阪神が今シーズン12度目の完封負けを喫した。「0対1」は4試合目。甲子園の対広島は5連敗だ。
吉田 ちょっと寂しい試合でした。こちらも多少緊張してみていたが、初回のチャンスをモノにできず、7回は大きなチャンスを生かすことができない。またミスが相手の得点になる悪循環でした。それにこれだけホームランが出ないのも珍しい。
1回は近本が右前打、中野のバント安打で無死一、二塁の好機に、1軍再昇格の3番森下が初球を右飛に倒れ、後続を断たれた。
吉田 森下のフルスイングが魅力的なのは認めます。でも「3番」ですからね。なんでもかんでも、走者がいても、いなくても、どんな場面でもフルスイングと、本人が思っているなら間違いですわ。そこは走者を進めるとかね、3番の役割いうものがあるんですよ。そこの状況判断を分かってこないと進歩しませんわ。一皮むけてほしいね。それに5回になんでもないように見えた坂本のバント処理のミスが失点につながったのも残念でした。
7回。佐藤輝、大山の連打、続く野口の詰まった中飛が、広島秋山の前に落ちるポテン打になった。無死満塁の絶好機に、坂本が遊ゴロ併殺、木浪が中飛に終わった。
吉田 7回は1点リードされている展開なので、野口に期待しているのは分かりますけど、バントで送って坂本に代打ではなかったか。結局、野口の打球をセンター秋山が目測を誤って満塁になった。捕手が梅野と2人だったし、坂本が2回にヒットを打っていたこともあるでしょうが、あそこは勝負どころなので一気に攻めてほしかったですね。それにずっと見てますが、広島矢野がショートとしてうまくなっているのが目についた。
これで阪神は12試合ノーアーチが続いている。これでオールスターの折り返しまで2試合になった。
吉田 セ・リーグはどのチームも決め手がない。阪神には連覇という大きなテーマがあるし、チャンスです。残り2試合は踏ん張りどころですわ。
【取材・構成=寺尾博和】