2010年09月

2010年09月26日

WBAスーパーフェザー級 プーンサワットVS李 展望

秋の世界戦ラッシュ第三段である。
予想は、

プーンサワット大差判定勝ち

である。
実力差が大きいカードだ。
パワー、スピード、テクニック、スタミナ、タフネス・・・・すべての面で王者が上回っている。
ほぼ勝ち目はない。
ただボクシングは身体能力、表面上の技術がすべてではない。
李はこれといった武器はない。
ただこれは表面的なものだ。
李の最大の武器は、

優れたポジショニング感

である。
個人的にはボクシングに限らず格闘技の極意は「ポジショニング」(あるいは「距離」)にあると考えている。
つまり「どこにいるか」である。
ボクシングで言えば、打たれない場所に立つ、自分が打てる場所に立つ、ということだ。
どんな強打も当てなければ意味ない。
どんな強打も当てられなかったらなんでもない。
要するにどこに位置取りするかなのだ。
パッキャオを見ればわかる。
野性動物の防衛本能みたいになぜか打たれない場所に位置し、逆に自分のパンチは当たるところにいるのだ。
李にはそこまでの感性はなくとも、間合いの感覚は鋭敏な方である。
一縷の望みがあるとしたらこの部分だ。
しかしそんな甘いものではないだろう。
王者は異様に頑丈な肉体を持つだけでなく、パワーファイトもヒット&アウェーもこなし、試合展開の読みも一流である。
子供のころからムエタイ、ボクシングの世界で20年近くキャリアがあるであろう王者もまた優れたポジショニング感の持ち主であろう。
でないと今頃打たれ過ぎて廃人になっているはず。

やはりしんどいか。

試合展開は序盤から王者がプレスをかけて一方的になるのでは。
李はアウトボクシングに徹することを公言しているし、それしか道はないし、最後まである意味逃げてKOは免れるという展開になるのではないか。
素人ファンは「玉砕覚悟で・・・」とか批判するかもしれないが、打ち合う方がアホだ。
出来もしないことをやっても勝てる訳ない。
李としてはとにかく1R、1R集中して、自分のボクシングに徹するしかない。
それで負けたら仕方がない。

絶対不利は否めないが、頑張って欲しい。

WBAフライ級大毅Vs坂田観戦記〜大毅の左ジャブが良かった〜

予想に反して大毅が防衛。
公式採点は意外な大差で大毅だった。
118-110って一体どんな基準で見ているのかな。

私の採点は114-114のドロー。

ただ今回の試合の坂田は一言で言って「空回り」であった。
前半は坂田式チョコマカ手打ちボクシングがペースを握っていた。
しかし今ひとつクリーンヒットがない。
大毅の防御力と言うよりも、坂田の技術的精度が落ちたのではないか。
何かもうひとつしっくりいっていなかった。
全体的にすこしずつ衰えているという印象であった。
展望では大毅は坂田のハイテンポに飲み込まれ、中盤から焦り出し、最後はスタミナでも負けて一方的に判定負けという予想をしたが、後半良くなったのは大毅の方だった。
9Rから12Rまではすべて大毅だったのでは。
後半坂田は攻めるも相変わらず空回り。
逆に大毅はパンチの精度が増し、手数では劣っても、ビッグヒットでは勝さっていた。
展望では大毅のボクシングはフワフワして上滑りと書いたが、今回はだいぶ矯正されていた。
しかしパンチに以前ほど体重が乗っていないというのは変わらない。
それでも腕っ節で坂田を凌駕していたという格好だ。
左フックだけでなく、右の精度も随分高まったのでは。
あと意外と良かったのが左ジャブ。
ジャブの刺し合いでは明らかに勝っていた。
実はこれがキーだったりして。
若いだけに進化しているわけだ。
後半は坂田の打ち終わりによくヒットを奪っていた。
終わった瞬間、私の採点ではドローであったが、少なくとも坂田の勝ちじゃないという印象だった。
手数か強打かという議論はあろうが、坂田のパンチは案外クリーンