ファッションの「五輪」手仕事で 24年秋冬パリ・オートクチュール

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松沢奈々子
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 世界でも一握りの富裕層に向けた高級注文服を発表する2024年秋冬パリ・オートクチュールウィークが、6月24日から27日にかけて開かれた。ブランドが積み上げてきた技術を結集させ、機械では生まれない手仕事の美を披露。まもなく始まるパリ五輪にちなんだスタイルも目立った。

 「クチュールはファッションのオリンピックだ」。トム・ブラウンのコレクションノートには、こうつづられていた。昨夏に続き、2度目となる今季は、五輪にちなんだ物語を展開した。水着やフランス国旗のトリコロール、金銀銅のメダルを想起させる色使いが目を引く。ベースは仮縫い用に使われるモスリン生地やキャンバス地。仕上げを切りっぱなしにするなど未完成のような状態に、職人たちがスパンコールやビジューのししゅうで競技選手の動きを描いた。完璧主義で知られるデザイナーのトム・ブラウンだが、制作過程のなかにクチュールがもつ手仕事の美しさを見いだしたことが伝わる。それは、4年に一度の大会に向けて、日々努力する選手への賛辞とも重なってみえた。

 ディオールも、スポーツと女…

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