【詳報】声震わせた小渕優子氏 岸田首相は「選挙の顔として活躍を」

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【動画】岸田文雄首相が内閣改造で記者会見
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 岸田文雄首相が13日、内閣改造と自民党役員人事を行いました。閣僚・党役員の発言や政界の反応などをタイムラインで詳報します。

記事の末尾には、閣僚・自民党役員の一覧表があります。派閥ごとに内定者をソートする仕組みもついています。

19:50

国民民主とも連立? 首相「自公連立の実を上げる」 

 自公政権国民民主党を加える「連立」構想が永田町の話題としてくすぶり続けている。岸田文雄首相は記者会見で、この構想への自らの立場を問われ、慎重に言葉を選びながら答えた。

 まずは「自民党と公明党の強固な連立を基盤に先送りできない課題に総力をあげて取り組みたい。自公連立の実を上げる。これに集中することが大事だ」と自公連立の重要さを強調した。

 続けて「いろいろな意見や見方があるとは思うが」と前置きした上で、「いかなる政党であれ、政策議論に真摯(しんし)に対応し、議論を深めた上で必要な連携を進めていく姿勢は大事だと思っている」と指摘。「いかなる政党とも、そういった姿勢で政策を中心に必要な連携を進めていくことは考えられる」と述べ、最後まで国民民主党という個別の党名には触れなかった。

 このやり取りで記者会見を終えた。

19:45

女性閣僚5人を起用 「女性ならではの感性に期待」

 岸田文雄首相は記者会見で、過去最多に並ぶ5人の女性を閣僚に起用したことについて「経済、社会、外交安全保障の三つの柱を中心に政策を進めていくために選ばせていただいた」と述べた。また、「女性ならではの感性や共感力も十分に発揮していただき、仕事していただくことを期待している」とも強調した。

 自民党役員人事では、選対委員長に「政治とカネ」の問題で2014年に経済産業相を辞任した小渕優子氏を選んだ。岸田氏は理由について「高い実務能力と選挙対策への知見を培ってきた。こうした能力や知見を生かしていただきたい」と述べた。

 また、自民党は「今後10年間で女性議員30%に到達することを目指す課題を掲げている」と言及。小渕氏には「候補者の発掘、きめ細かい支援など、女性議員3割に向けて先頭に立って力を振るって頂きたい」と求めた。次期衆院選などを見据え、「選挙の顔の一人としても活躍いただくことを期待している」とも述べた。

19:40

水産物全面禁輸に「即時撤廃求めていきたい」

 岸田文雄首相は記者会見で、東京電力福島第一原発処理水放出をめぐり、中国が日本産水産物の全面禁輸を続けていることについて「二国間、多国間の機会をふまえて、通商の枠組みの場なども活用しながら、即時撤廃を求めていきたい」と改めて強調した。

 インドネシアで開かれた6日の東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)首脳会議の直前、李強(リー・チアン)首相に直接、日本の立場を説明したことも述べたうえで、「我が国の水産業は断固として守り抜かなければならない」と語った。

19:30

首相「旧統一教会との関係、有していない前提で任命」

 岸田文雄首相は記者会見で、内閣改造に伴い世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点を認めた議員を新たに入閣させたことについて、「各閣僚は過去の関係いかんにかかわらず、現在は当該団体との関係を一切有していないことを前提として任命している」と述べた。

 首相は「基本は大臣は適材適所で任命した」と前置きした上で、自民党議員と教団の関係について「昨年、8項目に分けて詳細に点検・報告し、そして厳正な見直しを行った」と強調。「旧統一教会・関連団体と一切関係を持たない方針を踏まえ、(党運営指針の)ガバナンスコードを改定した」と述べた。

 朝日新聞が昨年実施したアンケートや自民党の点検によると、初入閣の鈴木淳司氏(総務相)▽盛山正仁氏(文部科学相)▽伊藤信太郎氏(環境相)▽木原稔氏(防衛相)が教団との接点を認めた。盛山氏は文科相として解散命令請求などの教団への対応を所管する立場となる。

19:30

外相交代に「首脳外交が大変大きなウェート」

 岸田文雄首相は記者会見で、外交を担う外相を林芳正氏から上川陽子氏に交代させた理由を問われ、「外交は閣僚も大きな役割を果たすが、首脳外交が大変大きなウェートを占める」と強調した。

 岸田氏は、自身も外相を長く務めたと言及し、「外交における首脳外交の重要性を痛感した。私自身、首脳外交において、大きな役割をこれからも果たしていきたい」とした。また、外相を担うことができる「有能な人材は自民党の中に多数いる」とも述べた。

19:20

補正予算案は「しかるべき時期に」

 岸田文雄首相は記者会見で、経済対策について、月内に柱立てを各閣僚に指示するとしたうえで「物価高に負けない構造的な賃上げ、投資拡大などの強化を行う」などと述べた。

 補正予算案の編成については、「内容を踏まえてしかるべき時期に指示を行う」と語った。

 衆院解散についても問われたが、「経済対策を作り、早急に実行していくことを最優先に日程を検討していく。現時点では、これ以上申し上げることはございません」などと述べるにとどめた。

