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  • マチズモを削り取れ

    武田砂鉄,2021,マチズモを削り取れ,集英社.(8.31.24)路上、電車、学校、オフィス、トイレなど、日本の公共空間にはびこる〈マチズモ=男性優位主義〉の実態をライターが徹底調査!ジェンダーギャップ指数、先進国でぶっちぎりの最下位――「関係ない」はもうありえない。夜道を歩くことの恐怖、通学・通勤中の痴漢被害、発言権を奪われる不条理……最も身近な日常の場面から、変わらないこの国の「体質」をあぶり出す。わたしは、隠れXジェンダー、クエスチョニングであり、つねに、周囲が期待する「男役割」を裏切ることで、なんとか精神の均衡を保ってきた。そんなわけなので、威張る、恫喝する、威圧する、大声を出す、暴力をふるう、といった男男した振る舞いには、徹底して抗ってきた。本書では、不快きわまりない男男した振る舞いの数々が俎上...マチズモを削り取れ

  • 植民人喰い条約 ひょうすべの国

    笙野頼子,2016,植民人喰い条約ひょうすべの国,河出書房新社.(8.30.24)「NPOひょうげんがすべて(ひょうすべ)」と「知と感性の野党労働者党(知感野郎)」が政権を握った国・にっほん。そこでは人殺しの〈自由〉、弱者を殴る〈平等〉、餓死と痴漢強姦の偏りなき〈博愛〉がまかり通っていた――。千葉県S倉市に住む埴輪詩歌は、「指導教授」でもある最愛の祖母・豊子をひょうすべに殺される。母が営む花屋は世界企業に潰され、父は「少女遊郭」に入り浸り死んだ。やむなく詩歌は少女遊郭の「ヤリテ」見習いに入るがたちまち馘、そこで出会った夫も、人喰いの餌食に。時は流れ、権力者からの求愛、世界を揺るがす手紙がもたらされたのだが……詩歌の〈生〉とは何であったのか!?地に堕ちた自由と民主主義を問い直す、予言的物語。文学の一つの役割...植民人喰い条約ひょうすべの国

  • ロマンティックあげない、じゃじゃ馬にさせといて

    米国の映画、ドラマを中心にしたポップカルチャーの話題を縦糸に、フェミニズム、セクシャルマイノリティの観点を横糸に、軽妙でありながらざっくり編み込んだ好エッセイ集。松田青子,2016,ロマンティックあげない,新潮社.(8.29.24)女の日常に忍び寄る違和感を斬りまくり。海外ドラマ、ファッション、舞台、ゴシップ……。新鋭作家のアンテナ全開共感エッセイ。日常に溢れる「小さな違和感」をプチプチ退治。注目の新鋭作家による爽快エッセイ!テイラー・スウィフトのギラギラした目に夢中。ポニョは果たしていい名前なのか。岩館真理子のワンピースを探して。フィギュアスケートのおかしな実況。パスタセットにバゲットは必要か。「写真はイメージです」の不思議。どうしてハートをあげるのは女の子だけ?共感度満点のクセになる49篇。目次進め!...ロマンティックあげない、じゃじゃ馬にさせといて

  • スタッキング可能

    松田青子,2013,スタッキング可能,河出書房新社.(8.28.24)松田青子さんの作品は、「フェミ文学」と言う枠に収まりきれない魅力に満ち溢れている。松田さんは、ポップでクールな文体で、思いっきりシュールな世界を垣間見せてくれる希有な作家だ。それでも、醜悪なオヤジ社会を痛烈に皮肉る、その感性にとても惹かれてしまう。学生時代の夏合宿の夜、『わたし』がオセロで勝つと、負けず嫌いだなあと言った同じサークルに属していた男。どうして普通にオセロをしていただけで、そしておまえに勝っただけで、負けず嫌いになるのか。おまえがオセロ弱いだけだろ。お好み焼き屋で、『わたし』が率先して取り分けないと、えっ女のくせに取り分けないなんてびっくりしたと言った、同じゼミに属していた男。論外。そいつの一言に普通に意見を言おうとしただけ...スタッキング可能

  • 【旧作】なぜフェミニズムは没落したのか【斜め読み】

    荷宮和子,2004,なぜフェミニズムは没落したのか,中央公論新社.(8.28.24)『アンアン』等の80年代雑誌文化は「フェミニズムのようなもの」だった。「女の時代」と言われたあの頃の空気は、なぜ退潮したのか?林真理子、上野千鶴子らに焦点を当てて検証する。荷宮さんは、「フェミニズムのようなもの」は支持するが、「フェミニズム」、とくに1980年代のそれは支持しない。支持しないどころか、とくに上野千鶴子さんを蛇蝎のごとく嫌悪する。「フェミニズムのようなもの」を支持する一部の女たちは、どうしてこうも上野さんを嫌うのか、その謎がいくばくかは解けたような気がする。荷宮さんにとっての「フェミニズムのようなもの」とは、以下のようにきわめてシンプルなものである。〈「フツーの女=ブスで無能」「フツーの男=ゲスで無能」という...【旧作】なぜフェミニズムは没落したのか【斜め読み】

  • 【旧作】「母性」を解読する【斜め読み】

    グループ・母性解読構座編,1991,「母性」を解読する,有斐閣.(8.27.24)出生率1.53ショック!「女性よ、母になれ」コールへの大反撃。旧優生保護法、母子保健法改悪反対運動を経て、1986年より開催された「母性解読講座」を元にした論稿集。女性には、わが子を慈しみ、自ら望んで惜しみなく自己犠牲を払わんとする母性本能が備わっているなどということはまず耳にすることはなくなったが、抑圧の方便としての「母性」イメージが消えたわけではなく、豪華な、またいまとなっては懐かしい人たちによって編まれた論稿は、現在においてもなお、なかなかに読み応えがある。とくに、佐藤文明さんの「戸籍と母性」は出色の内容だ。戦後の戸籍改革はダブルバインドの中で進みます。父性による家族コントロール(「家」=戸籍)を守ると同時に、個人の尊...【旧作】「母性」を解読する【斜め読み】

  • フェミニズムと社会福祉政策

    杉本貴代栄編著,2012,フェミニズムと社会福祉政策,ミネルヴァ書房.(8.27.24)DV、女性ホームレス、ボランティア等の新しい課題をふまえ、今後求められる政策を提言。社会福祉学に交差するフェミニズム、女性学、ジェンダースタディーズの重要性は、「社会福祉の受け手も担い手も女性(が多数)」という現状から鑑みて、いくら強調しても足りないくらいである。本書に収録されている論稿は、多岐の領域にまたがるが、なかでも、一時保護所に身を寄せたDV被害者が、自らの来し方を筆記し、それを元に援助者と対話しながら今後どうするかを「自己決定」していく、「構築的なソーシャルワーク」、「フェミニスト・ソーシャルワーク」に大きな可能性を感じた。本章では,自己決定という切り口で,その前提となる自己に関する人類学的視点をベースに,福...フェミニズムと社会福祉政策

