外から見る日本、見られる日本人

バンクーバーの日本人社長ヒロが仕事、生活を通じて感じた経済、経営、社会、日本人観などを綴っています。

2011年05月

GMの車は日本で売れるか?4

GMが日本への戦略を再開するとのニュースがありました。アメ車といえばデカイ、燃費は食う、壊れやすいなどのイメージを持ち続けているかと思います。僕は北米に住んでいるのでアメ車にはさまざまな形で縁がありますが、確かに下取り価格やカスタマーサティスファクションでは日本の車の後塵を拝しているとは思います。

が、少なくとも我々の常識が1980年代とか90年代のそれであったとしたら、そろそろ見方を変えなくてはいけないかもしれません。少なくともデカイ、燃費が悪い、壊れやすいについては相当の改善が進んでいます。一方、価格が極めて下がっていることに注目すべきです。日本でのドイツ車は根強い人気に裏打ちされて高い価格設定になっています。(価格設定は販売国への市場戦略によりマークアップが違います。日本へはその点、強気価格、つまり、高くなっています。)が、アメ車は安めの設定です。

アメリカ国内でも販売価格を見るとある意味、ひと世代前価格かと思わせる水準で落ち着いています。その上、安いドルという武器を持ったとしたらアメ車の輸出ドライブがかかってもおかしくありません。

実際、車の世界販売台数では2010年でトヨタがGMに僅か3万台の差で一位を維持したものの2011年度の逆転はほぼ確実かと思います。それは震災で販売台数に陰りがあるトヨタに対してGMは新興国、特に中国、ブラジルでの販売の伸びが顕著であり、アメリカ国内の伸びも含め、年間トータルでは相当の差をつけると思われるからです。

さて、そのGMの日本再戦略車は韓国産SUV「キャプティバ」。目玉は価格。357万円は日本販売のGM車では最廉価。更に今年後半には2000cc以下の「アベオ」も投入するということですから当然、更に安い価格で登場することでしょう。

売れるかどうかは日本でのマーケティング次第。それはブランディングともいえます。日本でGMと言えばキャディラックがそのイメージ。キャディラックのイメージはヤンキー、悪、傲慢といった感じでしょう。実際、キャディラックCTSのコマーシャルはそのイメージを地でいったわけで僕は思わず笑ってしまいました。ちなみにキャディラックの北米の購入層はイメージとは裏腹でハーレーダビッドソンと同じ「オッサン」であり若返りに必死というところでしょう。

なぜかアメ車は日本でのマーケティングが下手です。トヨタ、日産、ホンダという「つわもの」がいる市場では勝てないと思い込んでいるようです。実は同じことが韓国車。ただ、日本で韓国のものなんて、と端から諦めていては間違えです。今年スマートフォンで一番ヒットした商品の一つにドコモ経由で発売したサムソンギャラクシーS。要は牙城を築くことが出来ればアメ車が日本の市場に入り込む余地は十分にあります。

僕は日本の大手自動車メーカーがアメ車をほとんどライバル視していない今、脇が甘いと指摘しておきます。円高は続きます。アメ車の価格は安くなります。そのとき、日本車が品質という胡坐をかいていたら瞬く間に市場を奪われる可能性があります。まさかと思うでしょうけど僕はあえて今の段階で指摘しておきます。

と言うことで今日はこのぐらいで。

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ではまた明日。

米ドルの時代は終わるのか?4

僕は仕事の一環で資金運用も行っており、一部資金は投資に振り向けております。もちろん自己資金でもそれなりの投資を行っております。その中で、実を申し上げますとこの2年以上ポートフォリオの30%以上を金関連に振り向けておりました。金が上昇する中でのスウィングトレードですのでリスクが小さく利益確定を繰り返しながら売買を繰り返しております。

何故金に固執したか?常識的にみて米ドルの価値は維持できないと考えているからです。米国政府は米ドルの価値を維持することが基軸通貨としての役割だと考えています。一方で通貨流通量が異常に膨らみその価値は何を持ってヘッジされているのかと考えると、アメリカという国しかないということに誰でも気がつくと思います。

