島サミットで関係強化図る日本 太平洋で影響力増す中国に危機感

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松山紫乃 井上亮=北京 編集委員・奥寺淳
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 インド太平洋地域において東南アジアとともに米中対立の最前線となっている南太平洋地域。島嶼(とうしょ)国首脳が一堂に会した「太平洋・島サミット」は、中国の影響力が増す島嶼国を何とか日米陣営に引き入れようとする日本側の思惑があった。

中国に危機感強める日米

 「(日本と島嶼国は)力による一方的な現状変更の試みへの反対といった価値・原則を共有している」。岸田文雄首相は会合後の共同記者発表でこう強調し、南太平洋地域で影響力を強める中国を牽制(けんせい)した。今回の首脳宣言に初めて盛り込まれた「現状変更の試みへの反対」も日本側の意向が強く働いたものだ。

 1997年から島サミットを開催してきた日本は、途上国援助(ODA)を使って歴史的にも関係の深い同地域の発展に貢献してきたという自負がある。しかし、近年の中国の島嶼国への影響力の急拡大を前に、日本は同盟国・米国とともに危機感を強める。

 背景には地政学的理由がある…

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この記事を書いた人
松山紫乃
政治部|外務省担当
専門・関心分野
外交、国内政治、ジェンダー、若者
奥寺淳
編集委員|米中・国際関係担当
専門・関心分野
米中、日中、国際関係