  • 【旧作】ジェンダーと福祉国家──欧米におけるケア・労働・福祉【斜め読み】

    メリー・デイリー、キャサリン・レイク(杉本貴代栄監訳),2009,ジェンダーと福祉国家──欧米におけるケア・労働・福祉,ミネルヴァ書房.(8.26.24)私的領域と公的領域においていまだ継続する男女間の不平等。福祉国家はこのジェンダー関係をどのように形成してきたのか。本書は、欧米の8か国を取り上げ、ケア・仕事・福祉(制度)という3つの観点から、ジェンダーと福祉国家間の因果関係を理論的、実証的に解き明かしていく。イエスタ・エスピン=アンデルセンの比較福祉レジーム論が日本に紹介されたのは、欧米に遅れること10年の、2000年前後だった。福祉国家の態様を、自由主義レジーム(米国、カナダ、1980年代以降の英国、アイルランド等)、コーポラティズム=保守主義レジーム(ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー等)、社会民...【旧作】ジェンダーと福祉国家──欧米におけるケア・労働・福祉【斜め読み】

  • 【旧作】女性福祉を学ぶ──自立と共生のために【斜め読み】

    橋本宏子,1996,女性福祉を学ぶ──自立と共生のために,ミネルヴァ書房.(8.26.24)女性一人ひとりが自分自身の人生を創るためには自立できる生活基盤の整備が必要です。すべての女性にとって幸福で生きやすい社会づくりを目指して様々な女性問題を福祉の目で見直します。本書が出版された当時は、それなりに意義があった内容だったのだろう。社会福祉にジェンダー視点が必要なのは、以下の理由による。〇貧困は、シングルマザーとシングル高齢女性において、もっとも深刻であること。〇暴力、性搾取の被害者において、女性が多数を占めること。〇社会福祉の対象者、福祉サービスの供給者のいずれにおいても、女性が多数を占めること。これらの動向をふまえた、社会福祉におけるジェンダーの主流化が必要なのであるが、ここ30年近くの歩みは遅々として...【旧作】女性福祉を学ぶ──自立と共生のために【斜め読み】

  • 【旧作】フェミニズムのパラドックス──定着による拡散【斜め読み】

    江原由美子,2000,フェミニズムのパラドックス──定着による拡散,勁草書房.(8.2524)『装置としての性支配』(1995年)につづく第5論集。90年代後半から今日までのフェミニズム、ジェンダー論を中心とした著者の代表的な仕事を収める。「女の時代」と呼ばれた80年代から一転して90年代のフェミニズムは、普及と拡散という事態に直面し、フェミニズム離れという現象すら起きている。少子化、晩婚化、経済不況の深刻化のなかでフェミニズムがかかえている課題を明らかにする。総論から各論へ、女性全体の問題から個別の問題へ、という時代の変化の意味を探っていく。性の商品化、性暴力、自己決定、セクハラなどの問題群をど正当な地位を獲得すればするほど進む若い世代のフェミニズム離れ。それはなぜか。近代主義的な言説の孕む幾重もの屈折...【旧作】フェミニズムのパラドックス──定着による拡散【斜め読み】

  • Brighton 2 - 1 Manchester United

    PremierLeagueBrighton2-1ManchesterUnited昨晩は、久しぶりに、フットボール観戦。今季のプレミア配信元は、U-NEXT。ブライトンVSマンU。HIGHLIGHTS BrightonvManchesterUnited PremierLeague0:08三苫くんのここしかないという絶妙のアシストにウェルベック。1:12ディアロの技ありのゴール。同点。1:27ガウナチョのシュートをザークツィーが押し込むも、オフサイド。こんなオフサイドは初めて見た。1:46アデイングラのクロスにジョアン・ペドロがヘッド一発。ブライトンがマンUを2-1で下す。ビルドアップでの駆け引き。ブライトンの鬼プレスをワンタッチパスで華麗にかわすマンU。ブライトンのGK、ジェイソン・スティールからの正確無比...Brighton2-1ManchesterUnited

  • 貧困女子のリアル

    沢木文,2016,貧困女子のリアル,小学館.(8.24.24)なぜ、こんなに辛いの?30代女子の本音社会的に注目されている貧困女子はシングルマザーなどが多かったが、ここにきて、短大や大学を卒業した30代女性たちが貧困状態に陥っていることが表面化してきた。街金での借金、親からのDV、男性への依存など、悲惨な現状はネットや雑誌でも話題になり、反響は大きい。学歴があるのに、なぜお金に困るのか、なぜ人生を捨てたような日常になってしまうのか。親や上司の世代には理解しがたい驚くべき現実、そして意外と共感できるという同世代の女性たち。社会問題としての貧困女子を浮き彫りにする。DIME増刊『SuitsWOMAN』のサイトで大反響を巻き起こした「貧困女子」を、追加取材でさらに深掘り。就職氷河期世代とはいえ、ごくフツーの大卒...貧困女子のリアル

  • 日本の貧困女子

    中村淳彦,2019,日本の貧困女子,SBクリエイティブ.(8.24.24)東洋経済オンラインで1億PV突破の人気連載「東京貧困女子。」が、2019年ノンフィクション本大賞にノミネート!働く単身女性の3人に1人が年収114万円未満。そこから家族、地域、制度の三つの縁をなくした女性たちが最貧困女子に落ちていく。都心に比べ地方の女性たちはその三つの縁が保たれていることによって、セックスワークで日銭を稼ぐほかないそんな状態に陥る女性は比較的少ないといわれているが、それは果たして本当か。地方消滅が叫ばれ、都会以上に貧困化が進む地方において、彼女たちが孤立に陥ったときどんな現実が待っているのか。その実態を明らかにする。「日本はもはや後進国である」最底辺に生きる女性たちの現状とは。働く単身女性の3人に1人が貧困状態とい...日本の貧困女子

  • シングル女性の貧困──非正規職女性の仕事・暮らしと社会的支援

    小杉礼子・鈴木晶子・野依智子・(公財)横浜市男女共同参画推進協会編著,2017,シングル女性の貧困──非正規職女性の仕事・暮らしと社会的支援,明石書店.(8.23.24)本書は、2015年、「横浜市、大阪市、福岡市を中心とする地域に在住し、非正規職で働いている35~54歳で子どものいないシングル女性」(p.193)を対象に実施されたウェブアンケート調査、「非正規職シングル女性の社会的支援に向けたニーズ調査」の結果をふまえて編まれた作品である。「貧困の女性化」が深刻化するなか、これまで、シングルマザーの貧困を対象とした書物は数多く出されてきたが、「シングル・子なし・非正規職」女性の貧困に焦点を合わせた研究は数少なかっただけに、このような試みにはそれ相応の価値がある。企業収益と、中高年男性の雇用と賃金とを維持...シングル女性の貧困──非正規職女性の仕事・暮らしと社会的支援