19:05

首相「変化を力にする内閣」

 岸田文雄首相は記者会見で、今回の内閣改造について「この内閣は変化を力にする内閣だ。引き続き経済、社会、安全保障の三つを政策の柱として、強固な実行力を持った閣僚を起用することとした」と述べた。

 首相は「我々の前に流れている変化の大河はまさに100年に1回とも言える。変化の大河を乗り越え、我が国の安心と豊かさを次の世代にバトンタッチする」と語った。

 さらに「明治維新、戦後復興など、我が国はこれまでも変化をチャンスにし、チャンスを力にしてきた。大きな変化を前に、当時はとても実現不可能と思われた経済成長や豊かな社会作りを実現した歴史が我々にはある」と指摘。「変化を力として閉塞(へいそく)感を打破し、所得であれ、暮らし・福祉であれ、外交関係であれ、『明日は今日より良くなる』と誰もが思える国づくりを一緒におこなっていこう」と呼びかけた。

 これまでの政権運営の成果として新型コロナウイルス対応、物価高対策、賃上げ、脱炭素化、デジタル化、防衛力の抜本的強化に向けた取り組み、首脳外交などを挙げた。

19:00

岸田首相の記者会見始まる

 内閣改造を受け、岸田文雄首相の記者会見が首相官邸で始まった。

 立憲民主党岡田克也幹事長は13日の会見で、内閣改造・自民党役員人事について「わくわく感のない肩透かし内閣」と語った。岸田文雄首相が来秋の党総裁選での再選を見据えて思い切った人事を断行するとみていたが、官房長官や党幹事長など「骨格は変わらない」と指摘。「国民は、わくわくできる内閣を期待していたが、何も伝わってこない感じがする」と語った。

 また、林芳正氏が外相に留任しなかったことについて「(林氏が)ウクライナに行った直後に変えてしまうのはいかがなものか。何か致命的な失策があったのか、説明を聞きたい」と述べた。

 自身の政治団体をめぐる不明朗な会計処理が発覚して閣僚を辞任した過去がある小渕優子氏を自民党選挙対策委員長に据えたことについては「誰が見ても、説明責任を果たしているということにはならない。しっかりと国民に向かって説明してもらいたい」と求めた。

 共産党の小池晃書記局長は13日、内閣改造・自民党役員人事について「聞く耳持たずに突き進む内閣」と評した。マイナンバー問題など批判がある政策課題を担当する閣僚を岸田文雄首相が留任させたりしたことが問題だとし、「内閣改造ではなく『政治の改造』が必要だ」と述べた。

 小池氏は、消費税インボイス制度やマイナンバー問題などを担当する鈴木俊一財務相や、河野太郎デジタル相が留任したことを念頭に、「国民的批判が高い政策転換が本当に求められているが、聞く耳を持たない布陣だ」と語った。

 また、自身の政治団体をめぐる不明朗な会計処理が発覚して閣僚を辞任した過去がある小渕優子氏を自民党選挙対策委員長に据えたことについて「自民党が『政治とカネ』の問題を軽視していることの表れではないか」と批判。今後、追及を強める考えを示した。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は13日、同日の内閣改造・自民党役員人事をめぐり、「賃上げ実現内閣になってもらいたい」と語り、持続的な賃上げやガソリン値下げに向けて改めて政府・与党と協議する考えを示した。玉木氏はこれまで野党でありながら政策実現のために与党とも協力する路線を貫き、先の党代表選で再選を果たしたばかり。

 玉木氏は閣僚らの顔ぶれについて、「(閣内に新たに)入った人より、入らなかった人に関心がある」とし、「外交も内政も重要な時期。(岸田派の林芳正外相と木原誠二官房副長官が)外れたことは少し驚きだし、空白をしっかり埋めていくことが求められる」と指摘した。

 一方、自身の政治団体をめぐる不明朗な会計処理が発覚して閣僚を辞任した過去がある小渕優子氏を自民党選挙対策委員長に据えたことについては「多くの国民は十分な説明責任が果たされていないと思っている」と述べた。

15:00

維新・馬場代表「総裁選対策内閣」

 日本維新の会の馬場伸幸代表は13日の会見で、同日行われた内閣改造・自民党役員人事について、岸田文雄首相が来秋の自民総裁選での再選に向けた「総裁選対策内閣」と評した。ただ、入閣した顔ぶれについては「派閥順送り、年齢・期数重視だ。(適材適所の布陣と)評価できるレベルではない」と述べた。

 馬場氏は「大派閥の順送りであるとか、非常に隅々まで配慮した目配りをした布陣になったのではないか」と皮肉った一方、岸田内閣との向き合い方は「これまで通り是々非々でやっていく」と語った。

