2007年6月29日(金)

菅井英憲・某コンピュータ会社インタビューより。

2005年7月22日

ボーカルトレーナーは感覚的なアナログ世界、様々なアーティストがしのぎを削る芸能界。

その中でも突出した人気を誇るグループ『モーニング娘。』の活動を支えるキーマンの1人が、ボーカルトレーナーの菅井英憲先生だ。

テレビ東京の番組『ASAYAN』で、第5期モーニング娘。のボーカルトレーニングを担当し、候補者達を厳しく指導したその姿に覚えがある人も多いはず。

みんなのイメージにある菅井先生は『怒り顔』だが、これはレッスン中の顔。インタビュー中は、終始にこやかな表情を見せる優しい先生だった。

菅井「例えばパソコンを覚えようとしても、本を読んだだけでは使えるようになりませんよね。

自分の知らないボタンとかわからない機能があるけれど、使い続けるうちに段々と使い方がわかってくる。

ボーカルトレーニングもそれと同じで、1回のレッスンでは少しずつしか直すことが出来ませんし、すぐにマライヤ・キャリーみたいになれるわけでもありません。

でも、『やっても出来ない子』はいないんです。」


歌を歌う。声を出す。主に身体の内部の動きが中心になり、『こうすれば良い』と目の前で見せることが出来ないテクニックこそが重要となる。

言葉で説明できる部分もあるが、多くの場合は感覚的な表現で伝えられることが多い。しかし、その一方で、菅井先生はより具体的なアプローチもボーカルトレーニングの手段として取り入れているという。


菅井「僕はレッスンの中で子供に、『この歌は何色かな?』って聞くようにしているんですよ。

『私はピンクだと思う。』『じゃぁピンクのように歌ってみて』と言うと、全然歌が変わってくる。

つんく♂さんから聞いたのですが、岡本太郎さんの話で、大人はキャンバスを渡すと、その中に絵を描こうとする。

でも子供はキャンバスをはみ出して絵を描こうとする。

その創造性が凄いのだ、と。

大人にそう言っても通じないことが多いので、子供に対していつまで通じるのだろう、と考えることがあります。

これは心の問題であり、ボーカルトレーニングの感覚的な面ですね。」


続きます。