  • オンナを降りない女たち オトコを降りる男たち

    亀山早苗,2012,オンナを降りない女たちオトコを降りる男たち,新潮社.(8.23.24)出産しようと中年になろうとキレイなままの「美魔女」たち。バブル時代に青春を謳歌し、「恋愛至上主義」が蔓延るなかで大人になった彼女らは“年相応に老いる”ことさえ拒むのか。降りようにも降りられない「オンナ」という道はいったいどこへと至るのか。それを見る男たちの本音とは?男女の心と体の深淵を追求し続けてきたルポライターによる、これ以上ない赤裸々なレポート。亀山さんはわたしよりいっこ上、ほぼ同世代である。「国民皆婚」の最後の時代に思春期をおくり、バブル期を頂点に、異性愛強制規範、「恋愛至上主義」に突き動かされ、だれもが発情していた、あの世代。ラブバラードに、ユーミンに、「金曜日の妻たちへ」、「東京ラブストーリー」にと、発情を...オンナを降りない女たちオトコを降りる男たち

  • Boys Keep Swinging♪

    YouTubeMusicで、久しぶりに、DavidBowieのLodgerを流す。BryanFerryほどではないとしても、DavidBowieは、高校生のときからいつもそばにいた(つもりの)ミュージシャンだった。男であることからの逃亡と、かといって女になろうとは思わない、そんな宙ぶらりんのジェンダー・アイデンティティの支えの一つ、それがDavidBowieだった。ブライアン・イーノを迎え、ヨーロッパのダークサイドを荒涼とした音世界で見事に描ききった、Low、Heroesに続く、やや地味ではあるが、あっけらかんとした解放感に浸れる、それがLodger。BoysKeepSwingingのビデオクリップを見て、振り付けを真似したことを思い出す。体重が四ヶ月で6キロ落ち、50キロを切るのも視野に入ってきた。50...BoysKeepSwinging♪

  • 女のからだ──フェミニズム以後

    荻野美穂,2014,女のからだ──フェミニズム以後,岩波書店.(8.22.24)一九六○~七○年代の女性解放運動のなか、「女のからだ」をめぐる諸問題――性・生理・生殖・妊娠や中絶を、恥や非難を恐れず語り、知識を獲得し、女たちは自らの意識変革を経験した。市場商品と生殖技術の溢れる選択肢という新たな難問に立ちすくむ今こそ、「からだをとりもどした」あの時代を振り返ってみよう。女性解放運動/フェミニズムの諸潮流の中でも、1970年代に全米から展開した「女の健康運動」は、男性医師の管理下にあった性や生殖を女の手に取り戻す、生身の実践だった。日本ではウーマン・リブの優生保護法改定反対運動、さらには生殖技術をめぐる議論へつながっていく。意識変革の時代を振り返り、女のからだの現在と未来を考える。男の目線と欲望により客体化...女のからだ──フェミニズム以後

  • 日本のフェミニズム──since1886性の戦い編

    北原みのり編著,2017,日本のフェミニズム──since1886性の戦い編,河出書房新社.(8.22.24)女性たちは何を願い、何と戦ってきたのか?廃娼運動、売春防止法、リプロ、レズビアン運動…その歴史の原点から、わかりやすく解説するガイドブック決定版!論稿のみを見れば、フェミニズムの入門書としてはけっして悪くはないのだが、フェミ界隈の醜い分断を感じさせる内容であり、読後感は最悪だ。日本の女性学を牽引してきた「アカフェミ」の論者は、執筆陣からことごとく排除されている。巻末の「ブックガイド」からも、「アカフェミ」がてがけた重要文献はことごとく抜け落ちており、賞味期限の切れたどうでも良い本が並ぶ。笙野頼子は、インタビューで、上野千鶴子さんへの罵詈雑言を吐き散らかす。批判は大いにけっこうだが、公共の場で糞便を...日本のフェミニズム──since1886性の戦い編

  • 【旧作】クロム・ハート、LOVE ASH【斜め読み】

    桜井亜美,2003,クロム・ハート,幻冬舎.(8.21.24)本当のあたしなんて、何の価値もない―。家でも学校でも自分を殺して優等生を演じる十七歳の憧子。自分とは対照的に奔放なクラスメート宙へ想いを寄せていたが、宙が親子ほど歳の離れた女とホテルに入るのを目撃してしまう…。憧子はどんなに傷ついても錆びない心=クロム・ハートを手にすることができるのか!?文庫書き下ろし最新小説。桜井作品のなかでもとびっきり秀逸な作品。そりゃ、自己嫌悪にさいなまれるわなと納得する、主人公の憧子の狭小、卑俗な感情と、卑劣な振る舞い。それに振り回されて心身を傷つけられる人びと。場面がめまぐるしく展開し、ノンストップでスリリングなストーリーが疾走する。近年ヒットした小説群がみな凡庸に思えてしまう、そんなスゴい作品だ。桜井亜美,2000...【旧作】クロム・ハート、LOVEASH【斜め読み】

  • 【旧作】14【斜め読み】

    桜井亜美,1999,14,幻冬舎.(8.21.24)十三歳のカズキは、妄想の世界にいる唯一の親友BJとしか会話ができなかった。学校でイジメられ、家では母親に殴られ、同級生の少女に性的興奮を感じて悩むカズキに、BJは「世界を破壊しろ!」と言い続ける。そして十四歳になった時、彼は儀式を開始した。「そうです。僕が、酒鬼薔薇聖斗です」悲惨な事件の光と影を照らし出す、衝撃の問題作。1997年に発生した神戸連続児童殺傷事件の犯人、「酒鬼薔薇聖斗」こと、「少年A」の心象風景に迫る。「少年A」に本作で描かれている妄想が実際にあったのかどうかはわからないが、「透明な存在の不透明な悪意」(宮台真司)がいかにして生まれ、膨らんでいったのか、手に取るようにわかる内容になっている。その後、長崎男児誘拐殺人事件(2003年)、佐世保...【旧作】14【斜め読み】

  • 【旧作】エヴリシング、ヴァージン・エクササイズ、サーフ・スプラッシュ【再読】

    桜井亜美,1997,エヴリシング,幻冬舎.(8.20.24)いつも見る、あの空を飛ぶ夢。そこで一緒に風をつかまえ、飛翔する「彼」は誰なんだろう。突然の自殺で、恋人トモヤを喪った女子高生サキは、トモヤの「ほんとうの心」を探して、街を彷徨う。そして出会った、トモヤの生き写しのようなユウキ。ユウキこそ夢で見る「彼」なのか?現在形の少女の切なさを描く。物語は、冒頭、主人公、サキが、恋人、トモヤの自殺した姿を目撃するところからはじまる。トモヤのヒトクローン、ユウキとの出会い、逃避行、そしてトモヤの失踪(死)へと物語は進行する。桜井作品の中では珍しくベタな筋書きではあるが、じゅうぶん、楽しめる内容だ。桜井亜美,1998,ヴァージン・エクササイズ,幻冬舎.(8.20.24)十八歳になる前に、ヴァージン・ブレイクしたいと...【旧作】エヴリシング、ヴァージン・エクササイズ、サーフ・スプラッシュ【再読】