 また、女性閣僚が5人に増えたことは「男性だから、女性だからと言うのはぼちぼちやめた方がいい。『女性5人いるのが目玉』と岸田さんが言うのであれば、お門違いだ」と指摘。自身の政治団体をめぐる不明朗な会計処理が発覚して閣僚を辞任した過去がある、党選挙対策委員長に就いた小渕優子氏については「襟をきちっと正して説明を果たす責任がある」と強調した。

14:00

公明・山口代表「未知数の部分もあるが、期待したい」

 初入閣が11人、女性閣僚が過去最多タイの5人となる今回の内閣改造。公明党の山口那津男代表は首相官邸で岸田文雄首相(自民党総裁)と会談した後、記者団に「未知数の部分もありますけれども」と前置きした上で、「私は期待したいと思っている」と語った。

 女性閣僚については「それぞれの持ち味を十分に生かせるように頑張っていただきたい」と述べた。

 一方、小渕優子選挙対策委員長の自身の政治団体をめぐる不明朗な会計処理の説明責任については「本人が謝罪し、説明責任を丁寧に行う姿勢で臨むと思う。そうした姿勢は謙虚に示していただきたい」と指摘した。

13:40

初入閣の加藤氏、女性閣僚「もっと多くてもいい」

 こども政策・少子化担当相として初入閣する加藤鮎子・元国土交通政務官は、内閣改造で女性閣僚が5人に増えることについて、「欲を言えば、もっと多くてもいいかな、と私は思うぐらいです」と語った。

 加藤氏は故・加藤紘一元幹事長の娘。首相官邸での「呼び込み」の後、記者団に語った。

 岸田文雄首相からは「目玉政策なのでしっかり頑張ってください」と言われたという。加藤氏は「少子化はこの国の一番大きな課題だと私自身は考えているくらいで、この国や子どもたちの未来のためにしっかり頑張っていきたい」と語った。

12:35

「警護には政党との信頼関係必要」 国家公安委員長退任の谷氏

 谷公一・前国家公安委員長は13日の退任の記者会見で、在任中に取り組んだ警察による要人警護の取り組みについて振り返った。

 警護について、「一番難しいのは、選挙の時に警護対象者は国民に触れ合いたい一方、警備警護は安全確保をする。その兼ね合い、バランスをどうするかが常にある」と指摘。「警察だけではだめで、政党側の協力を得ないといけない。互いの信頼関係がなければうまくいかない」と話した。

 谷氏は、昨年7月の安倍晋三元首相銃撃事件の約1カ月後に就任。警察庁が警護の見直しを図る中で、今年4月には和歌山市で岸田文雄首相のそばに爆発物が投げ込まれる事件が起きた。谷氏は「警護の強化に取り組んできたさなかに事件が発生し、大変ショックだった」と振り返り、「警護の不断の見直しを含め、万全を期すことが大事だ」と語った。

12:25

北朝鮮のミサイル発射、内閣改造は「変更ない」 松野長官

 第2次岸田改造内閣の最後の閣議が首相官邸で開かれたころ、北朝鮮から弾道ミサイル発射の可能性があると防衛省が発表した。内閣改造の日程への影響について、松野博一官房長官はその後の記者会見で「現時点で変更はない」と述べた。

 今後の政権運営については「引き続き国民の声を丁寧に聞きながら、内外の諸課題に全力で取り組んでいく」と語った。

 一方、弾道ミサイルとみられるものについては「いずれも我が国の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したと推定され、現時点で被害は確認されていない」と述べた。北朝鮮に対し、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議したことも明らかにした。

11:45

現閣僚で最後の閣議、辞表とりまとめ

 昨年8月10日に発足した第2次岸田改造内閣の最後の閣議が首相官邸で開かれ、閣僚の辞表がとりまとめられた。閣議終了後、留任しない13人は、松野博一官房長官同席のもと岸田文雄首相と個別に面会した。首相からは「多くの仕事を担当してもらって、ご苦労さまでした」などの言葉がかけられたという。

 首相は午後に組閣本部を設置し、第2次岸田再改造内閣を発足させる。松野氏や鈴木俊一財務相、河野太郎デジタル相ら6閣僚が留任する。

11:15

小渕氏「今は頂いた重責を」 首相を目指しているかの問いに

 将来的な「初の女性首相」候補の一人として政界で名が挙がる小渕優子選挙対策委員長だが、実際に首相を目指しているのか――。党四役の記者会見で問われると、「本日、選対委員長という大変大事なお役目をちょうだいした。政治家にとって選挙はすべての根幹だと考えている」とこわばった表情で語り出した。

 そして「今は頂いた重責をし…

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    小室淑恵
    (株式会社ワーク・ライフバランス社長)
    2023年9月13日19時2分 投稿
    【提案】

    「深夜の会見をやめたらいい」と行政改革を担当していた河野太郎大臣が苦言を呈したのは、2020年9月17日の菅内閣の組閣時の記者会見だった。 新内閣の発足時は大臣が順番に会見を行うのが慣例で、河野大臣は14番目。会見は17日午前1時ごろに始

    …続きを読む