かみさんの闘病中のこと。
俺が心の中で、常に考えていたことがある。
それは「かみさんに俺の命を半分あげよう」ということだった。
命を半分あげる?
そんなことを考えても、決して実現することはない。
冷静に考えれば、「命を半分あげる」なんてできるはずがない。
だが、かみさんが闘病中の俺は、内心、冷静ではなかったのだろう。
かみさんを不安にさせないため、かみさんを死の恐怖から守るため、俺は冷静さを装っていた。
しかし、心の底では狂気が渦巻いていたのだろう。
俺の命を半分あげよう。
すると、かみさんの命は救われるに違いない。
俺の命を半分あげれば、俺の寿命は縮まるだろう。
そして、俺の命の半分しかもらっていない以上、かみさんもきっと長生きはできないだろう。
二人とも短命に終わるかもしれない。
だが、それでいい。
短命でもいいから、二人で一緒に生きて行こう。
短命でもいいから、二人で一緒に死ねたら最高に幸せじゃないか。
俺はそう思った。
そのために、俺は自分の命を半分、かみさんに分け与えたかった。
これは「思考」というものではない。
むしろ「祈り」と呼ぶべきものだろう。
結局、その「祈り」は届かなかった。
俺の心の中を虚しく駆け巡り、そして消えていった。
にほんブログ村←いつもありがとうございます。ポチッとクリックお願いします。
俺が心の中で、常に考えていたことがある。
それは「かみさんに俺の命を半分あげよう」ということだった。
命を半分あげる?
そんなことを考えても、決して実現することはない。
冷静に考えれば、「命を半分あげる」なんてできるはずがない。
だが、かみさんが闘病中の俺は、内心、冷静ではなかったのだろう。
かみさんを不安にさせないため、かみさんを死の恐怖から守るため、俺は冷静さを装っていた。
しかし、心の底では狂気が渦巻いていたのだろう。
俺の命を半分あげよう。
すると、かみさんの命は救われるに違いない。
俺の命を半分あげれば、俺の寿命は縮まるだろう。
そして、俺の命の半分しかもらっていない以上、かみさんもきっと長生きはできないだろう。
二人とも短命に終わるかもしれない。
だが、それでいい。
短命でもいいから、二人で一緒に生きて行こう。
短命でもいいから、二人で一緒に死ねたら最高に幸せじゃないか。
俺はそう思った。
そのために、俺は自分の命を半分、かみさんに分け与えたかった。
これは「思考」というものではない。
むしろ「祈り」と呼ぶべきものだろう。
結局、その「祈り」は届かなかった。
俺の心の中を虚しく駆け巡り、そして消えていった。
にほんブログ村←いつもありがとうございます。ポチッとクリックお願いします。