女性ボーカルの評価の基準は、80年代のホイットニー・ヒューストン、90年代のマライア・キャリー、セリーヌ・ディオン、そして2000年代のビヨンセなどの登場によって完全に書き換わってしまいました。
すなわち、力強く聴く者を圧倒するようなハイトーンが最良とされ、それ以外は以前のようには目立たない存在になってしまいました。特にサバイバルオーディションの評価ステージでは、どうしてもK-POPメインボーカルのような、わかりやすく目を引く歌唱が有利になってしまいます。
そこで、参加者たちはいつもの自分以上に、がんばってパワフルな高音を出そうと努力します。しかしそれがために、せっかくのその人の個性が消えてしまうこともあります。