話を分かりやすくしましょう。皆さん日本の銀行の経営基盤が揺らいだとき、銀行は何をしたか覚えていますか?そう、増資をしました。増資とは発行株数を増やすことですから今まで持っていたあなたの株の価値が薄まるということです。例えば総発行株数が増資により2割増えたとしましょう。全体数が増えたのですからあなたの持分(シェア)は下がります。持分が下がるということはあなたの銀行から貰う配当金も約17%減るし、株価も17%下がるのです。

アメリカは2009年からどれだけの通貨を発行しましたか?そして、この場合のアメリカとは連邦準備銀行であり、この銀行はアメリカ政府とまったく資本関係がないのはご存知ですか。そう、アメリカ政府は一株も持っておらず、大手銀行などがその株主といわれています。つまり、極論すれば民間が勝手にいくらでもお札を印刷できる仕組みなのです。

僕はこの流れを見てどうして米ドルが常に一定の価値を維持できるかいつも考えておりました。結論は政治的コントロール。そして、世界での「ドル需要」を増やすことに専念したのです。だからドル潰しの話が出ると必ずしっぺ返しがくるようになっています。そこはアメリカの強い政治力が裏で働いています。

が、こんな事、長く続くと思っている専門家はあまりいないでしょう。5月28日に内閣府発表の世界経済の現状と見通しを分析した「世界経済の潮流2011年」ではドルを基軸通貨とする国際金融システムも、徐々に変質する可能性があると述べています。

中国やロシアなどは以前から代替基軸通貨案としてSDRという通貨バスケット方式を主張しています。実際、IMFではこれを以前から使用していますが、いわゆる通貨ではありません。が、考え方としてはいろいろな国の通貨を一つのポットに入れてかき混ぜて一つの新しい通貨を作りましょう、という発想です。最近はフランスのサルコジさんも興味を示しているとか。アメリカは猛反対です。

もちろんすんなりと決まるとは思えませんが、貿易決済でドルから他通貨決済に換わればドルの価値の需要が減り、価値の下落に繋がります。日本でも今や貿易決済は円建てがじわじわ伸びてきているのです。一概に円高反対といえない状態ですね。

では、我々は下落するかもしれないドルを指をくわえて見ているしかないでしょうか?僕が金を買った理由はそこにあります。金がリスクヘッジとして高い需要を創造するのは歴史が物語っています。通貨としての価値がないと主張している専門家はある部分を見落としています。それは取引所を通じた擬似通貨であるということです。

結論的には米ドルが下がれば金は上らざるをえなくなります。少なくとも過去2年はその判断が正しかったようですし、今後についてもその変化の兆しは今のところ見受けられないというのが僕の見方です。

ご意見ありましたら宜しくお願いします。

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ではまた明日。

震災は日本を変えるか?4

今夏の節電を通じて人々の生活に変化が出てきました。

自動車業界は土日稼動、木金休みとなります。これで60万人の就労者とその家族あわせた200万人の生活パタンが変わります。他の企業、ドコモの東電管内は月、火、日本ガイシが火、水、日立も平日休日の方向です。

宇都宮市はサマータイムを導入、電力消費の多い企業は夜勤体制を敷き、使用する電力の24時間均等化を目指します。

当然それだけの企業が生活パタンを変えればそれに関連するビジネスも営業時間を変える必要が出てきます。平日のゴルフ、レジャー、早朝の朝食サービス、電車、バスの早朝運行、朝7時からの居酒屋というのもありかもしれません。

考えてみれば日本はレジャー白書で休暇が何処の会社も同時期になり、高くて混雑していることが常態化していました。欧米ではフランスなど一部の国を除きバケーションの取り方はさまざま。子供の学校の休みにあわせて休暇をとるファミリー層に対してアダルトオリエンテッドファミリー(子供のいない家族)は意図的にその時期を外して休暇を取ります。これにより休暇取得時期が平準化され経済的にさまざまなメリットが生じています。

