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#五輪をどうする

東京五輪「勝手にやってれば」 Z世代に映るコロナ下の祭典

クリエーティブディレクターの辻愛沙子さん=本人提供
クリエーティブディレクターの辻愛沙子さん=本人提供

 新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか、国内世論を二分する東京オリンピックの開幕が刻々と迫る。ネット交流サービス(SNS)を使いこなし、社会意識も高いZ世代と呼ばれる若者の目には、コロナ下の祭典はどのように映るのか。この世代の先頭を走るクリエーティブディレクターの辻愛沙子(あさこ)さん(25)は政治への不信感を口にする。【聞き手・岩壁峻】

 世界はもっと鮮やかで、美しい。そのような思いから2019年、女性のエンパワーメント(力づけること)で、社会問題を解決したいと株式会社「arca(アルカ)」を起業しました。生命保険会社などの協力を得て婦人科検診の啓発イベントを始めましたが、現在は開催を見送っています。来場者への感染リスクを払拭(ふっしょく)しきれないなかで、人を集めてのイベントは開催できないというのが当たり前の感覚だと思います。

 東京五輪は広告の分野とも関わりが深く、仕事柄とても楽しみにしていました。それでも優先順位があるはずです。祭典の前にやるべきことは日常を取り戻すことだと思います。医療のためのイベントなら理解もできますが、平和の祭典と呼ばれる五輪を平和でない状況で開催するのは明らかに順番が違います。皆さんそれぞれ我慢していますが、その極みが飲食店の方々ですよね。

 子どもたちも運動会が中止になっても我慢しています。日常を取り戻すためと思っていたら実はそうではなく、誰かの祭典のためだったらどうでしょうか。みんな五輪は見たいし、楽しみたいし、感動したいと思います。けれども、どこかにもやもやした複雑な気持ちが残ります。何のため、誰のために我慢したのだろうと。

「あれ、俺のおかげ詐欺」はやめて

 コロナ禍を経て、皆さん政治とは生活の話なんだと感じているのではないでしょうか。誰も責任を取らず、責任をたらい回しにする。そういう人たちがこの国のリーダーなのかと思うと情けなく思います。そして五輪を開催する、しないという意思決定のプロセスは透明性とはほど遠い「ブラックボックス」でした。女性蔑視発言で大会組織委員会の会長を辞任した森喜朗氏の後任選びがまさにそうでした。

 私たちが違和感を覚えるのは、…

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