんな個性を持って生まれてくるのか?^^きっと良いところはあると期待して使い熟したい。
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テンポが走る 
2023/10/16 Mon. 10:24 [edit]
キッチンタイマーなど見ていると遅い!
音楽的にアッチェレランドをかけるのが効果的な場合など、表現上コントロールされた加速は良いとして、だんだん無用にテンポが速くなってしまう事がある、
「こりゃ走りすぎだ」と本人にもわかるくらい; なぜこうなるのか、
まず心理的な原因として、
*緊張で呼吸が浅くなり、鼓動も速まり、1拍が縮こまっていく、
*技術的に自信のない所をごまかすため速く通り過ぎたい?;
*楽譜を見て「あと一息、何とか完走しよう」と気持ちが逸る、
*パッセージなど素早く決めようとテンポアップして、元のテンポに戻れない、
*性格がせっかち?;
いろいろありそうだが、演奏上の癖として、
*今演奏している拍を待てず、次の拍を食っていく、付点を持つ曲など起こりやすい、
4分音符が続いたあと、8分音符の連続が入るなど音価が細分されると、つい走りぎみに・・
録音をとって聴いてみれば瞭然だが、ここで録音の演奏に同調,妥協してはいけない^^;
あくまで第一印象で欠点を見出す、
一定のテンポを保つ習慣が必要だが、メトロノームをまず聴いてテンポを覚え、一旦止めて、演奏を繰り返す、
メトロノームと一緒に・・は機械的になりそうだが、たまに試すのも良いかも、先走ったり遅れたりして、合わせるのが意外に難しい;
重奏をやる場合、他者を置き去りにして突っ走ってはいけない;よく聴きながらリズムを共有する習慣がつけられると良い、
一方、音楽というのはただ一定に拍を刻めばよいわけではない、
*ポップス系の伴奏などきっちり一定リズムで行くのが良いジャンルもあるが、
you tube:ABBA Gimme! Gimme! Gimme!
これはクラシックには殆どないと思う、バロックの舞曲でも心地良い変化があってよい、
フレーズごとに言葉のような意味合いを捉え、自然な強弱、伸縮をつける修辞学がある(上昇音階はこうだ、下降音階はこうだと、詳しく調べだすと余計戸惑うが;)、あくまで言葉が先にあって、文法は後から分析された理屈付け、まずは直感するのが大事だろう^^
また過去録で恐縮; 課題曲だったシチリアーナ、バスは単純だが、撥弦楽器で旋律を声で歌うかのように弾くのは難しい;
mp3: Siciliana (Anon)
走ってはいないが、逆にミスしやすい所で安全運転になり、その癖が残ってノタつく、裏拍が強かったり;反省材料、
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A.フィッシャー:Haydn Sym No.96, 97 & 98 
2023/10/15 Sun. 10:15 [edit]
録音:2022年11月
後期SymはMD+G盤への再録音もあったが何故か中断したようだ?フィッシャーはデンマーク室内Oを指揮したベートーヴェンSym全集をNAXOSで完成しており、ハイドンもNAXOSで再々録音となっている、
ハイドンSym全集録音を完成させ、進化したフィッシャーの新録音は、土台から作り替えたようで、こんなふうに聴きたいと思っていた希望どおり、ゴツい響きは皆無、全体に音量を控え 、清涼かつ闊達な演奏 、好ましいバランスでtimpの打音が良く、合奏を引き締める、
*細やかな内容で、you tube再生はPC付属の小SPでは聴きづらい、ステレオ機に繋ぎ、静かな中で聴く必要がある、
No.96『奇跡』は第1楽章からじつに小気味良い、第2楽章は3部形式で、ト短調となる中間部が魅力だが、20世紀の重くしつこい演奏とは違い、ここも心地良く聴けるv
you tube:Symphony No. 96 in D Major, Hob. I:96 "The Miracle":
I. Adagio - Allegro II. Andante
III. Minuet - Trio IV. Finale. Vivace assai
余談:『奇跡』という愛称は演奏後に会場のシャンデリアが落下する事故があったが、聴衆はステージ前に集まっていたので落下場所には誰もおらず、怪我人は無かったという出来事に由来するそうだが、実際その事故があったのはNo.102の初演後だとわかっている、102番は傑作なので、こちらにこそ相応しい愛称かもv
No.97は機知に富んだ作品で聴き応えがある、和声進行や転調の創意が成されている、
第1楽章の展開部は第1主題で入るが、[124]アウフタクトから始まるflと2本のobによるポリフォニックな3重奏が魅力である、弦は主題の断片のみ弾く、
終楽章、ロンド・ソナタ形式はユーモラスな表情を持ちながら快調で、対位法を加えた聴き応え十分の構成を持つ、
you tube:Symphony No. 97 in C Major, Hob. I:97:
I. Adagio - Vivace II. Adagio ma non troppo
III. Minuet. Allegretto - Trio IV. Finale. Presto assai
No.98はウィーンでモーツァルトが亡くなった直後くらいに書かれている、この第2楽章ではtimpが用いられず、哀悼の意が込められているとも言われるが?ハイドンが親友の死を惜しんでいた事に違いはない、という事で、何か特別な思いが込められたような第2楽章の内面性は味わいどころである、終楽章はファンサービスか、ハイドンが弾いたとされる短いチェンバロのソロが終結に入る、
you tube:Symphony No. 98 in B-Flat Major, Hob. I:98:
I. Adagio - Allegro II. Adagio cantabile
III. Minuet - Trio IV. Finale. Presto
*you tubeにはNAXOSの広告版も挙がっているが、フィッシャーのステージ演出の一場面・・No.98の終楽章、走りながらの指揮は初めて見た^^
you tube:Haydn’s ‘London’ Symphonies Nos. 96–98 performed by Adam Fischer & the Danish Chamber Orchestra
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category: F.J.ハイドン
調弦を確実に! 