  • 【名作】カラーパープル【再読】

    アリス・ウォーカー(柳沢由実子訳),1986,カラーパープル,集英社.(8.19.24)16歳の黒人娘セリーは、名も知らないミスター**のもとへ嫁がされ、夫の暴力の下で毎日を耐えていた。愛する妹も夫に襲われ、彼女は失意のまま、アフリカへ渡った。……黒人社会の中に巻き起る差別、暴力、神、性といったすべての問題にたち向い、やがては妹との再会を信じ、不屈の精神を糧にするセリー。女の自由を血と涙で獲得しようとする女性を描く愛と感動のセンセーショナル・ノベル。ピューリッツァ賞、全米図書賞受賞。ペーパーバックスで既に400万部を突破した。ある奴隷少女に起こった出来事は、白人男性の黒人女性に対する、虐待、暴力、抑圧、差別を描いた名作であるが、本作は、黒人男性の黒人女性に対するそれ──白人男女の黒人女性への加害行為も描か...【名作】カラーパープル【再読】

  • 【旧作】ガール【再読】

    桜井亜美,1997,ガール,幻冬舎.(8.18.24)幼い頃、炎天下の車中に取り残され意識不明に陥ったことがトラウマとなり、人を愛することができない女子高生〈ユーリ〉。傷つくことを恐れ、彼女はただ“もの”になることに憧れていた。テレクラ、援助交際、オヤジ狩り――。現実に翻弄されながらも、少女は真実の愛を求める。『イノセントワールド』の著者が放つ衝撃の第二弾!『イノセントワールド』で衝撃のデビューを果たし、1990年代後半期を疾走した桜井亜美。ここのところ、旧作を再読したうえで処分するため再読しているが、本書も、当時の熱量を懐かしく思い起こさせてくれる作品だった。ネグレクト(炎天下での車内放置)、性虐待、いじめ(暴行)等、本作の登場人物たちも深刻なトラウマをかかえている。存在のキズにさらに塩を塗り込むかのよ...【旧作】ガール【再読】

  • 【名作】スピリチュアル・シングル宣言──生き方と社会運動の新しい原理を求めて【再読】

    伊田広行,2003,スピリチュアル・シングル宣言──生き方と社会運動の新しい原理を求めて,明石書店.(8.18.24)家族単位が企業や国などの根本原則となっている日本で、自立した個人を基本にする「シングル単位論」を提唱し、社会・政治制度改革を提案する。人権、平和、セクシュアリティ、南北問題などを考え、新しい関係、生き方を作り上げていく出発点となる論考。わたしは、学生時代、市川浩さんの身体論、廣松渉さんやピーター・バーガー等の物象化論を読んで、デカルト以来の心身二元論に疑問をもち、また、人間の、言語化される以前の、感情、衝動、情動、直感、身体の感触、感応等を理性、知性以上に重視すべきではないか、そうした問題意識をもちつづけてきた。善なる、あるいは美しい事象、人の振る舞いに触れたときの、あの、胸打たれ、身体で...【名作】スピリチュアル・シングル宣言──生き方と社会運動の新しい原理を求めて【再読】

  • 【旧作】きっと変えられる性差別語──私たちのガイドライン【斜め読み】

    上野千鶴子・メディアの中の性差別を考える会編著,1996,きっと変えられる性差別語──私たちのガイドライン,三省堂.(8.17.24)新聞用語のどこがひっかかるか。こうだったらいいな、女たちからの対案集。アメリカの性差別語ガイドライン運動も紹介。本書は、「1996年におけるメディアの現在を記録する第一級の史料」(上野、p.221)であるが、この時代、いかにも「昭和」っぽい家父長制とセクシズムが言語表現にモロ現れており、隔世の感がある。言葉は状況を定義する力の源泉である。言葉は、特定の価値規範を強制し、強化する。したがって、差別や抑圧をなくしていくためには、それらに加担する言葉を使わないようにしなければならない。もちろん、過剰なポリコレ(PoliticalCorrectness)の機械的な適用は、かえって、...【旧作】きっと変えられる性差別語──私たちのガイドライン【斜め読み】

  • 【旧作】ことばは届くか【斜め読み】

    上野千鶴子・趙韓恵浄(佐々木典子・金賛鎬訳),2004,ことばは届くか,岩波書店.(8.17.24)強烈な個性と洞察力で日韓のフェミニズムを拓くふたりの往復書簡.70年代から現在までの女性・若者・大学・家族の激変を知的自分史から省察し,日韓の同時代の差異とそこからのヴィジョンを親愛のエールをこめて分かち合う.本書は「境界で語るtalkingattheEdge」のタイトルで、雑誌『世界』に連載された、上野千鶴子氏と趙韓恵浄氏の往復書簡に、両氏の「あとがき」の手紙を一通ずつ付け加えたものである。同じ儒教文化圏にありながら、かたや「敗戦国」にしてナショナリズムが抑制された日本と、かたや「植民地」から脱して、民主化とナショナリズムの高揚が矛盾することなく進行した韓国。この差異をふまえ、「従軍慰安婦」問題にて、日韓...【旧作】ことばは届くか【斜め読み】

  • 爆笑ビデオクリップ三題

    長年ネットで遊んでると、ゲラゲラ笑うしかない、秀逸なビデオクリップに出会う。そのなかでも、特選の三つ、である。ジョン・レノンイマジン審査員爆笑【爆笑必至】韓国ドラマー演歌の演奏でヘビーメタル並みのアクション!Gregorius:NMKY(liveonTV)あー、おなかいたいw爆笑ビデオクリップ三題

  • 最後の講義 完全版 上野千鶴子──これからの時代を生きるあなたへ 安心して弱者になれる社会をつくりたい

    上野千鶴子,2022,最後の講義完全版上野千鶴子──これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい,主婦の友社.(8.16.24)最後の講義完全版上野千鶴子これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい 上野千鶴子主婦の友社NHK人気番組「最後の講義上野千鶴子」を未放映シーンも入れた完全版として書籍化。すべての女性に勇気を与える1冊です。本書は講義録であるが、上野社会学の真髄をさくっと把握することができる、格好の入門書となっている。主婦とはなにか、アンペイドワークとしての家事・育児・介護労働、市場経済と家族、環境、ケアの社会化等々、多彩な研究テーマにみえても、上野センセの問題意識は、首尾一貫したものであることがわかる。受講生との対話も良い。「実りある学び」ってこうい...最後の講義完全版上野千鶴子──これからの時代を生きるあなたへ安心して弱者になれる社会をつくりたい