今までの日本では先駆者がおらず、何か新しいことをするモチベーションが足らず、いろいろな案が出てもいつも議論だけで終わっていました。が、今回はやらなくてはいけない、さもないとペナルティーがくるという状況です。つまり、国が「変わってくれ」と懇願しているようなものです。このようなことは最近の歴史ではあまり記憶にありません。

震災は衝撃的でしたが我々は復興という道を確実に歩んでいます。が、物理的な復興と共に我々日本人の改革にも挑戦するときが来たようです。極端な話、今までやろうとして出来なかった改革が今なら出来るかもしれません。そんな時に我々は立っています。

日にちを改めて書かせていただきますが、どうも政治も変わる気配が出てきました。少なくともそういう動きがあるということは今年の夏にかけて日本は地殻変化を起すときでもあります。新しい生活パタンを通じて何か新しいものが見つかるのなら、企業の節電期間と称する9月まででなく、継続的な変化も考えてみる必要があるでしょう。

高速道路の混み具合も変わるかもしれません。ビジネスが週5日から週7日に変わると休みの日も今までの土日から一週間を通じて平準化され、旅館、レジャー等への消費が増えるかもしれません。

考えてみれば日曜日休むのはキリスト教、ユダヤは金曜日でした。が、仏教には指定された安息日は無かったと思います。とすれば日本人ほど高いフレキシビリティをもった人種はいません。いまこそ、新たなるチャレンジをするには絶好のチャンスだと思いませんか?

苦しいときだからこそ、新しいことをしたくなる、そんな感じがしませんか?

ということで今日はこのぐらいで。

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ではまた明日。

情報を切断化する4

情報過多の現代社会と言われています。

あなたはE−mailを一日どれぐらい貰いますか、という質問で100件以上という人はサラリーマンの方を中心にかなり多いと思います。が、実際に内容あるメールが100件も来るとそれと同等のメールを返信している可能性もあるわけで自分がメールにコントロールされることになりかねません。また、メールは往々にして非常に細かい内容の確認とか社内一斉メールも含まれています。あなたは情報ソースから外出先まで追いかけられることを良しとするか、というのが今日のテーマです。

一般の人がパソコンでインターネットの世界を知ったのはわずか15年前。それまでは情報とはテレビ、新聞、雑誌、本が主流でした。印刷物に限って言うと新聞は朝刊と夕刊。そして、夕刊は案外無視されそうですが、その日の午前中に起きたニュースを手早くまとめているという点で重宝な情報源でした。

雑誌、特に週刊誌、月刊誌の類は新聞で書ききれなかった詳報や追跡記事をカバーする役割でした。なぜなら、新聞は紙面の限界と時間的限界、記事の優先度などがあり必ずしも皆さんが興味ある記事の詳報ができません。雑誌以上に勉強したい人は本を読む、というのが我々若いときに慣れ親しんだ情報とのお付き合いの仕方でした。

今、情報が皆さんを追いかけます。スマートフォンになり、まさにあなたの第二の頭脳として持ち歩く時代になりました。しかし僕は今だこの流れに抵抗しています。外出するときは携帯こそ持つけれどメールはしない、ネットもチェックしません。それは情報依存症にならず、自分の思考の時間と外出先で会う人との時間にエネルギーを100%注ぎたいからなのです。

皆さんも食事やミーティングの際、携帯にメールや電話が入ってくることはしばしばあると思います。本人にとってはよほど重要なことだろうと思いますが、その間、待たされている相手の方にとっては必ずしも気持ちよいわけではありません。飲食中のメールなどは大体奥さんから「あなた今日は何時に帰ってくるの?」ぐらいのレベルが多いのではないでしょうか?それに気を取られるのがちょっと失礼かな、と思っています。

