【詳報】ウクライナ侵攻106、2月29日~3月10日(日本時間)

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 ウクライナ東部ドネツク州のフィラシキン知事によると、10日午前、ロシア軍が同州ミルノフラドに地対空ミサイル「S300」を3発発射し、9人が負傷しました。一方、英国防省は同日、ウクライナが前線での要塞(ようさい)の建設をほぼ確実に進めているとする報告書を公表しました。

 また米CNNは9日、バイデン政権が2022年後半、ロシアがウクライナを核兵器で攻撃する可能性に備えて「厳重な備え」をしていたと報道。米国家安全保障会議(NSC)が、ロシアが核兵器を使用した場合の緊急対応計画を策定するため、会議を重ねていたことが明らかになりました。

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

■■■3月10日(日本時間)■■■

19:50(ドネツク12:50)

東部ドネツク州各地にロシア軍攻撃、3人死亡

 ウクライナ東部ドネツク州のフィラシキン知事は10日、ロシア軍の攻撃により州内で3人が死亡したと自身のSNSに投稿した。

 同氏によると、同州ドブロピリアの住宅街に同日午前、ロシア軍の自爆型ドローン無人機)「シャヘド」の攻撃があり、2人が死亡。同州チャシフ・ヤルでもロシア軍の攻撃で1人が死亡したほか、同州ミルノフラドにも地対空ミサイル「S300」による攻撃があり、12人が負傷した。

18:32(モスクワ12:32)

ロシア海軍の総司令官が解任、更迭か定期人事か不明

 複数のロシアメディアは10日、関係者の話として、ロシア海軍のエフメノフ総司令官が解任され、モイセエフ北方艦隊司令官が総司令官代行に就任すると伝えた。ウクライナ侵攻に関連した更迭か定期人事かは明らかにしていない。

 地元メディア「フォンタンカ」によると、海軍は総司令官の交代についてコメントしていないが、海軍の関係者にはすでに知らされているという。エフメノフ氏は2019年から総司令官を務め、侵攻開始後、日米欧などから制裁を受けた。

18:25(ワルシャワ10:25)

ポーランド外相、ローマ教皇の「白旗」発言を批判

 ポーランドのシコルスキ外相は10日、自身のX(旧ツイッター)で、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇に対し、「(ロシア大統領の)プーチンにウクライナから軍を撤退させる勇気を持つよう促してはどうか。そうすれば交渉の必要もなく、ただちに平和が訪れるだろう」と投稿した。

 これは、教皇が降伏を意味する「白旗」という言葉を使ってロシアから侵攻を受けるウクライナに停戦交渉をすべきだとの考えを示したことについての反論。シコルスキ氏は「バランスをとるため」とし、プーチン氏にも勇気を持って撤退するよう教皇が促すべきだと皮肉った。

 バチカンメディアは9日、教皇が応じたスイスのテレビ局のインタビューの内容を、放送に先立って公開。教皇は記者から「ウクライナでは降伏の勇気、白旗を求める人たちがいる。しかし、それは強い側を正当化することになると言う人もいる」との質問を受け、「最も強いのは、状況を見て、国民のことを考え、白旗をあげる勇気を持って交渉する人だと思う」と述べたという。

 バチカンの報道官は報道後、インタビューの「白旗」という言葉は「敵対行為の停止、交渉の勇気によって達成される停戦を指している」とし、教皇はウクライナの降伏でなく停戦と交渉再開を求めていると強調した。

18:05(ロンドン9:05)

ウクライナ、前線で要塞の建設進める 英国防省公表

 英国防省は10日、ウクライナが前線での要塞(ようさい)の建設をほぼ確実に進めているとする報告書を公表した。防衛能力の強化には、竜の歯(戦車などの前進を阻止する障害物)や塹壕(ざんごう)、地雷原などの設置も含まれるという。同省はこうした障害物の建設により、ロシア軍の前進には「大きな損失を伴う可能性が高い」と分析している。

17:02(キーウ10:02)

東部ドネツク州にロシアミサイル攻撃 9人負傷

 ウクライナ東部ドネツク州の…

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