  • 「許せない」がやめられない──SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症

    坂爪真吾,2020,「許せない」がやめられない──SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症,徳間書店.(8.15.24)「許せない」がやめられないSNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症 坂爪真吾徳間書店スマホの画面の向こうには、匿名の歪んだ正義が渦を巻く。ジェンダーをめぐる炎上、ナイナイ岡村「風俗発言」、「テラスハウス」出演者攻撃…。24時間「許せない対象」を探して怒りを求める。これがサイバー空間の異常実態だ。ミソジニスト、インセル、ツイッターフェミニスト、ツイッタークィア、表現の自由原理主義者等による、SNS、とくにツイッター(現X)上での怒りの応酬を分析する。自分を、神のような超越的ポジションに置いて、怒りで燃えさかる人びとを皮肉たっぷりに観察、分析する、その「あんたなにさま?」と言いたくなる、ポジショ...「許せない」がやめられない──SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症

  • 子どもと女性のくらしと貧困──「支援」のことばを聞きに行く

    中塚久美子,2024,子どもと女性のくらしと貧困──「支援」のことばを聞きに行く,かもがわ出版.(8.15.24)子どもと女性のくらしと貧困 中塚久美子かもがわ出版著者の中塚さんは朝日新聞の記者。本書は、シンママ大阪応援団代表理事、大阪社会保障推進協議会事務局長の寺内順子さん、シェアリンク茨木理事の辻由起子さん等による、生活に困窮する女性への支援活動を取材し、とりまとまられたものだ。DV夫から逃れてきたものの、自立して生活するあてのない女性たちを伴走しながら支援する民間の活動、その経緯と実態とを知ることができる。生活に困窮する女性と子どもへの支援のあり方、そのモデルとなる実践から学べるところは大きい。目次第1部「何も聞かない」から始める「いま」に寄り添う独りぼっちにさせない第2部「安心して困れる世界」をつ...子どもと女性のくらしと貧困──「支援」のことばを聞きに行く

  • デスクライト

     デスクライトLEDクランプ式Hapfish24W幅広スタンドライト電気スタンド卓上【ダブル光源・光セ...🌌【幅広ダブルヘッド設計】78cm超ワイドダブルヘッドデザインで、このLEDデスクライトはデスク全体を照... HuizhouLedsunLightingCo.,Ltd.眼精疲労の軽減、机上スペースの有効活用のため、購入。ねらいどおり。読書もタイピングも格段にラクになった。「墓じまい」「仏壇じまい」変化するお墓事情多様化する「弔いのカタチ」わたしの実家はすでに墓じまいしているので、楽ちん。少子化、無子化により、「先祖代々の墓」の維持はますます難しくなる。そもそも、遺骨を父系親族の「先祖代々の墓」に埋葬し、子孫が維持、管理するなど、明治期にはじまった奇妙な風習に過ぎない。「死んだあと、なんで夫、夫の先...デスクライト

  • 外岡秀俊という新聞記者がいた

    及川智洋,2024,外岡秀俊という新聞記者がいた,田畑書店.(8.14.24)外岡秀俊という新聞記者がいた 及川智洋田畑書店東大在学中に「北帰行」(文藝賞)により鮮やかなデビューを果たし、作家の道を嘱目されながら、新聞記者として生きることを選び、朝日新聞社に入社。以後、四十数年にわたるジャーナリスト人生を余すところなく伝えるオーラル・ヒストリー。ジャーナリズムが病み廃れた現代にあって、健全なメディアを取り戻す方策を示唆する言論人必読の書!朝日新聞で健筆をふるった名新聞記者、故外岡秀俊の記者、編集局長のオーラル・ヒストリーを、後輩の記者が聴き取る。わたしは、学生時代から朝日新聞、朝日ジャーナル、Aera等を愛読していた。朝日新聞が安倍シンゾーと癒着しているのではないかという疑念から、4年ほど前に、M新聞に変...外岡秀俊という新聞記者がいた

  • ミシンと金魚

    永井みみ,2022,ミシンと金魚,集英社.(8.13.24)ミシンと金魚(集英社文庫) 永井みみ集英社暴力と愛情、幸福と絶望、諦念と悔悟…認知症を患う“あたし”が語り始める、凄絶な「女の一生」。第45回すばる文学賞受賞作。認知症を患うカケイは、「みっちゃん」たちから介護を受けて暮らしてきた。ある時、病院の帰りに「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」と、みっちゃんの一人から尋ねられ、カケイは来し方を語り始める。父から殴られ続け、カケイを産んですぐに死んだ母。お女郎だった継母からは毎日毎日薪で殴られた。兄の勧めで所帯を持つも、息子の健一郎が生まれてすぐに亭主は蒸発。カケイと健一郎、亭主の連れ子だったみのるは置き去りに。やがて、生活のために必死にミシンを踏み続けるカケイの腹が、だんだん膨らみだす。そし...ミシンと金魚

  • 性と法律―─変わったこと、変えたいこと

    角田由紀子,2013,性と法律―─変わったこと、変えたいこと,岩波書店.(8.13.24)性と法律――変わったこと、変えたいこと(岩波新書) 角田由紀子岩波書店DV防止法、児童虐待防止法、セクハラに関する規定など、近年、当事者側の声から生まれた法律等がある一方、民法、刑法、売春防止法等は、長年、変わっていない。離婚、親権、賃金差別、性暴力…四〇年近く弁護士としてさまざまなケースに携わってきた著者が、性をめぐる法の問題点を明らかにし、未来に向けて提言する。弁護士としての経験と、数多くの判例にもとづき、性差別、性暴力における被害者の人権擁護の問題、現行の法制度の問題点を考察する。職場での性差別の残存は、日本の経済社会の活力低迷、その一因である。性差別に基づいた雇用策は、実際のところ会社に利益になるのだろうか。...性と法律―─変わったこと、変えたいこと

  • 仕事と人間―70万年のグローバル労働史

    ヤン・ルカセン(塩原通緒・桃井緑美子訳),2024,仕事と人間―70万年のグローバル労働史〔上〕・〔下〕,NHK出版.(8.13.24)仕事と人間(上)70万年のグローバル労働史 ヤン・ルカセンNHK出版 仕事と人間(下):70万年のグローバル労働史(2) ヤン・ルカセンNHK出版本書は、人類70万年の労働の歴史を叙述する大部の書物であるが、無味乾燥な学術書としての性格が強く、歴史学の専門家でない限り、忍耐強く読みとおすのは、困難だろう。歴史書といえど、例えば、ジャレド・ダイアモンドの一連の作品の場合、史実を貫く問題群が明確に措定されており、読者は、起承転結のあるストーリーとして歴史を理解する楽しさを味わえる。また、大部の書物と言えば、ダイアモンドに加え、ロバート・パットナムや、本書でも言及されているトマ...仕事と人間―70万年のグローバル労働史

