新型コロナ「普通の風邪とは違う」 感染症疫学の専門家が鳴らす警鐘

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林義則
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 新型コロナが感染症法の5類になって1年。感染対策が個人の判断に委ねられ、夏と冬に流行の「波」が訪れたが、全国的に医療体制が逼迫(ひっぱく)するような事態にはならなかった。しかし、感染症の専門家は「普通の風邪とは違う」と今後の感染動向に警戒を呼びかけている。

 2023年夏に感染が拡大した新型コロナの「第9波」では、1週間の定点医療機関あたりの新規感染数が、8月末に最多の20.5人になった。23~24年の冬に訪れた「第10波」では最も多い1月末に16.1人となったが、その1年前の「第8波」のピーク30.3人(感染者情報把握システムのデータを集計)より少なかった。

 国立感染症研究所感染症疫学センターの鈴木基センター長は、5類移行後の感染動向について「22年に比べると新規感染数の波は高くなっていない」とする。症状が出ても積極的に受診しない、医療機関も積極的に検査しないなどといった、5類移行後の患者や医療者側の行動の変化も一因になっている可能性もある、と指摘する。

感染歴を示す抗体保有割合

 ただ、献血した人の抗体調査…

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