2023/10/14 Sat. 10:54 [edit]
昔のリュート奏者の記述からも、多少の狂いは容認していた、とは考えにくい、雑音混じりのような?音楽まで聴いている現代人より、耳は澄まされていたと思う、
バロックluteは同音異弦を弾く事が多い、譜例の最後は同音Fと低音Fだが、
低域でもすっきり合っていないと心地良くない;
いくらか狂っていても気にならないのか? 6本調弦するだけのギターでもそのまま弾いちゃう人があって(初心者でもないのに)、気持ちわるく聴いていられない;「ちょっと貸しなさい」と取り上げて調弦を直してやる事がたまにあった^^;
リュートは穴に差し込んだだけのペグ(弦巻き)で調弦するが、まずペグの回りが滑らかなこと、次にナットの溝を弦が滑らかに滑ること、両方が整わないといけない、カクン、カクンとした動きでは調弦不能、
*製作の段階でどうにもダメな楽器もあった、筆者のではないが、某国内スチューデント楽器(a社以外)で、ペグ、ナットとも、わざわざ使いにくい材料で作ったみたいな・・ こんな所でコスト下げなくてもいいだろう;
使い手の段階で具合良くできることは、
*ペグにコンポジションを塗る、ヴァイオリンにも使われるもので、適度な潤滑と固定性が良くバランスしている、
クレパスに似た感じ、
ほか、固形石鹸、チョーク(白墨)など調整に使える、
*ナットも溝を補正、あるいはまるごと作り替え、徹底して調子よくする、
さらに、ナットからペグが離れたコースが問題だった、この間でも弦が伸縮し、ナットの上を弦がカクンと滑り、ピタリ合わせ辛かった、
弦のナット付近からペグまでをケブラー繊維の糸で繋ぐ、伸縮がほぼゼロなので、ペグの回転に反応よく弦が滑り、微調整しやすい、
ナットは作り替えた、弦とケブラー糸は"電車結び"にする、
ケブラー繊維の糸:黄色は見た目、ペグボックスが雑然とする感じなので、黒を取り寄せた、順次替えていこうと思う、
*弦はハイポジションまで正確なピッチになる弦を使うこと、そうしないと始まらない;
クラギの③弦でも問題となるが、太すぎる弦や硬質な弦はハイポジションに行くほどピッチが高く狂う、リュートは緩いテンションで張るだけに特に影響が出る、
どう調弦しても正しいピッチは得られない;
シーガーのフロロカーボン釣糸『万鮪』も5コース以下あたりに使える、
赤ラベルは程よく軟質だが、青ラベルは硬すぎて使えない、
キルシュナーのガット弦も硬質すぎてハイポジションでピッチが高くなる、
*ガット弦を推奨するプロもおられるが、現代のガット弦には実用性に問題をもつ弦もあるので執着しないほうがよい、鳴り方が良い?云々の前に正確なピッチが不可欠;
さて、以上は準備であって、肝心なのは調弦行為そのものである;最近のチューナーの感知、表示性能は上がったが、その表示任せでは合わない事が多い、耳で確認しないと;
師がリュートの調弦の仕方についてブログに連載している、
リュートの調弦の仕方(1)・・(12)まで続編あり、カテゴリ:音楽系
高度な合わせ方で良好な弦が張ってあるのが前提になる、難しいがこれを参考に、よりきれいに響くようにしたい。
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category: 楽器について
楽曲形式 
2023/10/13 Fri. 10:04 [edit]
トッカータは歴史的には広い意味を持つが、一定の型を持たず作曲者の発想の趣くままに和声が進み、即興的なパッセージが連なる、鍵盤はじめ独奏楽器の為の曲である、
*L.ストコフスキーらが編曲したバッハのトッカータとフーガBWV565(原曲は無伴奏vnらしい)のorch編というのは本来あるまじき形態で、ほか某団体のギター大合奏というのもあったが^^;ワサワサした合奏がもどかしく、良いと思った事はない、
