世界はこんなにも広い。
そして、そこにはたくさんの人間が棲んでいる。

これだけ大勢の人間がいるのに、なぜ俺たちだったんだろう?
なぜ俺たち夫婦が、こんな目に合わなきゃならなかったんだろう?

なんで容ちゃんだったんだろう?
なんで俺だったんだろう?

みんな、「なんで?」と問う必要もないほど幸せに生きているじゃないか。
みんな笑顔で暮らしているじゃないか。

温かい家庭があって、大切な家族がいるじゃないか。
守りたい人がいて、守ってくれる人がいるじゃないか。

かつてはかみさんと俺も、そんな世界で生きていたはずなんだ。
それなのに、かみさんと俺は、そんな世界から排除されてしまった。

40歳代前半で癌になってしまい、この世を去らなければならない女性は、10,000人のうち、いったい何人いるのだろう。

悔しかったろう。
無念だったろう。

かみさんがかわいそうだ。

・・・

ほとんどの人にとって起こりえないことが、俺たちの身に起こってしまった。
ほんのわずかな人にしか降りかからない過酷な現実が、かみさんと俺に襲い掛かってきてしまった。

何故かみさんと俺なんだ?
何故かみさんと俺が選ばれてしまったんだ?

いったい、かみさんが何をしたというのだ?
いったい、俺が何をしたというのだ?

俺はこの広い世界が大嫌いだ。

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