  • 家族という病2

    下重暁子,2016,家族という病2,幻冬舎.(8.12.24)家族という病2(幻冬舎新書) 下重暁子幻冬舎幸せな家族を幻想し、理想の夫婦像、親子関係を築かねば、とストレスを高じさせる日本人。本書では、家族のしがらみや囚われの多い日本の実態を一刀両断。「欧米人は日本の家族が理解できない」「子供を無理心中に巻き込むおかしさ」「なぜ不倫で女ばかりが責められるのか」といった日本独特の家族の謎に迫るほか、「年を取ることは個性的になること」「親の介護を楽しむ極意」「男の本音を見抜く方法」「自分を家族から解放する」等々、家族という病を克服し、より充実した人生を送るヒントを示唆。60万部突破のベストセラー『家族という病』、待望の第2弾。1936年生まれの下重さんが、男社会のマスコミで働き続けるのは、たいへんなことだったろ...家族という病2

  • Reodoeer ブックスタンド

    久しぶりにブックスタンドを新調。Reodoeerブックスタンド書見台筆記台ブックレスト譜面台読書台本立て6段階調整折り畳み式竹製【サイズ】長さ:34cm幅:23.5cm本を載せる部分:2.9cm重さ:900グラム前後(素材の特性により多少... Reodoeer集中して読書するには良い商品だと思う。ただ、かさばるのが難点。「体臭が苦手すぎる」男性に対する不適切投稿の女子アナ、事務所が契約解除本人も謝罪契約解除は明らかにやり過ぎ。ポリコレやキャンセルカルチャーに過剰に迎合するのは、愚の骨頂。夏場、他人の体臭に不快感をもつのはだれしもあること。配送業務などに従事する人は、汗だくになっても仕事中はシャワーなど浴びられるわけもなく、そんなたいへんな人には、臭くとも、「ご苦労さま」と感謝し、スルーするのが大人。そん...Reodoeerブックスタンド

  • 査読

    某学会より、久しぶりに投稿論文の査読を依頼される。学会には不義理をしどおしなので、断るわけにもいかず、引き受けた。なにごともあとに引き延ばすのがいやな性格ゆえ、ちゃちゃっと添削を済ませる。対象論文はPDF文書。当初は、タブレットPC(BooxNovaAir)で読み込んで、ペン入力しようとしたんだが、情報量が多い文書への手書き入力は無理ゲーだった。タブレットより多少は作業領域が広がるノートパソコン(Dynabook)でペン入力することも考えたが、面倒っちくなって、結局、出力した紙原稿に手書きし、それを画像に撮って送信した。当の原稿は、いまいち言いたいことがわからないけれども、よく勉強してますねえタイプのものだったが、過去、ことごとく日本語表現として破綻している論文を数多く目にしてきたので、それらと比べると今...査読

  • 性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。

    池田鮎美,2023,性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。,梨の木舎.(8.11.24)性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。 池田鮎美梨の木舎性暴力被害者自身による9000日の記録。性暴力被害サバイバーの手記は、けっこう目をとおしているのだが、本書には、類書にはない深みがある。「治療されるべきは被害者ではなく社会。」という想いのもと、辛い思いをしながら、刑法を変えるべく奮闘する池田さんの姿は尊い。池田さんは、中学生のとき、親友を自殺で喪っている。親友は、性暴行を含めた陰惨ないじめによりこころを病み、自殺した。そして、池田さん自身、二度にわたって性暴力被害に遭い、PTSDに苦しむ。性暴力を裁く刑法上の犯罪(現在は不同意わいせつ罪と不同意性交等罪)要件の一つに、「暴行または脅迫」...性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。

  • 子どもへの性加害──性的グルーミングとは何か

    斉藤章佳,2023,子どもへの性加害──性的グルーミングとは何か,幻冬舎.(8.10.24)子どもへの性加害性的グルーミングとは何か(幻冬舎新書) 斉藤章佳幻冬舎子どもへの性加害は、心身に深い傷を残す卑劣な行為だ。なかでも問題なのが、顔見知りやSNS上にいる〝普通の大人″が子どもと信頼関係を築き、支配的な立場を利用して性的な接触をする性的グルーミング(性的懐柔)である。「かわいいね」「君は特別だ」などと言葉巧みに近づく性的グルーミングでは、子ども本人が性暴力だと思わず、周囲も気づきにくいため、被害はより深刻になる。加害者は何を考え、どんな手口で迫るのか。子どもの異変やSOSをいかに察知するか。性犯罪者治療の専門家が、子どもを守るために大人や社会がなすべきことを提言する。子どもへの性加害の問題は、深刻だ。思...子どもへの性加害──性的グルーミングとは何か

  • レンアイ、基本のキ、なぜ妻は突然、離婚を切り出すのか

    著者の打越さんは、DV、離婚の家事事件を数多く手がけてきた弁護士。現在は、立憲民主党所属の参議院議員。打越さく良,2015,レンアイ、基本のキ──好きになったらなんでもOK?,岩波書店.(8.9.24)レンアイ、基本のキ――好きになったらなんでもOK?(岩波ジュニア新書) 打越さく良岩波書店つき合った途端「オレの言うことをきけ」と言う彼。「好きなら相手に合わせるのが当たり前」と思う私。「恋愛って相手を束縛することなの?」「一方だけが我慢するのっておかしくない?」。様々なケースから不幸せにならない二人の関係のあり方を考えていく。デートDVに陥らない恋愛の形とは?巻末には相談窓口を付す。高校生を主たる読み手として想定し、編まれた啓発書。デートDVや、それにつながりかねない、相手の自由の束縛の問題について、コミ...レンアイ、基本のキ、なぜ妻は突然、離婚を切り出すのか

  • きっしょ(笑)

    自分の娘くらいの年齢の女の子の尻を追っかけ回しているじじい、おやじほど、きっしょいものはない。Omochiさんの一連のツイート。きしょいきしょい思いながら、こういうネタを見つけてゲラゲラ笑ってんのは、悪趣味ではあるけれど。笑きっしょ(笑)

  • 南海トラフ地震臨時情報に関する情報まとめ

    南海トラフ地震臨時情報に関する情報まとめ【地震速報】宮崎日南市で震度6弱1週間ほど同程度の揺れ注意現在、気象庁が、「巨大地震注意」を発表しているが、16時43分に発生した日向灘M7.1が前震となって本震が発生するかどうかは、気象庁も含めて、だれにもわからない。東日本大震災時にも、2011年3月11日の本震発生前に、3月9日にM7.3、10日にM6.8の前震があった。東北大学の地震学者が、これらが前震ではない旨の発表をした直後、本震が発生した。直下型地震と比較して予測が立ちやすいとされるプレート境界型地震ではあるが、日時を指定しての本震発生の予測など不可能である。南海トラフ大地震は確実に発生する。[NHKスペシャル]もしも南海トラフ巨大地震が発生したら?シミュレーションCGとドラマで解説 MEGAQUAKE...南海トラフ地震臨時情報に関する情報まとめ