ではネット。ヒマならネットをしたくなる気持ちは分かります。が、情報と追いかけごっこをしても「微にいり細にいり」であり、本質を見失いやすくなります。昔、情報は朝刊と夕刊だけでした。ネットを一日もやらずにテレビ、新聞だけの情報で生活してみてもよろしいかと思います。多分、無いと困る、と100%の方が言いますが、それは禁酒、禁煙と同じようなものであることが当たり前になっているだけです。

僕は「禁ネット」の効用とは情報に基づいて自分の頭で考える癖が出来るのでは、と思うのです。ある事件がおきたらその事件がどう展開するのか想像し、人と会話して推理するかもしれません。その後、思わぬ展開になったらなるほどと思うでしょう。が、ネットをいつも見続けるとまず思考回路を使うことがなくなってしまうのです。

欲しい情報が全てネットを通じて引っ張り出せるのだとしたら子供がお菓子を欲しがりそれがいつも戸棚や冷蔵庫に満載しておくのと同じ状態なのです。

情報をあえて断片化させ、その断片を繋ぎ合わせ、次の情報を考えることで人間本来の思考回路を効果的に活用することが出来るのかもしれません。とすれば、スマートフォンの普及に恐ろしいものを感じるのは僕だけでしょうか?スマートフォンも使い方、ということでしょうね。

ご意見お待ちしております。

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ではまた明日。

政治不信の原点

昔から言われ続けた「経済一流、政治三流」。何年経っても政治が一流にならない理由は政治家の体質にも問題があるし、政党運営にも問題があるし、政治家が誰に向かって仕事をしているのかもわからないなどその理由も過去何十年、まったく変わっていないような気がします。

これでは民主党でも自民党でも同じことだという結論ですが、ではその不信の原点は何処にあるかというと「わかりにくさ」ではないかと思うのです。

政治家は国民に選ばれ、国民を代表して国を治める一方、国民や支持者意見を吸い上げ、決定したことを国民にわかりやすくフィードバックする義務も負っています。が、大半の政治家は吸い上げるだけ吸い上げ、決定されたピクチャーをわかりやすく国民に説明、理解させることに欠落しています。何故でしょう。

早稲田大学雄弁会(弁論部)というのは政治家の登竜門といわれています。が同大学の弁論部に代表されるように弁論とはディベートを目的とするものであり、主義主張をいかに通すかがそのお題目となっています。それは政党政治におけるバトルには向いていると思いますが、今、政治不信になっている本質的問題は国民が政治を理解していないということに他なりません。

つまり、政治家は他の政治家と論争をすることには長けていても国民目線で今、政治の世界で何が起き、どういう決定がなされるかということを十分に説明することが出来ないのです。

このところ話題になっている原発の海水注入中断事件の真相は「中断していなかった」という東野圭吾の小説並みのどんでん返しでした。が、その過程で原子力安全委員会委員長の班目春樹氏の「言った、言わない騒動」。挙句の果てに班目春樹氏は「そういう表現は学者が良く使うものだ」と言い切ったのには個人的に唖然としてしまいました。

官房長官の仕事の一つに政府コメントをパブリックにわかりやすく流すことがあります。ここに来て枝野官房長官の発言もブレが生じています。そして、先日の銀行債務免除の件もそうですが、パズルを解くような発言すら見受けられます。結局そこにあるのは調整を十分にしていない状態で発表してしまう、或いはわかりにくい表現、言葉のあやなどで国民を引っ掛けているのではないかとも思えてしまうことがあります。

先ほどの班目春樹氏のバトルの中で「再臨界の可能性」と「再臨界の危険性」の違いがよく分かっていないと細野豪志首相補佐官に指摘したといいますが、この意味、国民の何%の人がきちんと理解できると思いますか?

これぞ本当の「へぼ談義」であり日本の政治が不信になる原因ではないでしょうか?

更にこれに輪をかけたようにメディアが詳報をどんどん流します。結論のところ、国民は全体像が全然見えなくなっています。今、原発問題で政府が何をしようとしているのか400字以内でまとめよ、とか、3分以内で簡潔に述べよと言われて十分な回答が出来る人はどれぐらいいるでしょうか?

