好調な阪神打線の死角、「あれで流れが…」岡田監督が使い続けた男は

阪神タイガース日本シリーズ

大坂尚子
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(29日、プロ野球日本シリーズ第2戦 オリックス・バファローズ8―0阪神タイガース)

 この日の阪神はわずか4安打。それでも打線に限れば、明るい材料はある。

 初戦も、この日も、チーム初安打は2番・中野拓夢のバットから生まれた。第1戦で3安打と固め打ちした左打者はこの夜、一回にスローカーブを捉えて中前安打。四回はピッチャー返しの内野安打とした。いずれも1ストライクからの2球目だった。

 クライマックスシリーズ最終ステージは11打数1安打といまいちだった。「自分の思う打撃ができなかった」と反省していた。「2日間、自分のポイントで打てている」と中野。セ・リーグ最多安打のタイトルを獲得した積極性を、日本一がかかる舞台で取り戻した。

 前夜は3四球を選んでつなぎ役に徹した4番・大山悠輔にもシリーズ初安打が出た。この日、四回に左前安打を記録した。

 パ・リーグを3連覇したオリックスの本拠で、初戦は球界のエース山本由伸を打ち込んでの完勝。この日は3年連続2桁勝利の宮城大弥を崩せなかったが、この2試合でレギュラー全員に安打が出た。好投手2人の球に目を慣らすこともできた。

 唯一の懸念は3番・森下翔太か。新人ながら2桁本塁打を放った23歳は、第1戦で九回に安打こそ記録したものの3三振。この第2戦も、一回1死一塁で右飛に倒れるなど4打席凡退と状態は良くなさそう。岡田監督も「結局ずっと森下がキーになってるからな。初回にしてもそうよ。あれで流れが変わってしまうんよな」と振り返った。

 星勘定が五分に戻っただけ。移動日を挟んで本拠・甲子園に戻る。熱狂的なファンの応援やホームの地の利で、森下の状態が上がれば、阪神打線に死角はなくなる。(大坂尚子)

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この記事を書いた人
大坂尚子
スポーツ部|高校野球担当キャップ
専門・関心分野
野球、アメフト、フィギュアスケート