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全国158の観測地点で「幻の最高気温」 大阪で初の40度超も

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山本孝興 石井奏人 大山稜
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 気象庁が設置する全国の観測地点のうち、2割近い、少なくとも158カ所で、実際に観測しつつも公式記録に採用されない「幻の最高気温」が存在することが朝日新聞のデータ分析で分かった。機器の性能アップによる公表方法の変更が影響し、最大で「公式記録」を1・3度上回った地点や、大阪府で初の40度超の地点も見つかった。

 全国の気温は、地方気象台など155カ所の有人の観測所のほか、760カ所の地域気象観測システムアメダス」で観測している。隠れた最高気温が存在するのはアメダスでの観測だ。

記事後半では、独自分析で見つかった158観測地点の「幻の最高気温」の一覧を公開しています。

 現在のアメダスは、10秒ごとの観測値の「最大値」を最高気温として記録しているが、機器の技術的な問題から、2008年ごろまでは10分ごと、2002年以前は1時間ごとの観測値を公式記録としていた。しかし、1994~2002年は10分ごとのデータも「参考記録」として観測していたため、「参考記録」が公式の最高気温を上回った場合、「幻の最高気温」が生まれる。

 例えば、大阪府枚方市の観測地点における公式の最高気温は昨年7月27日の39・8度で、大阪府全体でも40度を超えた地点はない。しかし、同地点の過去の10分ごとの気温をさかのぼると、1994年8月8日午後3時10分に40・3度を観測していた。

数億件の非公式データを独自分析

 朝日新聞でAIの活用などに…

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この記事を書いた人
大山稜
東京社会部|気象庁担当
専門・関心分野
気象、防災行政、労働