国民は十分な理解をした上でそれについて意見を述べる権利があります。が、政治家はいつも話を煙に巻くようなわかりづらさでいつの間にか事案が成立していたということはままあります。

日本が政治不信から立ち直りたいのならまずはわかりやすくきちんとコミュニケートする能力をすべての政治家が持ち、政治のシステムとして国民との「対話」が出来る形にすべきです。今、日本の民間会社のトップは社員と昼食を共にしたり、居酒屋で杯を傾けながら対話に励んでいます。一昨日、オバマ御夫妻はアイルランドのパブで現地の人たちと黒ビールを飲みながら談笑していました。

政治家はもっと国民目線まで降りてくるべきです。そしてダイアローグ(対話)をすべきです。決してディベート(討議)ではない、その勘違いに早く気がついてもらいたいと思います。

ということで今日はこのぐらいで。

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ではまた明日。

あぁ人件費4

ある週末の夕方、僕の経営するカフェの水道の調子が悪くなり水が止まらない状態に陥りました。どうやら同時に二箇所でトラブルが発生したようです。水が止まらない状態ですので流しっぱなしにするわけにもいかず修理業者を呼びました。が、今から行く、と連絡貰って2時間後に現れた業者からは酒の臭いがプンプン。専門の道具で修理はわずか15分か20分。その請求書は日本円で約4万円。人件費として移動費込みで2時間半の請求。これ、いつも頼んでいる当地の大手業者です。

北米でDo it yourselfという言葉が以前流行りましたが、その理由は結局、人に頼むと高いものにつく、ということを経験的に知っているからです。僕も北米に住むようになってからできる限りのことは自分でやります。そして、到底自分で治せないもの、電気製品などは壊れたらポイするのが一番経済的であることを知っています。

ちなみにヘアドライヤーは確実に2年に一度壊れます。DVDプレーヤーはこの5年で3台買い換えました。ちなみに日本の某大手ブランドです。しかしヘアドライヤーは一つ2000円足らずですし、DVDプレーヤーも一台4000円ぐらいですから修理に出す意味がないこともお分かりいただけると思います。また、壊れても惜しくない価格という意味もありますが逆説的には高いものを買っても壊れたとき、修理代のほうが高くつくともいえるのです。

バンクーバー市は道路舗装を含む一般的な土木工事は市の土木部が直営で工事をします。が、連中の賃金は高く、作業効率は実に悪いのです。以前、ある業務の関係で補修工事をやるのに市役所と相談したところ、自分達でやってあげられるけど高いから民間の業者を使ったほうがいいと囁かれて思わず納得してしまいました。

高騰する人件費がとても目に付くようになりました。というより、ものの値段や原材料費は下がっているのに人件費だけは下がることを知らないのでコストのうち人件費が占める割合が高くなってきたといったほうが正しいのでしょうか?

世界のあちらこちらの国や都市の財政が悪化しています。理由はさまざまだと思いますが、本質的には人件費の負担が減らない理由であることに疑いありません。特に賃金や社会保障費、更には失業保険や年金など人に絡むコストには割引がないといったらご理解いただけるかもしれません。

これは日本の財政でもギリシャの財政でも同じですよね。

興味深いことにモノの値段は確実に下がっています。が、日本以外ではインフレが継続しています。それはどこかに無駄なコストがかかっているはずですがそれは人件費ではないか、と疑っています。先日のトピですき家は危険を承知で一人勤務させるのはどうかと書かせていただきましたが、一方でカナダでは本当にそんなにたくさん人は必要なのか、或いはそんなに払わなくてはいけないのか、と疑ってしまうことがしばしばあります。

欧米では職責はきっちり決まっているので与えられた作業しか絶対にしない、という融通の効かなさが人件費をいやおうなく増やす結果になっていると思います。こう見ると日本も欧米も行きすぎのきらいがあってちょうど中間ぐらいが正しい人件費ということかもしれませんね。

ご意見、ご感想、お待ちしております。

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ではまた明日。

日本人としての誇り4

僕が外国に20年も住んでいながらも日本人に誇りを持ち続ける理由は何でしょうか?