復原を試みた、vnソロによるBWV565(vn:アンドルー・マンゼ)は興味深いv
you tube:Bach Toccata & Fugue d minor BWV 565 - Transcribed for Solo violin
フレンチ・バロックの小節線のないプレリュードも定型を持たない、奏者がどう捉えるかで別の曲のようにもなる、
リュート曲で、F.デュフォーのプレリュード、
you tube:Prélude (D minor) François Dufaut -Baroque lute-
バロックの協奏曲で馴染んでいるのはリトルネッロ形式、合奏群による主題演奏に楽器ソロを挟みながら進行する、ロンド形式の主題とは違い、楽章の最初と最後以外は主題が主調以外の調で書かれるのが特徴。
先日書いた、パッサカリア、シャコンヌは4小節のテーマの和声進行を変えずに変奏していく、盛り上がったり、沈静化したり・・次の変奏がどうなるかが惹き付けどころ、
D.ブクステフーデのパッサカリア ニ短調 BuxWV161を挙げる、
you tube:Passacaglia in d-moll BuxWV161 Orgel : Kazuki Tomita
フーガでは、1つのテーマが次々別の声部から出てくる、まずリュートでは数少ないフーガでS.L.ヴァイスのニ短調を今村泰典氏の演奏で、
you tube:Prelude and Fugue in D Minor: Fugue
複数のテーマを持つ多重フーガもある、テーマが歌い終わらないうちに重ねて出てくる(ストレッタ)も加えたり、宝探し的?な楽しみと言えるかも、
J.M.クラウスの教会交響曲ニ短調VB147よりフーガ楽章、フーガ書法を結集した曲で、主題はバロック風でオルガンの足鍵盤的なジグザグな動きである、
you tube:J. M. Kraus - VB 147 - Sinfonia da chiesa in D minor
ソナタ形式は形式の王様といえるだろうか、
第1主題があえて武骨だったり、風変わりに思えても、作曲の手腕で見事に聴き応えのある曲となる、展開部など意外な方向へ持って行ったり、再現部や終結部も盛り上がって終わるとさらに面白い、100曲以上Symを書いたハイドンは1曲ごとにそんなアイデアを盛り込んでいる、
この頃は多作の時代だったので、いくつも聴いてみるのが楽しめる、
ハイドンのSym No.97ハ長調、第1楽章主部がソナタ形式、終楽章がロンド風ソナタ形式となるが書法は機知に富んでいる、
you tube:Symphony No. 97 in C Major, Hob.I:97:
I. Adagio - Vivace II. Adagio ma non troppo
III. Menuet: Allegretto IV. Finale: Presto assai
ベートーヴェン以降になると、1曲ごとに普遍の価値が込められるようになり、ソナタ形式の中に様々な書法を加え、壮大に発展する、
*古典派期の変奏曲にはほぼお決まりというか、お手本的で聴き応えに乏しい曲もある、モーツァルトのピアノ曲の変奏はさすが見事に惹き付けるが、フェルナンド・ソルの「魔笛の主題による変奏曲」などギターの名曲とはいえ、何度も聴きたい程ではない、何か新しいアプローチの演奏があれば別だが、
*モーツァルトの「トルコ行進曲」K.331はロンド形式、何故かやたら突っ走る演奏が今も蔓延ぎみで、早足曲である;
"行進曲"らしい好きな演奏、1音ずつ細やかに聴けるv
you tube:W. A. Mozart Sonata No. 11 "Turkish Rondo" in A major, K. 331
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category: 音楽様式
どのみちギターはやめていた? 
