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『植村直己物語』(86)(1986.7.8.日本劇場)世界的冒険家・植村直己の半生と夫婦の愛を描く伝記ドラマ。監督・佐藤純彌、脚本・岩間芳樹、撮影・並木宏之、阿久津悦夫、音楽・村井邦彦、ウィリアム・アッカーマン、ウィンダム・ヒル。映画を見る前は、また『南極物語』(83)のような、スタッフ、キャストの労をねぎらう“ご苦労さん映画”なのかなと思っていたのだが、そうした先入観を見事に打ち破られた。植村直己という一人の男と自然との異常とも思える関わり方は、確かにスペクタクルの一つとして見せられるのだが、その裏で、日常生活ではむしろ凡人であり、落ちこぼれでもあったという、植村の弱点を同時にみせることによって、偉人でも超人でもない、一人の人間としての魅力を引き出すことに成功しているし、山や極地での危険な冒険にしか生き...「BSシネマ」『植村直己物語』
人間の証明 1977 佐藤純彌 (主演・岡田茉莉子 原作・森村誠一) 東映
監督 佐藤純彌 第二班監督 マックス・クラーレン 原作 森村誠一 脚本 松山善三 撮影 姫田真佐久 ソル・ネグ
『敦煌』(88)(1988.8.20.日比谷スカラ座)11世紀、中国・宋の時代。科挙の試験に落ちた趙行徳(佐藤浩市)は、新たな希望を求めて新興国・西夏へと向かう。道中、西夏軍漢人部隊を率いる朱王礼(西田敏行)に徴用され同行することになった行徳は、人々との出会いや戦いを経て、敦煌の文化遺産を守るため奔走することになる。舞台は中国、シルクロード、砂漠と聞いて、『アラビアのロレンス』(61)のことを思い出し、果たして「ロレンス」のように自然の景観に負けない映画に仕上がっているのかという危惧が浮かんだ。加えて、この映画と同じく井上靖の原作を映画化した『天平の甍』(80)を見た際に感じた、中国人に扮した日本の役者が、日本語でセリフを語ることに対する違和感を覚えずに済むかということ。この2点が見る前に引っ掛かっていた...「BSシネマ」『敦煌』