  • 女性学・男性学〔第3版〕──ジェンダー論入門

    伊藤公雄・樹村みのり・國信潤子,2019,女性学・男性学〔第3版〕──ジェンダー論入門,有斐閣.(8.8.24)女性学・男性学--ジェンダー論入門第3版(有斐閣アルマ>Interest) 伊藤公雄有斐閣ジェンダー論の決定版テキスト最新版!女と男をトータルに論じた好評の入門書。恋愛、労働、育児など生活のいろいろな場面に焦点をあてた本文、女と男をめぐる名言・迷言集、マンガ、学問の営みを解説した特別講義、コラム、参加・発見型学習のためのエクササイズなど、工夫された構成で迫ります。最新データを盛り込みますますパワーアップ。自分の専門か、それに近い領域での入門書や概説書には、どうしても辛口になってしまうのだが、そりゃそうだ、すでに知っていることや考えたことがあるものしか書かれていないのだから。性別格差、性差別や、性...女性学・男性学〔第3版〕──ジェンダー論入門

  • マッチング・アプリ症候群──婚活沼に棲む人々

    速水由紀子,2023,マッチング・アプリ症候群──婚活沼に棲む人々,朝日新聞出版.(8.7.24)マッチング・アプリ症候群婚活沼に棲む人々(朝日新書) 速水由紀子朝日新聞出版結婚相手を見つけ、2人で退会するのがマッチングアプリのゴール。しかし本書では、このアブリ世界に彷徨い続け、婚活より自己肯定感の補完にハマり抜け出せなくなってしまった男女を扱う。アプリで次々に訪れる流動的な人間関係の刺激は、中毒性が強い。相手をどんどん乗り換え続けることで生きる糧を得ている人々、離婚や失恋でトラウマを抱え、婚活と名乗りつつセフレ的な付き合いしかできなくなった人々、等身大な自分を見失って500の「いいね!」をコレクションし、自己肯定感の上昇のみを求める人々。マッチングアプリの婚活沼に依存するディープな住人たちを、「マッチン...マッチング・アプリ症候群──婚活沼に棲む人々

  • 【旧作】DV(ドメスティック・バイオレンス)──殴らずにはいられない男たち【斜め読み】

    豊田正義,2001,DV(ドメスティック・バイオレンス)──殴らずにはいられない男たち,光文社.(8.7.24)DV(ドメスティック・バイオレンス)――殴らずにはいられない男たち(光文社新書) 豊田正義光文社本書には、四組のDV当事者夫婦が登場する。すべて、夫が加害者、妻が被害者である。DV被害者の経験については、数多くの記録があるが、加害者の自らの暴力への意味付けについては知るよしがなかったところ、本書では、加害者の夫、被害者の妻双方から、自らの経験について聴き取っており、そこでの齟齬から、DV加害者の異様な認知の歪みがあぶり出されている。自らの暴力を正当化する男の語りは、吐き気をもよおすほど、不快だ。胸くそ悪いことこのうえない。DV男に共通するのは、以下のような性格特性だ。女性との関係において、つねに...【旧作】DV(ドメスティック・バイオレンス)──殴らずにはいられない男たち【斜め読み】

  • 夫に死んでほしい妻たち

    小林美希,2016,夫に死んでほしい妻たち,朝日新聞出版.(8.6.24)夫に死んでほしい妻たち(朝日新書) 小林美希朝日新聞出版家事や育児で、妻の“してほしい”と夫の“しているつもり”の差は、あなたが想像しているよりもはるかに大きい。毎朝子どもを保育園に送る。週に一度は料理をつくる。それだけで自信満々な夫を、妻はどう感じているか?やがて、怒りを爆発させることにも疲れた妻は、一人つぶやく。「死ねばいいのに…」世の中たちを戦慄させる、衝撃のルポルタージュ!むかしから、安直に結婚や家族を称揚する人たちの気が知れなかった。所詮は、自己と自己以外(の他者)のつながり、関係性。千石イエスの隣人愛──自己以外を他者化しないという態度を貫かない限り、夫婦にしろ、親子にしろ、うまくいくわけがない。「死んでほしい」と願うく...夫に死んでほしい妻たち

  • 【旧作】「イエスの方舟」論【斜め読み】

    芹沢俊介,1995,「イエスの方舟」論,筑摩書房.(8.6.24)「イエスの方舟」という宗教団体の若い女性信者10人が行方不明になったと、ある日の新聞が報じた。教祖による誘拐か。マス・メディアの過剰反応によって、波紋は加速度的に大きく広がってゆく。1980年におこったこの「事件」を足がかりに、宗教・家族・女性・共同体の現在を読み解いていく。20枚の書下し論文「1995年のイエスの方舟」を併せて収録する。若い女性が出奔して、「おっちゃん」こと「千石イエス」の元で共同生活をおくる。娘や配偶者を取り戻すべく、千石を糾弾する家族と、マスコミ。本書は、「イエスの方舟」をめぐる事件の経緯をたどり、「方舟」と連合赤軍、旧統一教会とを比較する。イエスの方舟事件@wikiマスコミは、千石という中年すぎの男が、若い女性をかど...【旧作】「イエスの方舟」論【斜め読み】

  • 結婚

    末井昭,2017,結婚,平凡社.(8.5.24)結婚 末井昭平凡社一番身近な存在だからこそ悩む関係を末井さんが自身の体験をもとに真正面から語ります。高橋源一郎さん、植本一子さんとの対談付き。恋愛、不倫、金銭、性欲、エゴ、離婚、再婚…『自殺』で読者にやさしく寄り添った末井昭が、「結婚」をめぐる男と女の生き方を、誤魔化すことも、正当化することもなく、そのまま描き出す。「ウェブ平凡」人気連載、ついに書籍化!自殺は、強烈な内容の作品だったが、本作も、おとなしめの内容ながら、ゆるゆるバルネラビリティ全開の脱力系虚無ワールドを堪能できる。末井さんが心服する千石イエスさんは、「女は男を愛せない」と言う。そうなのかもしれないな、と思う。男が埒もない性幻想を女に向けることはできても、逆はほとんどありえないだろう。しょせん、...結婚

  • BOOX Nova Air

    ペーパーレスと脱スマホをはかるため、E-inkタブレット、BOOXNovaAirを導入。GooglePlayの認証がとおらず、難儀したが、新しいファームウェア上での設定マニュアルを見つけ、なんとか使える状態になった。SetUpYourBOOXTablet主な用途は以下のとおり。〇諸文書の閲覧、編集(手書きメモの追加)。〇ウェブページの閲覧。〇手書きメモ、ノートの作成、参照。〇電子書籍リーダー。その他、通話以外、スマホでできることはたいていこなせる。手書きペン入力の感触も良好だ。BOOXNovaAir

  • トランスジェンダーになりたい少女たち──SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇

    アビゲイル・シュライアー(岩波明監訳),2024,トランスジェンダーになりたい少女たち──SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇,産経新聞出版.(8.4.24)トランスジェンダーになりたい少女たちSNS・学校・医療が煽る流行の悲劇 アビゲイル・シュライアー産経新聞出版「KADOKAWA『あの子もトランスジェンダーになった』」あの“焚書”ついに発刊世界10か国翻訳日本語版緊急発売「今年最高の1冊」タイムズ紙(ロンドン)「今年最高の1冊」エコノミスト誌ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーヘイトではありません。ジェンダー思想と性自認による現実です。KADOKAWA『あの子もトランスジェンダーになった』あの“焚書”ついに発刊。本書は、当初、KADOKAWAから出版される予定であったのが、「トランスジェンダー当事者への...トランスジェンダーになりたい少女たち──SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇

  • マンガで読むジェンダー入門──男らしさ/女らしさの束縛から解放されよう!