2023/10/12 Thu. 09:08 [edit]
*カメラそのもの(機材)が興味の対象になると、オーディオ趣味と似た事になるかも?^^
先般も書いたが「ギターやってます」と言ってもやはり漠然としすぎる;
過去記事:ブログのサブジャンル
その中のクラシックギターを知人に薦められて始めた頃は、これにどんなレパートリーがあるかもよく知らなかった、これもカメラ同様、興味が絞り込まれる世界だった; 古くはルネサンス、バロックから弾けると言われたが編曲もので、厳密な意味でのオリジナル作品はロマン派のF.タレガ以降になり、楽器もそれらに適した作りであるのがわかってきた、
またクラギにはどうにもならない壁があった、それは右手の【mとi】の交互弾弦が速く出来なかった事で(素振り速度ではなく弾弦速度)、特別訓練?しなくても速く弾けちゃう人もいる、
指の筋肉の問題か、それとも持って生まれた神経速度の違いか、もし後者ならどうにもならない;【m,i】による急速スケールは多くの主要作品にある、
F.タレガのアラビア風奇想曲、ここでもう弾けない、
長いセーハや指の拡張がきつい曲もある、これらが出来なければ目標も持てない;
興味の対象はもっと古い作品だったので、その時代の楽器を使うのが理に叶っているとわかった、そこで助け船となったのが、ようやく手に入るようになったリュートだった、
まずルネサンスluteの場合、パッセージは【|と・】の交互で弾く『フィゲタ奏法』が基本で 、親指と人差し指はほぼ対面しているので往復運動と同じ、個人差なく速く動かせる、ただし左手の押弦とタイミングを合わせるのは難しい(これが苦手);
過去記事:左手と右手のタイミング
【|】記号は省略され【・】のみ書かれる場合が多い、
またバロックluteでは、パッセージはスラーとアルペッジョの合わせ技で行うのが基本で、
ルネサンスluteのフィゲタのような、左手,右手のタイミングの問題も少ない、
ギターで言う【m,i】の急速スケールのような弾き方は殆ど要求されないv、セーハや指の拡張も頻繁ではない、リュートは日常の指の使い方でほぼいけるv
・・と言っても易しいわけではない、その他諸々の技術的課題はいっぱいで、修練していく必要はある、ただし、どうにもならない壁は取り払われた、これが救いである、
リュートに移らなければ楽器ライフは終わっていたかもしれない?
*バロックギター、これは例外でOK、
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category: 楽器について
ブラームス:Sym No.4 『終楽章』 
2023/10/11 Wed. 12:28 [edit]
バロック期の楽曲形式で、パッサカリアやシャコンヌには好きな曲が多くある、
4小節で同じ和声進行のテーマが次々変奏されていく、リュートにとって『フーガ』は機能的に難しい形式だが、これらはひじょうに都合がよく、作品数も多い、
曲は同じ和声進行が変奏により止めどなく繰り返される、そこが惹き付けるのである、
リュート曲で結構充実しているのがDubutのシャコンヌ、
you tube:"Chacona en La menor" (Dubut) para laúd
(もう少しゆっくりめのテンポで聴きたい)
この楽譜はlute奏者 Lutz Kirchhof氏が見つけ出したもので、他の奏者は演奏していない、Kirchhof氏に在処を尋ね、LSAライブラリからフィルムを送ってもらったv
*在処(ありか)ってずっと「有り家」かと思っていた^^;
極端に難しいところはないが、"聴ける演奏"にするには難曲;
ほかに持っているのは、提供した師匠やリュート仲間さん2、3人だけかも^^;
バッハはオルガンのために壮大なパッサカリア(とフーガ)ハ短調 BWV582を書いている、
この形式の集大成というべきか、ここではオルガンに替わる、ペダルハープシコードでの演奏を挙げる、(演奏:ダグラス・アムリン)
*ピアノで言う"ペダル"ではなく、足鍵盤付きのハープシコードである、
you tube:Passacaglia & Fugue in C Minor, BWV 582
最後に本題のブラームスSym No.4より、終楽章、
ブラームスはロマン派の時代にあって、過去の音楽の書法を多く取り入れているのはよく知られる、古くは教会音楽、バッハ、ハイドン、ベートーヴェンら、先人の書法が作品に引き継がれているのが聴きどころ、ブラームスの師、R.シューマンが過去の音楽の楽譜を多く所蔵していたそうだ。Sym No.4の終楽章はパッサカリア形式だがバロックそのものではなく、ソナタ形式的な枠組みもある、Wikipediaにはソナタ形式と見なした場合の分析が書かれている、
→Wikipedia :交響曲第4番 (ブラームス)
しかし通常のソナタ形式のような完結感はないまま、パッサカリアの吸引力で惹き付け、緊張の中に終わる、
W.サヴァリッシュ、LSOの演奏が引き締まり、第16変奏[129]からの熱気が圧倒する、
you tube:Johannes Brahms, Symphony Nr. 4, e-minor, Op. 98, Wolfgang Sawallisch(終楽章)
