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(本話の分量は文庫本換算5P程)或る秋の深夜、俺(麦倉行・警察官・29歳)は、同僚と自転車パトロールをしていた。多摩地方の一大都市の一つで繁華街のはずれ、一車線の道路に古いビルが向かい合って並ぶ飲み屋の通りを走っている。店は大抵閉店しているが、深夜営業をする店が何軒か有って、通りをポツンポツンと明るくしている。動いていると暑いものの、そよぐ風は涼しい。夏から季節が移ろうとしているのを感じる。と思っていると...
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)自転車を停めて、男の登録していると言う、会社に電話をしてみた。男は、少し離れたところで、同僚としゃべっている。しばらくして、女性担当者が出て来た。俺は自身の名と所属を言って後に、男について状況説明する。担当者は不審感を抱いているような低いトーンで応える。それから男に交代して、事情を説明してもらった。しばらくして、男から俺に電話が戻ってくると、担当者の口調は変わっていて...
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)俺と同僚は自転車を押しながら、手をポケットにつっこんで歩く男の話しを聞く。駆け引きしつつ男の情報を得ようと思っていたのが、男の方から自身の暮らすアパート住所、登録している会社の電話番号などなど教えてくれたので助かった。やがて、飲み屋街は途切れて横断歩道へ。信号は赤。立ち止まる。この横断歩道を渡ると男のアパートの有る住宅街だ。その時、正面から強い風がドッと吹いた。風に耐...
4-2やたら時間を気にする|通称ナンバーマン【怪奇小説・短編】
(他ページは4-1|4-2|4-3|4-4)俺は、男に職業を質問した。男は、眠気を吹っ飛ばすためか、強い口調で「日雇いだよ」言う。失礼だが、日雇い仕事だけで生計を立てているなら、全身をブランドで着飾るよりも他のことにお金を用いたいのでは?多額の不労所得でも有るのか?それならいいが、盗品だったりお金を脅し取っていたりなんて可能性はないか?疑うのも仕事。仕方ない。俺は「良い時計ですねそれ、随分儲かる日雇いもあるんで...
(本話の分量は文庫本換算5P程)或る秋の深夜、俺(麦倉行・警察官・29歳)は、同僚と自転車パトロールをしていた。多摩地方の一大都市の一つで繁華街のはずれ、一車線の道路に古いビルが向かい合って並ぶ飲み屋の通りを走っている。店は大抵閉店しているが、深夜営業をする店が何軒か有って、通りをポツンポツンと明るくしている。動いていると暑いものの、そよぐ風は涼しい。夏から季節が移ろうとしているのを感じる。と思っていると...
《オペラ座の怪人》漬け3日間‼️ファントムのイメージが変わる
日曜日。劇団四季のミュージカル《オペラ座の怪人》横浜公演に行ってきた😍長年愛され続けているミュージカル。ライオンキング、キャッツ、に続くロングランだそう。オペラ座の怪人といえば、私は、2曲ほどの音楽と、大まかなあらすじしか頭になく。フィギュアスケートでたまに使われている音楽でもあるので、音楽は耳馴染みがあったけど、どんなシーンで流れる音楽なのかとか、わからないでいた。で、勝手なイメージで、オペラ座の...
(監督・共同脚本:ハイファ・アル=マンスール 2017 イギリス=ルクセンブルク=アメリカ)非常に個人的な感想になってしまいました。映画については、ほとんど触れていないのでスルーして下さってOKです(^^;この映画は、以前録画して家で観たことがあります。映像
浅草といえば「浅草寺」「雷門」「仲見世通り」を中心にした観光地として有名ですが、それ以外にもたくさんの魅力が詰まっています。文化・歴史・人情……そんな街だからこそ小説や文学としてはうってつけ!ということで、今回は浅草を舞台にしたおすすめの小説作品を紹介します。 目次浅草が舞台の小説がおすすめな理由 ①「浅草キッド」ビートたけし ②「浅草ルンタッタ」劇団ひとり ③「浅草紅団」川端康成 ④「屋根裏の散歩者...
W・W・ジェイコブズの「猿の手」(The Monkey's Paw)(創元推理文庫:怪奇小説傑作集1 英米編)は、願いを叶える猿の手のミイラの話である。だいぶ昔に読んだのであまり定かではないが、猿の手を入手した夫妻が金銭を願うと、息子が死亡し、その代償として富をえるという流れであった。物語りはもう少し続くわけであるが、当時、何とよくできた作品であろうと感心したのを覚えている。読んだのが、台風が来ていた深夜だったので、なおのこと印象深かったのかもしれない。 このような、神霊や怪異に願いことをする設定は、小説や漫画、アニメなど創作物に一般的なスタンスである。例えば、みじかな所では、「どろろ」におい…
以前、怪奇小説の話を書いた(願望(38))。欧米には怪奇小説の短編の名作が多く、ウィリアム・ホープ・ホジスン(William Hope Hodgson)の「夜の声」(The Voice in the Night)も好きな作品の1つである。ご存知の方もいると思われるが、この短編はあの昭和期の怪奇映画「マタンゴ」の原作となった作品である。と書くと小説の内容も、察しがつくわけであるが、若年であった自分にとって、VFXとかSFXが登場する前に作られたこの映画は、初見以来ずっと印象に残っている邦画の1つであり、たまに放送があるとつい時間を割いて見てしまうわけである。 映画では、ヨットで海に繰り出した一行…