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核とミトコンドリアにおけるDNA損傷の違いヒトおよび真核生物においては一般に、DNAは細胞内において核とミトコンドリアの二つの領域に存在する。ミトコンドリア内に存在するDNA(ミトコンドリアDNA:mtDNA)は、ヒストンとの複合体を形成することなく単一あるいは複数のコピーからなる環状DNAとして存在している。ヒストン蛋白質によって与えられる構造的な保護を欠いているため、結果として、mtDNAはnDNAに比べてはるかに損傷を受けやすくなっている。加えて、ミトコンドリアは内部で定常的に生産されているATPのために非常に強い酸化的環境となっており、これも、mtDNAをさらに損傷を受けやすいものにしている。ヒトのmtDNAは13種のタンパク質に関する遺伝情報をもっているが、これらの遺伝情報が破壊され、機能不全を...核とミトコンドリアにおけるDNA損傷の違い
DNA損傷の原因のページを更新DNA損傷の原因は、以下のように分類することができる。DNA損傷の名称DNAに起きる化学変化の概要メモ塩基損傷DNAを構成する塩基の酸化、あるいは小分子の結合による化学修飾活性酸素、ラジカル化合物、メチルメタンスルホン酸(MMS)、など脱塩基DNA分子の糖と塩基の間の結合が切断されて塩基が失われるDNA分子の不安定さ、酸化損傷の修復過程、などピリミジン二量体2つの連続するピリミジン塩基の間に共有結合を生成紫外線一本鎖切断DNA二重らせんを構成する1本の鎖に切断が生じるDNA切断酵素、電離放射線、DNA損傷の修復過程、など二本鎖切断DNA二重らせんを構成する2本の鎖に切断が生じるDNA二重らせんを構成する2本の鎖に切断DNA切断酵素、電離放射線、高線量の短波紫外線、物理的引っ張...DNA損傷の原因
DNA損傷のページを更新DNA損傷とは、DNA分子に生じる本来の構造とは異なる化学変化である。生体内のDNAは、複製や転写の過程においても切断や他の分子との結合が頻繁に行われているが、生体反応過程の構造は損傷には含めず、通常のDNA代謝とは異なる過程によって生じたDNAの化学変化を指すのが一般的である。DNA損傷の原因には、好気呼吸に伴う活性酸素、一部は抗がん剤などとしても使用されるDNA修飾薬剤、紫外線、電離放射線などがあげられる。具体例の一つとして、生体内ではミトコンドリアでの好気呼吸(酸化的リン酸化)の結果として活性酸素が生じるが、活性酸素はDNA塩基に酸化(酸化損傷)を引き起こす。代表的な酸化損傷にグアニン(G)の8位の炭素が酸化された8-オキソグアニンがあり、本来のシトシン(C)と同程度にアデニ...DNA損傷