広島床田寛樹投手(29)が、リーグ1位となる9勝でチームを今月8日以来の首位に押し上げた。7回を投げ、4者連続を含む6奪三振無失点。7安打を浴びるも決勝打は許さず。無四死球の好投で最少リードを守り、結果、内容ともにハーラートップにふさわしい勝ち星を挙げた。

圧巻は7回だ。佐藤輝、大山に連打され、打ち取ったかに見えた野口の打球も中前に落ちた。一塁走者・大山の二塁進塁へのリプレー検証も、セーフの判定は覆らず。無死満塁の大ピンチで、力を振り絞った。

坂本は遊-捕-一の併殺。続く木浪への4球目に今季最速タイの151キロ直球を投げ込んでファウルを打たせ、6球目の勝負球は116キロのパームを選択。中飛に打ち取った。「(力を)振り絞るぐらいじゃないと抑えられないと思っていたので、踏ん張り切れたのはよかったかなと思います」と言う左腕を、新井監督は「ゲーム中はいろんなことが起こる。踏ん張ってゼロで帰ってきてくれたので、トコが救ったよね」とねぎらった。

昨年2勝9敗1分けと苦しんだ甲子園で、チームは5連勝。「僕はイメージそんな悪くないんですけど、でもCSで負けて」と6回3失点で敗戦投手になった昨年10月20日のファイナルステージを忘れてはいない。苦い記憶も力に変え、勝ち星を重ねていく。【堀まどか】

▼シャイナー(5回無死満塁での遊ゴロで2試合連続決勝点)「打点を挙げるためにチームが必要としてくれていると思っているので、2試合連続でこういう形になってよかった。打点が取れれば、ホームランでもゴロでもいい」

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