    メグ‐ジョン・バーカー(文)、ジュールズ・シール(絵)(松丸さとみ訳),2024,マンガで読むジェンダー入門──男らしさ/女らしさの束縛から解放されよう!,いそっぷ社.(8.4.24)マンガで読むジェンダー入門 メグ-ジョン・バーカーいそっぷ社そもそもジェンダーとは何なのか。話題のトランスジェンダーやノンバイナリーとはどういう意味か。ジェンダーの基本知識から性別二元論の問題点まで。古臭い「ジェンダー規範」にNO!!と言う本。映画や文学の名シーンをイラストで紹介するなど、身近な話題でジェンダーについて学べる、最適の入門書。米国のフェミニズム、LGBTQ+の最新の動向を、さくっと把握できる。セックス/ジェンダーという二分法概念は、ときに有効であるとは限らず、人間を、セックス/ジェンダーのスペクトラムのなかで、...マンガで読むジェンダー入門──男らしさ/女らしさの束縛から解放されよう!

  • こんな世の中に誰がした?──ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために

    上野千鶴子,2024,こんな世の中に誰がした?──ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために,光文社.(8.3.24)こんな世の中に誰がした?ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために 上野千鶴子光文社不均衡な社会に生きるすべての女性の人生に寄り添い、自身の贖罪とともにエールを送る、上野千鶴子渾身の一冊。“わたしはこれまで何度も「どうせ世の中は変わらない」という諦めの声を聞いてきました。でも、そうでしょうか。(中略)あなたには、ほんの少しでも社会を変える力があります。いまよりちょっとでもマシな社会を、あとから来る人たちに手渡すために。”――序章より「仕事」「結婚」「教育」「老後」ステージごとに社会と人生を問う全四章。上野センセの著作は、マメにフォローしてきたこともあって、本書に新味はなかったが...こんな世の中に誰がした?──ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために

  • 日本社会のしくみ──雇用・教育・福祉の歴史社会学

    小熊英二,2019,日本社会のしくみ──雇用・教育・福祉の歴史社会学,講談社.(8.3.24)日本社会のしくみ雇用・教育・福祉の歴史社会学(講談社現代新書) 小熊英二講談社いま、日本社会は停滞の渦中にある。その原因のひとつが「労働環境の硬直化・悪化」だ。長時間労働のわりに生産性が低く、人材の流動性も低く、正社員と非正規労働者のあいだの賃金格差は拡大している。こうした背景を受け「働き方改革」が唱えられ始めるも、日本社会が歴史的に作り上げてきた「慣習(しくみ)」が私たちを呪縛する。新卒一括採用、定期人事異動、定年制などの特徴を持つ「社会のしくみ」=「日本型雇用」は、なぜ誕生し、いかなる経緯で他の先進国とは異なる独自のシステムとして社会に根付いたのか?本書では、日本の雇用、教育、社会保障、政治、アイデンティティ...日本社会のしくみ──雇用・教育・福祉の歴史社会学

  • 戦争する国の道徳──安保・沖縄・福島

    小林よしのり・宮台真司・東浩紀,2015,戦争する国の道徳──安保・沖縄・福島,幻冬舎.(8.2.24)戦争する国の道徳安保・沖縄・福島(幻冬舎新書) 小林よしのり幻冬舎国民を舐めきった政治家に、激怒せよ!もはや日本に道徳はなく、損得しかないのか!?今、つくりだすべき倫理とは?日本は戦争する国になった。これは怒ることを忘れ、日米安保に甘えた国民の責任だ。安保法制化も、沖縄県民だけに押し付けてきた米軍基地の問題も、当事者以外の意見を封じる福島の原発問題も背景にあるのは、怒りや苦しみによる連帯ができず、すべて他人事として受け流す日本人の感情の劣化だ。しかし、今度こそ怒らねば、そして怒りつづけねばならない。戦争する現実を直視しつつ、舐めた政治家たちに恐怖を与えねばならない。この危機に、かつて罵り合った小林よしの...戦争する国の道徳──安保・沖縄・福島

  • 〈未来〉との連帯は可能である。しかし、どのような意味で?

    大澤真幸,2013,〈未来〉との連帯は可能である。しかし、どのような意味で?,弦書房.(8.2.24)3.11後をどう生きる…福岡ユネスコ・トークライブ。本書は、講演録であるが、話があっちゃこっちゃ飛んでしまっており、読みにくい。はるか昔、この大澤さんと宮台さんが論壇デビューしていたころ、この両者はそのエキセントリックさで際立っていた。日本社会学会の大会で、両者がマシンガントークを炸裂させていたのに、何度か遭遇した。喋るスピードがすさまじく速く、息つく間もなく延々と喋り続ける。宮台さんの言うことはわかったが、この大澤さんがくせ者で、なにを言いたいのか意味不明のことがしばしばあった。こうしたクセは終生続くのだな。で、本書。最後の部分だけはなるほどと了解できた。こういうぼくの仮説を補強する証拠の一つを、若者に...〈未来〉との連帯は可能である。しかし、どのような意味で?

  • 宮台真司 ニュースの社会学 社会という荒野を生きる。

    宮台真司,2015,宮台真司ニュースの社会学社会という荒野を生きる。,ベストセラーズ.(8.1.24)社会という荒野を生きる。 宮台真司ベストセラーズなぜ安倍政権の暴走は止まらないのか!?世の中の本質を見抜く・考える処方箋。切れの良い宮台節が随所に炸裂し、痛快だ。めちゃめちゃおもしろい。宮台さんから学んだことはいろいろあるけれども、ベネディクト・アンダーソンが明らかにした「国民化」の過程と、ロマンティック・ラブのイデオロギーの浸透=近代家族形成のそれとが同時進行したことを指摘したことも、言われてみれば確かにそうだな、と理路整然とした説明が腑に落ちたところだ。こうした経緯を見ると、(1)女子の性的過剰の回避と(2)男子のリアル過剰の回避と(3)オタクの蘊蓄過剰の回避の、シンクロが偶然でないことが分かります。...宮台真司ニュースの社会学社会という荒野を生きる。

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