さらに凄まじい演奏を求める場合は、フルトヴェングラー BPO(1943)、
you tube:Brahms - Symphony No 4 - Furtwängler, BPO (1943)(終楽章)*音量大
*初めてこの楽章を聴いたとき、良さはよくわからなかったが、物を味わうにも積み重ねが要るとわかった^^;
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category: ブラームス
向いていないからこそ 
2023/10/10 Tue. 11:43 [edit]
元々筆者は子供の頃から不器用で、人一倍勘が利かないのを自覚していた、対人関係も苦手なので、一人でじっくり時間をかけてやるような事が一番向いていると思う、学校では図画工作は一貫して好きだったが、音楽は好きでも嫌いでもなかった、"お歌のテスト"は嫌だったが、レコード鑑賞の授業は興味湧いた、その時名曲のいくつかを知った。
・・にも関わらず、楽器なんぞという物に手をつけてしまった、聴くのは好きだったが、自分でもやってみたい、と魔が差したのか;
絵や工作なら上手く出来た物だけ展示すればよいが、演奏は上手く行こうが行くまいが、それをリアルタイムで人前にさらけだす芸事で、いちば~ん苦手なはずだ;
『書』にも勤しんでいたのに、そっちはやめて;"乗りかかった船"的にやってきた;
今さら趣味を変えて一からやるという時間も余力もまったくない;
逆に向いていない人間がどこまでやれるか、というのもある意味面白い、僅かづつでも進歩があればやる意味もあるし、そうなるような練習をしたい、
*だいぶ昔;リュートに惹かれたのは"音"ではなく、その"姿"だった、教科書にギターの先祖として載っていた絵が何とも古雅で気に入ったが、当時はどんな音かも聴いたことがなかった、
のちにラジオ放送で初めて聴いて、何となく想像していたイメージどおり、幻想感のある好きな音だった!(この音は球面のボディがあって作られる)
しかし年月が経って自分が手にするとはその時想像もしなかった、何たって楽器や楽譜を入手する術も、習うところも皆無だった;
リュートは独りで自分のために弾くという要素も持っているので、数ある楽器の中では向いている方かもしれない、防音室がなくても人に聴かれる音量ではないし^^
今はあちこちに出向いて弾かなくても、「今日は楽器から良い音が出た」というだけで気分よく過ごせるvよほど調子が出たときに録音を残したいが、ブログを訪問くださった方に聴いてもらえれば十分^^鋭意練習中、
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category: 演奏について
音楽を語る 
2023/10/09 Mon. 10:54 [edit]
さて、上手いナレーションは自然に抑揚をつけ、区切りをおきながら語る、
音楽も同様で、その内容が聴き手に伝わるように演奏するのが大事、けっして"棒読み"になってはいけない;まあ当り前の事だが、案外気を抜いて練習してしまったりする^^;
先日の続きになるが、易しい小品でも"音楽"にするには、やる事がいっぱいある;
音楽はおのずと4小節でひとまとまりとなる、
譜例は課題曲の『Capricio』だが、実質ブーレーのリズムになる、
アウフタクトで始まる曲は弱起音が語り始めであり、そこにV印を入れた、また2小節目でも小さな区切りがあるので小文字vをつけた、4小節のフレーズをうまく納め、次から新たに始まるように表現する、
方法としては手前を少し切って、弱起音に溜めをつけ若干テンポを緩め、テンポに戻す、強弱も適切に・・等々、それを自然で心地良い感覚で・・
音量が均一になるチェンバロでは強弱以外の方法を駆使する事になるかな、
E.ゴーティエのカナリーも弱起で始まり、この譜では8小節が区切りになる、
節目をつけながら、各8小節の表情を上手くまとめる、
先日の録音はそれもちゃんと出来ていない(棒読み?)、反省材料^^;
mp3:Canaries(E.Gaultier)
また方眼紙上でどれくらい伸ばす・・とか考えると指任せになるが、楽器から手を離し、良い演奏イメージを浮かべてから弾く、それでテンポが走りだす事もなくなると思う?
余談:1曲ずつよく仕上げず、次から次へ数弾いても、それは音楽を軽く雑に捉える習慣になるだろう、アマチュアの演奏には責任こそないが、マナーはあると思う、楽器仲間だけの集まりならまだしも、不特定の人が聴く場では、楽器の事を知らない人は一定の期待をもって聴くと思う、そこで仕上がりにはほど遠い演奏を聴かせるというのは、弊害にもなりうる、
プロ、アマ問わず同志の人達から見られても、手を染めた端くれとして好ましい行いをする、そんな自覚は持ちたい。
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category: 演奏について
一人の食卓 
2023/10/08 Sun. 11:01 [edit]
ワンパターンになるが、大根おろしにジャコをかけたのは毎日でも飽きない^^
大根は下の方ほど辛いので、おろしには上がいいとされるが、
筆者はおろしもツーンと辛いのが好き、スーパーで上下半分に切ったのを売っていたので、下半分を買う、煮付けにすると、下はほろ苦さが出てこれも好き;