僕は縁があってカナダで仕事をしていますが、カナダのパスポートを取得したいと思ったことはまだ一度もありません。仮に日本が二重国籍を認めたとしてもカナダのパスポートにそこまで魅力を感じるかどうか分かりません。

カナダは先進国では最も裕福な国の一つといわれています。世界第二の国土の広さに人口は関東の総人口より2割近く少ない3400万人ちょっと。地下を掘れば石油や資源が出てくる裕福さです。相続税はなく、人口を増やす為富裕層の移民を積極的に受けいれています。隣にはアメリカという大消費国を抱えています。

結果が物語るとおりカナダ国の政策と運営は極めてまっとうだと思います。でも、日本人である僕にとってこの国の生活で満足できるのだろうかと考えると自信がありません。それは将来この国の若者がきちんと育ち、社会を担うのかという社会道徳への不安から来る気持ちが一つあるのだろうと思います。

社会学でロシアと東南アジア、どちらの人がよく働くか、というテーマがあったことを前に書いたと思います。答えはロシアです。なぜなら、働かないと凍えて死んでしまうからです。東南アジアは毛布がなくても寒くないし、木を揺らせば果物が取れるのです。カナダはそういう意味で東南アジア化してきています。

掘れば資源。親の財産は子の財産。エントリージョブはアジアからの移民の仕事でカナダ人は気に入った仕事がないから失業中、といったイメージがどうしても見えてしまいます。中華系の移民の子供達は親が必要以上に金持ちのところが多く、学校を卒業したばかりの若者がベンツやポルシェを乗り回しているのを見てこの国で汗をかく人はいるのだろうか、と思ってしまいます。

その点、日本の平等主義はある意味徹底していて「親の財産は親の財産」、子供には引きがせにくくすることで日本人に平等な勤労意欲を盛り立てる結果に繋がっています。それこそ、天照大神が天から降りてきたら地上の神々が見皆働いていた、という神話を借りるなら、日本は「お坊ちゃま」や「お嬢様」を作りにくくして汗をかくことを当たり前としていているところに日本の素晴らしさがあるともいえるのではないでしょうか?

経済学的には親の財産を子に継がせやすくしたほうが消費が伸びるので景気はよくなりやすいとは思いますが、精神論的には「同じ釜の飯を食う平等さ」が日本独特の「気持ちの共有」の原点かもしれません。

今回の震災後、新幹線が僅か50日で復旧した話は耐震補強していたということもありますが、たくさんの鉄道マンや建設マンが昼夜を問わず、必死になって直し続けたから出来た日本ならではの技です。そこには「思いを一つにする」という日本人の美徳がありました。北米で突貫工事はあまりありません。それは労働者がその意義を感じていないことが一番大きいと思います。朝7時から午後3時まで現場に行き、そこで賃金というにんじんをぶら下げられて作業をする労働契約から良いものを早く、正確に作るというマインドは生まれにくいのです。実際、僕はこちらの建築物の保証や修理で非常に苦労をしました。

日本人は仕事に対して感謝の気持ちを持ってあたります。「仕事をさせてもらい有難う」と心のどこかで思っています。これは神道そのものであり、僕はこの気持ちを持っている日本人であることに誇りを持っています。

震災の復旧を通じてさまざまなドラマが聞こえてきます。これは日本ならではのすばらしいストーリーです。震災そのものは言葉に出来ないほどの衝撃でありましたが、そこから立ち上がる日本の姿は他の国の人には真似できない強さの証だと強く感じています。日本人は世界に誇れる民族です。胸を張って新しい日本に向かってまい進できると確信しております。

ご意見ありましたらよろしくお願いします。

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