学校健診、一時でも上半身裸は必要? 文科省が出した通知の解釈に差

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才本淳子
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 学校の健康診断で上半身裸になる必要があるかどうか、自治体によって対応が分かれている。児童生徒の心情に配慮を求めた文部科学省が1月に出した通知を受けて、京都市教委は新年度から「原則着衣」で実施する。これまでは原則、上半身裸で行うとしていた。一方、文科省の通知の解釈には差があり、一部の診察では、引き続き上半身脱衣は必要と考える自治体もある。

学校健診についての文科省通知の解釈の仕方が自治体で分かれています。ある小児科医は「脱衣、着衣に始終することなく、今の健康診断の科学的な有効性について議論が必要」と指摘します。

 学校の健康診断では順番を待つ待機時間や身体測定、視力検査などは体操服などの着衣が一般的だ。ただ、心雑音を調べる聴診や、胸部の疾病の有無、背骨が曲がる「脊柱側弯(せきちゅうそくわん)症」などをみる視診では、着衣か脱衣かの対応が学校や地域によって異なっている。

 文科省は1月、子どものプライバシーや心情に配慮することが重要だとして全国の教育委員会に通知を出した。正確な検査・診察に支障のない範囲で「原則着衣」とする内容だ。

京都市は「原則脱衣」から「原則着衣」へ変更

 京都市教委は通知を受けて、市学校医会と対応を協議。これまでの方針を変更し、「原則着衣」と決めた。市教委から各学校に出した通知では、「原則、体操服や下着等の着衣、またはタオル等により身体を覆い実施してください」とした。工夫例として、胸部を隠した状態で聴診するなどのイラストも添えた。

 ただ、必要に応じて医師が体操服やタオルをめくって視触診する場合もあるとし、児童生徒や保護者に対しての事前説明も求めた。市教委は「これまでもプライバシー保護には取り組んできたが、学校によって対応にばらつきもあったため、診断時の服装などの考えを整理した」としている。

通知後も一時脱衣が必要と考える自治体も

 一方、文科省の通知後も脱衣…

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