*辛いもの好きといっても、激辛ものは避ける;
茄子の辛子漬け(酒粕入りで甘味)もこのところ切らさず買ってくる、
あと高菜炒めも、これをご飯に乗っけるのも飽きない^^
肉ものはハンバーグかウインナーなど焼けば十分、洗い物も少ないv
ご飯は1合ずつ炊き、残りは保温せず冷蔵庫に入れる、
土、日には息子が仕事先から帰宅する時があるので、おかずもちょっと増やすが、この炒飯、気に入ったらしい、
食器洗い、ゴミ出し、花壇の水まきなど、ひととおりやることを済ませたら気分もすっきり、この乾燥機は浴室の脱衣場にもあり、洗濯物を吊して乾かすv
PS.いつものスーパーで定例の"駅弁フェア"をやっていた、各地の名物駅弁が並ぶ、もしあれば欲しいのが昔ながらの"幕の内"だが、一度も出たことがない(願わくば木箱)、今これを望むのは無理だろうか;
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category: 昭和の食卓
脱力の音楽 
2023/10/07 Sat. 10:26 [edit]
脱力と言っても気を抜いてダラリとする事ではなく、集中力は必要;この楽器の持ち味として、あまり活発でテンションの高い音楽じゃなく、ゆったりしながら小味の聴いたキレもある幽玄な音楽が相応しい、バロックluteのレパートリーの大半はそうした曲だろう、
これは鍵盤のクラヴサン音楽にも影響し、ヨハン・ヤーコプ・フローベルガー、ルイ・クープランらがそういう曲を書いている、
フローベルガーのMeditation faite sur ma mort future
you tube:Johann Jakob Froberger: Meditation faite sur ma mort future
L.クープラン、小節線のないプレリュード
you tube:Louis Couperin - Prelude a l'imitation de Mr Froberger for Harpsichord
バロック後期、ドイツのS.L.ヴァイスはフレンチスタイルも残しながら、パワフルで緊張感のある魅力も持っている、
ヴァイスのファンタジーC Minorをクラヴサン式に書いたらこうなるだろうか、
J.リンドベリのアルバムが好演で、フレンチから後期のヴァイスまで順序よく聴ける、
修復されたオリジナル楽器、Sixtus Rauwolfを用いての演奏、
you tube:A Lute by Sixtus Rauwolf: French & German Baroque Music
まあ、いずれを弾くにしても課題がいっぱいあって、"脱力"するのが難しいのである;
技術もさることながら、タブに記された"音楽"を捉え、具現化するのも容易ではない、
またバロックには様々な舞曲があるが、3拍子の曲でもすべて均等な3拍ではない、小節、あるいはフレーズを大きく捉え、"自然で心地良い伸縮"があるのがヨーロッパの音楽だが、
日本の音楽にこういうのはなく律儀に均等に拍を取る、子守歌で背中をトントンという感じ?我々世代は学校の音楽でも「きちんと拍を打ちましょう」という授業しか受けていない、机を叩いて「タン、タタ、ター、ァー」とか強拍,弱拍の区別もなく、そんな記憶しかない、
*今の文科省検定済教科書ってどうなのだろう?
とにかく我々世代はメヌエットもジーグも方眼紙の枡目に収まるようにやってしまう、
"ヘミオラ"になっているなど知らずにいる;(地方のピアノコンクールでヘミオラを知らない審査員もいたとか;)
付点リズムも、わかっているようで案外身についておらず、『カナリー』のリズムの場合、
だんだん付点が無くなって縮まり、走りだす;
これを直すにも、方眼紙上で「ここは1.5、ここは0.5・・」と、測ったようにやろうとする;それこそ肩に力が入り、本当に音楽を捉えてはいない、すべて感覚的に体に入っていないと、脱力はできない、
過去録のカナリー、まだノタっと引きずりキレがない;
mp3:Canaries(E.Gaultier)
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J.M.クラウス:傑作選 4 
2023/10/06 Fri. 09:43 [edit]
因みに2020年の台風10号は日本の南海上で発生し、九州の西方向に進んだ、
その前後を比べると、台風の経路だった所の海面温度が少し下がったようだ?海流による自然な変化かもしれないが;
10月に入って急に気温が下がり朝夕屋外は小寒い、屋内はちょうどよく夜はエアコンを止めて静寂環境で音楽が聴けるv
冬は一頻り暖房したら、電熱ヒーターのみにしている、
さて本題、J.M.クラウスの交響曲に戻って、
まず、これも内容の充実した、変ホ長調VB.144、スコアがないので詳細はわからないが、凝った書法が使われているようだ、序奏なしで溌剌とした第1楽章アレグロは流麗な心地よさもある、展開部のあと、再現部も充実して雄大な面持ちで終わる、
第2楽章、ラルゲットはシチリアーナのリズムで哀歌的なテーマ、中間部はオーボエソロの明るい旋律美へと変わる、
