コンビニはトイレを貸すべき?観光地・鎌倉でマナー違反続き利用制限

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芳垣文子
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 国内有数の観光地・鎌倉(神奈川県)でトイレの問題が深刻化している。「公衆トイレ」として使われるなどして、営業に支障が出る商業施設の中には利用に制限をかけるところも出てきた。

 「土・日・祝のトイレの貸し出しは休止しております」

 JR鎌倉駅にほど近いコンビニの入り口にはそんな貼り紙がある。店内にも「トイレは『キーナンバー』入力により開錠します。事前にレジスタッフまでお聞きください」「トイレのみのご利用はご遠慮ください」といった注意書きが掲げられている。

 店によると、利用日の制限は4、5年前に始め、1、2年前に暗証番号方式にして制限を強化した。

 それまではトイレ待ちの行列が店外まで延び、買い物客の入店を妨げることもあった。使い捨てカイロやカップ酒のプラスチック製ふたが流されるといったマナー違反の使われ方をされることも度々。便器が詰まるたびに修理を余儀なくされたり清掃に追われたりして、店員が他の業務に手が回らなくなった。水道代が月約10万円に上ったこともあったという。

 同駅近くの衣料品・レストランの「MUJIcomホテルメトロポリタン鎌倉」も昨年12月、多目的トイレを除く2カ所を暗証番号方式に変えた。店は元日も営業しており、鶴岡八幡宮への初詣客が殺到することが見込まれたからだ。市川匡一店長によると、この時期に限らず、トイレットペーパーの盗難が絶えず、夏場に海水浴客が中で着替えて砂だらけになるなどしたことも理由の一つだという。

 一部の外国人観光客のマナー違反に頭を悩ます施設もある。観光スポット「銭洗弁財天」のトイレには「アイスキャンディーやだんごのスティックをトイレに流すと故障の原因になります」と日本語だけではなく、韓国語や中国語も併記して注意を呼びかけている。

「コンビニのくせに貸さないなんて」

 だが、利用制限やマナー向上…

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    上西充子
    (法政大学教授)
    2024年7月20日7時28分 投稿
    【視点】

     観光地には有料の公衆トイレを整備できないのでしょうか。記事には募金箱を設けた公衆トイレの事例が紹介されていますが、寄付だけでは維持管理の費用は到底まかなえないでしょう。  検索してみたところ、京都市は2004年と2007年に観光地3か所に

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