財産流出防ぐ特例法の指定、検討へ 旧統一教会めぐり文科省

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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の財産流出を抑止するために制定された特例法をめぐり、文部科学省は15日、同法の運用基準を決定した。今後、教団の弁明や宗教法人審議会の意見を聞いたうえで、財産処分の監視を強化する対象に教団を指定するか、最終判断する。

 特例法は昨年12月に成立。所轄庁(文科相など)が法令違反を理由に解散命令を請求した場合、被害者が「相当多数」存在するのが見込まれるなどの条件を満たした宗教法人は「指定宗教法人」とされ、不動産の処分時は1カ月前までに所轄庁に通知しなければならなくなった。

 加えて、「財産散逸の恐れがある」との条件も満たした法人は「特別指定宗教法人」とされ、被害者が法人の財産目録などの写しの閲覧を請求できることになった。

 文科省は15日、宗教法人制度に関する有識者会議を開催。特例法の条文の「相当多数」の解釈について、「数十人程度」とする同省作成の運用基準案が了承された。これを受けて同省は、教団を「指定宗教法人」もしくは「特別指定宗教法人」に指定するかどうかの検討に入った。指定が必要と判断した場合、教団の弁明を聞く手続きを経て、宗教法人審議会の意見も聞いたうえで指定を最終決定する。

 教団に関しては同省が昨年10月、解散命令を東京地裁に請求。地裁が双方の意見を聴く審問が今月22日に開かれる。教団側は争う構えで裁判所の判断が確定するまでに年単位の時間がかかるとの見方もあり、「それまでに売却・移転などで教団の財産が減少すれば被害救済が困難になる」との声が出ている。その対策として特例法が与野党の議員立法で成立した。

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