終楽章はソナタ形式だが開始部から対位法で書かれ、推進力を持った聴きどころも挟み、バランスよく構成される、展開部は予想を覆す発想力で書かれ、再び凝った対位法を置く、
演奏はコンチェルト・ケルンが良い、
you tube:Symphony in E-Flat Major, VB 144: I. Allegro(連続再生)
次にニ長調VB.143、この曲も対位法を散りばめたところはVB.144と近似した作品と言えようか、チェロとコントラバスはパートが分かれているようだ、第1楽章はやはり展開部に巻き込まれる、第2楽章は変奏形式だが、穏やかで劇的な要素は置かない、終楽章は再び対位法をふんだんに交えた書法、
you tube:Symphony in D Major, VB 143: I. Allegro(連続再生)
ハイドンは音楽通だったエステルハージ侯爵に仕えていた環境が独創的な書法の発展を促したものと思う、"一般ウケ"など、どこ吹く風という立場だったかも、作曲家の庇護者も音楽史に貢献していると思う。
クラウスも独創的で通好みの曲が多いが、彼は劇作,著述家、画家としても活躍したマルチ芸術家で、仕えていた主君グスタフ3世も教養人、その趣味の高さも関わっているだろうか、
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category: J.M.クラウス
新品と中古 
2023/10/05 Thu. 10:33 [edit]
定評のある製作家さんなら、あるレベル以上の出来栄えは補償されていると言えるが、天然材料を使うだけに個体差は出る・・そこは運しだい^^;
Nic. B. van der Waals作バロックluteの良作を試奏した時は問答無用の一聴惚れだった、これほどの楽器にはめったにお目にかかれないと思った;
師匠を介して製作を頼んだ、スイス製作家の13コースluteだが、完成して届いたときは我々の標準?よりかなり高いテンションの弦が張られていて、最初はどうだかよくわからなかった;
筆者の標準とする弦に張り替え、しばらく弾いていると・・
→ 弦選定表
Nic.作を思わせる遜色ない印象だったので、これは大当たり!と喜んだ、
中古はネットオークションに出てくる物は一切手を出さず、信頼できるルートからの品に限る、良い中古しか置かない楽器ショップもある、
この11コースバロックluteは、プロ奏者さんを介した中古で、素性の良い鳴り方だったが、1982年、英国製で新品の頃の音はわからない、
それまでの保守が大まかで、ペグ穴が開いてペグがだいぶ突き出た状態、ナットに彫り直した弦溝が何本もあり、バーコードみたいだった;これは自分で何とかしたが、
ペグ穴縮め
ナット作り直し
ほか、接着の剥がれや弦高が高くなったり、製作家さんに数回修理してもらった、
いろいろ手はかかったが、結果、長く使いたい楽器となった、ピッチを下げて(A=392~400hz)緩いテンションでも反応よく鳴って、ガット弦の雰囲気も効いてくる、
→ 弦選定表
*ガットを張ったときの過去録(A=392hz)
mp3:Suite in D minor:Prelude, Menuet, Sarebande, Gigue (Anon.)
PS.製作中のバロックlute、本体部分はほぼ出来上がり、あとはペグボックス作りとニス塗装、ケースの製作を残すところまで来た、
工程からして時間がかかり、気候も見ながらなので、ほぼ1年がかりかな;
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category: リュート
昭和の器 
2023/10/04 Wed. 10:24 [edit]
うちにある物品でたった1つ、たぶん昭和30年代?からあるシュガーポット、ありふれた何でもない物品でもこれだけ長く持っていると、何だか処分できなくなる、
焼き物やガラスの器は大量に作られた定番の形や図柄の製品があって、昭和から変わらないものがある、集会所に何十人分も備えてある湯呑みといえば、大抵この紺地に水玉が何故か定番なのだ、家庭用に買うことはまずない?
これを見るとほっとする気もする、お茶だけでなく、大きなやかんで酒を火にかけ燗にして、この湯呑みに注いでまわった、(別銘柄の酒も混ぜて^^;)
そういえば急須の注ぎ口も昔は左のような穴あきで、金属網ではなかった、
穴あきだからこそ、茶柱も立ったのだv
家の玄関やどこかの待合室に置いてある観葉植物の鉢として、こんなデザインは随分見た、
サンスペリアなど植えてあると、本当に"昭和"な気分^^
ガラス容器にも懐かしいものは多々あるが、かき氷は絶対この器じゃないと満足しない、
目薬は上蓋のゴムを押して垂らす、こんな容器だった、
しかし普段使わない食器類が溜まりに溜まって重いし邪魔、時折、処分したい古いものを箱に詰めているが、
その中で家内が「これは捨てちゃダメ」と言ったのがこのカップ、Noritake製だとか言って、
刑事ドラマ『相棒3』の再放送を見たら、同じのを右京さんがティーカップに使っていた^^
PS.家では絶対作れない懐かしいものがバタークリームのX-masケーキ、ここ数年、早めの予約を忘れて買い損ねたので今から予約した、12月23日着で^^
12月24日生まれの人は、ケーキはどうするのかな?
