自閉症の娘との40年の記録 [エリー自閉症児の40年]
「自閉症の娘との 四十年の記録」 河出書房新社
クララ・パーク
Exiting Nirvana(涅槃からの脱出)
自閉症関係の書籍はほとんどが原題の方が本質を表し、その一方邦題はあざといのが多いのですが、
この本の原題はサンスクリット語を使っているので、かえって分かりにくくしてしまっています。
恐らく自閉症のエリーが子供の頃は、外部からの働きかけに全く左右されず、唯我独尊と言うか、
まるで「無我の境地」にでもいるように感じられたのが、少しずつ意志の疎通が出来る様になり、
エリーの方から「Nirvana」(涅槃)の世界から出て来てくれた時の喜びを表した題名なのでしょう。
話は変わって、この本のエリーの写真を見ればすぐ分かるシッタカ情報をひとつ。
日本の、自閉症児に触れた事も無い人が憶測で流すネット情報ではだれも知り得ませんが、
呼び掛けてカメラに向かせる事が出来なかった自閉症児でも、それ相応に成長すればやがて
二人で写真撮影に応じる様になります。
大人で知能がある程度あるのに人と目を合わせません、と言うのは、別の病気です。
日本の療育に毒されていないエリーの笑顔こそが、
自閉症児に対する教育とはどうあるべきかを示していると思います。
【自閉症テレビ2】夢の生活アスペルガー2
自閉症児エリーの記録 [エリー自閉症児の40年]
「自閉症児 エリーの 記録」 河出書房新社
クララ・パーク
THE SIEGE-- The First Eight Years of an Autistic Child
by Clara Claiborne Park
ローナ・ウイングが書籍の中で推薦した本。
しかし、初版本は日本中版元や取次店を探しても無かったのですっかり諦めていました。
忘れかけていたある日、ふと見ると書棚に気になる本が。
大森の大型書店のマニアックな売り場に、装丁も新たなエリーの本が1冊だけ置いてありました。
その偶然とも言える出会いで手に入れたのがこの本です。
学者夫婦が自分の娘を丹念に観察記録した書籍ですから、凄い密度で克明に書かれています。
エリーはローナ・ウイングの娘より2才年下。
私たちより1才年下。
恐らく日本で初めて自閉症と紹介された男の子と
同年齢で、今は60才位です。
この本ももしもの為に予備用として2冊常備しています。
私は、今の装丁よりも、昔のカメラマンに興味を持ちながら横目で観察しているエリーと、
エリーをカメラに向かせるのを諦めた母親との写真の方が大好きです。
【自閉症テレビ7】ミニカー並べる自閉症2
ひとりぼっちのエリー [エリー自閉症児の40年]
「ひとりぼっちのエリー」 河出書房新社
-ある自閉症児の記録-
クララ・パーク
THE SIEGE-- The First Eight Years of an Autistic Child
by Clara Claiborne Park
この本は、ローナ・ウイングが「おとなし過ぎる子供の親」へ
勧めている本です。
この表紙の本は初版本で、今では装丁が変わり新しくなっています。
しかし、裏書きには
「自閉症」という言葉は、はやりすぎた。 と書かれているように、
いつの時代も、マスコミに新たな知識としての単語が紹介されると、
実際に自閉症の子供にふれ合った事さえ無い人間が、
知ったかぶりの話をひけらかすのでしょう。
今の、「発達障害」に関わる状況と同じ事が昔も行われて
いた事を感じさせる一文です。
妻が自閉症に興味を持ち始めた頃、日本自閉症協会を初め
ありとあらゆる所を探しましたが、手にする事が出来なかった
書籍です。
時が過ぎ、2010年を過ぎた頃、アマゾンで古本を取り扱う用になり、
偶然手に入れる事が出来ました。
そんな想い出の本です。
【自閉症テレビ25】自閉症サンプル