第2回政治介入が容易に 法の変質表す解散請求 斉藤小百合さんの危機感

有料記事解散命令請求 私の見方

聞き手・本山秀樹
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 文部科学省は13日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令を裁判所に請求した。これまでの解散命令請求とは何が異なるのか。今後にどう影響するのか。憲法学者で恵泉女学園大教授の斉藤小百合さん(59)に聞いた。

 ――解散命令請求をどう評価しますか。

 昨年から危惧していたことが、そのまま現実になった印象です。

 教団と関わり合いがあったとされる政治家側の責任を隠蔽(いんぺい)するための解散命令請求のように見えます。政治家が自分たちの説明責任を果たさず、「これをやったんだから自分たちの痛いところは触れないでくれ」ということなのでしょう。

 宗教法人法は1995年に「オウム真理教のような危険な教団を野放しにしない」という触れ込みで改正され、行政が法人を調査する手段として質問権が導入されました。ただ、行政権限を強くしたことで政治が介入しやすくなったといえます。

95年改正で宗教法人法の性格が根本的に変化

 この時の改正で、宗教法人法…

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    天野千尋
    (映画監督・脚本家)
    2023年10月16日0時15分 投稿
    【視点】

    記事で述べられている「政治家側の責任を隠蔽するための解散命令請求」という側面は当然あるとは思いますが、何より高額献金や霊感商法などの違法行為があり、多数の被害者を出してきた団体です。解散命令請求そのものは妥当性があるように感じられます。

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    塚田穂高
    (文教大学国際学部教授・宗教社会学者)
    2023年10月31日14時52分 投稿
    【解説】

    政治家の責任回避のための解散請求になってはいけないという点、宗教法人審議会のあり方に検証が必要だという点などは賛同できますが、若干違和感がある点もあります。あえて指摘しておくことで、議論の素材となればと思います。 >個別の案件として見

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