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category: 昭和の記憶
A.フィッシャー:Haydn Sym No.94『驚愕』 3つ 
2023/10/03 Tue. 10:21 [edit]
一人の指揮者がこれほど演奏に変貌を見せた例はあまりないので興味深い、
録音開始時と終了時のA.フィッシャー Brilliant Classics(Nimbus 原盤)
その後も2004年、新たに後期SymをMD+Gに録音しているが、2022年から新規のシリーズとしてNAXOSに録音を初めていて、すでに2枚リリースしている、
*MD+G盤は何故か3枚で終っているので、NAXOS盤で"仕切り直し"なのか?
2004 MD+G 2022 NAXOS
録音状態は似ているが、NAXOS盤がより明瞭に聴ける、
フィッシャーの3つの『驚愕』が揃ったので順に聴いてみた、
まず全集に入っている演奏は20世紀スタイルの秀演といったところだが、古典派の演奏が研究,進化しつつある時期でもあった、他の大編成サウンドで聴かせていた演奏より聴きやすい、
you tube:Haydn: Symphony No.94 in G Major ‘Surprise’
2004年の再録音からは大きく様変わりしていて、まずorchのバランスが根本から違う、2004年盤はyou tubeにないが、この時点で演奏はほぼ完成しているようで、2022年盤ではさらにキレてきて、演奏時間も各楽章ちょっとずつ速くなっている、
2004年 8:18, 5:49, 4:17, 3:51(MD+G)
2022年 7:55, 5:11, 4:12, 3:46(NAXOS)
全体にorchの音量レベルを控えて涼やかに聴かせ、その対比でtimpとtrpのダイナミズムが効果的に押し出してくる、第1楽章はキビキビと快演、第2主題で若干テンポを緩める、
面白いのは第2楽章の演奏、楽譜では p で開始、繰り返しで pp となっているが、
2004年盤は始まりから pp で、繰り返しは耳をすませてやっと聞こえるくらい(周囲が静かでないと聞こえない)、そして ff の総奏で本当にびっくり効果をもたらすv
2022年盤では始まりが ppp ほどで、繰り返しは"無音"に近い?;たぶんライヴでの聴衆は奏者らが手を動かすのを見て頭の中で演奏するところ、録音でもここは頭で演奏・・そのテンポが遅れると早いタイミングでドカンと来てびっくり!これも策略^^;
メヌエットは切り立てて活気十分な魅力、
終楽章はぴしっと決めながら快速に巻き込む、[233]からtimpは f の連打になっているが、
ここも ff くらい強烈にして驚かす^^2022年盤はtimpの音が"本皮"っぽくて良いv
you tubeSymphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 "Surprise":
I. Adagio - Vivace assai(連続再生)
フィッシャーは現在74歳、まだまだ活躍できる、
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category: F.J.ハイドン
楽譜と実際 
2023/10/02 Mon. 09:58 [edit]
一昨日の記事にも関連して、音楽をどこまで仕上げるかの姿勢にもよるが、バッハをリュートで弾くなど指の技術だけでも大変、さらに音楽の完成度を上げるとなると、そう易々と手が付けられない、(もちろん筆者は手をつける予定はない^^;)
バッハのリュート風鍵盤曲、BWV998のプレリュードを例にすると、五線譜の原譜は変ホ長調でこのとおり8分音符が連なっているが、この音価どおり音が出ればよいわけではない、
(*楽譜の表記整理で休符になっていても、そのとおり休符にする必要のない所もある)
リュート編曲譜(ニ長調)ではこのタブラチュアのようになるが、
赤ラインで示したように音を重ねていくべきである、アルペッジョを得意とするリュート(orギター)ならではの美質を活かさないと楽器の意味がない、
次のフーガでは音の保持は必須となるが;1声の中にも重なる響きがほしい、それが出来ない所でもデュナーミクの妙でレガートに聴かせたい、
フーガ部分の終り
Fineの次からはまさにアルペッジョである、
Evangelina Mascardiの演奏を見ると、その技が覗える、左指の動きも最小限で事前の準備の動きがあるのも模範的、これもレガートな美質を実現する重要な技である、
you tube:J. S. Bach - Prelude, Fugue and Allegro in E-flat major BWV 998
ギター編曲の場合、調弦法の違いでやり方も変わってくるが、
可能な限り重ねる美しさも求めるべき、
ギター編曲譜(ニ長調)
この曲をリュートハープシコードで弾いた、エリザベス・ファーの演奏を挙げる、
you tube:Prelude, Fugue and Allegro in E-Flat Major, BWV 998:
Prelude Fugue Allegro
この楽器は元々、ダンパー機構が無いので鍵を離しても音は残る(休符があっても音が止められない)、ガット弦が張られ、金属弦のチェンバロほど音は長引かないので問題ない、
これも"リュート風"を意識した工夫だろう、
リュートハープシコード
チェンバロの場合、次の音とよく連なる奏法が必要かと思う。
you tube:J.S. Bach: Prelude, Fugue and Allegro in E flat, BWV 998 -
1. Prelude 2. Fuga 3. Allegro
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category: 演奏について