メインカテゴリーを選択しなおす
【年の瀬の立ち仕事】 作:padroll 年末も押し迫った三十日となりました。 立ったまま食事をすること、アタシはとある家族の年末風景を覗いてみたものです。 夫と妻と娘の三人暮らし。 核家族とは言っても、どんなに慌しい人でもやはりお正月を迎える用意はするのです。 お節料理や雑煮、正月飾り、ささやかでも決まっていることをいつものようにしてみる。 日本のごく平凡な日常だと思い...
グレイトジャーニー③ 不登校引きこもりの私を外の世界に連れ出してくださった先生のこと
こんばんは。 ひまわりBちゃんです。 ランキングに参加しています。 🌟ポチッとしていただけると嬉しいです🌟 にほんブログ村 思い出話を小説風にしてみました。 ご笑覧いただけましたら幸いです。 グレートジャーニー③ どうやって生きていけばいいのか分からない。夢も希望もない。死ぬ事ばかり考えている。そんな若かった頃の私に、先生が仰いました。 「この世界は、苦労して捨てる価値すらないのですよ」と。 「ならば人はどうして生きているのですか?」 昏い目をした若者の、未熟かつ抽象的な愚問に、先生は笑ってお答えになりました。 「それがわかればノーベル賞ですよ。」 初夏の頃でした。先生が毎日決まって水を遣る、…
おはようございます。 ひまわりBちゃんです。 ランキングに参加しています。 🌟ポチッとしていただけると嬉しいです🌟 にほんブログ村 短編のお話を書いてみました。 ご笑覧いただけましたら幸いです。 禁煙外来③ 彼は立ち上がり、足を突っかけそうになりながら前へ出る。 鼓動が速くなる。3ヶ月、頑張ったんだ。今日で通い始めて一年。煙草という快楽を、いっさい捨てると決意して一年。一年の間、何度も挫けた。何度も火を点けた。そしてその度、自分はだめな奴だと自分を戒め、一本吸っただけの煙草の箱を捨て、後悔し尽くした。そして今彼は、3ヶ月の診療期間を経て、禁煙に成功しているのだ。 だから、今回こそは。あわよくば…
おはようございます。 ひまわりBちゃんです。 ランキングに参加しています。 🌟ポチッとしていただけると嬉しいです🌟 にほんブログ村 禁煙外来② 「へえ。大変だね。ねえ俺ら、全員アル中なんだ」 青年は遠くの席の四人の仲間を指差し、「ウケるでしょ」と言った。 「院出てからずーっと毎日母親がここ連れてくんの。でも俺いつも酔ってるからさあ、先生全然相手にしてくんねーんだよね。」 ケラケラと青年が笑った。その両目が虚ろだった。同じだ、と思った。過去の自分と。 もしかすると今の自分とも同じなのかもしれない。愛情、痛み、自己、逃避、孤独。青年もここに座る患者達みんな、自分に足りない何かを探しているのだろう。…
こんにちは。 ひまわりBちゃんです。 ランキングに参加しています。 🌟ポチッとしていただけると嬉しいです🌟 にほんブログ村 梅雨ですね。 毎日いろんなことがありますね。 今日は、短編小説を書いてみました。 ご笑覧いただければ幸いです🙇♀️ 禁煙外来 毎月はじめに、一定の金の入った封筒がポストに届けられる。彼と社会を繋ぐ唯一の細い糸だ。 それを持って彼は家を出る。金が入ってから、とツケていた未精算の診療費を支払うためだ。そしてそこでまた、診察を受けるためだ。 歩いて向かったビルに貼られているたくさんの広告の隙間から、さりげなく己の存在をアピールしている赤色のゴシック文字、禁煙外来。「煙草は癌の…