男性同士で受精卵つくれる? 理論上可能でも、生命倫理の議論は途上

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野口憲太
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 自分の体の細胞から卵子や精子を自在につくり出せる――。そんな世界さえ現実になるかもしれない。京都大の斎藤通紀教授のグループが、iPS細胞から卵子、精子の前段階となる細胞の大量培養に成功し、20日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表される。卵子、精子をつくれる段階になるまでに課題はあるが、規制の議論は遅れている。

 将来、iPS細胞などからヒトの卵子や精子がつくれるようになったとしても、生殖に使うかどうかは様々な観点で議論が必要だ。

 研究者らでつくる国際幹細胞学会(ISSCR)の指針は、安全性を理由に、iPSなどでつくった卵子や精子を、生殖に使うことは容認していない。

 iPS細胞の材料になる、皮…

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    佐倉統
    (東京大学大学院教授=科学技術社会論)
    2024年5月21日14時26分 投稿
    【視点】

    当然、科学技術で「できること」と「やっていいこと」は、違う。何が「やっていいこと」かは、社会で広く議論を積み重ねて将来を見据えた合意を形成するべきだし、神里氏が指摘しているように、そのような議論の場を恒久的に設ける必要がある。なにが「やって

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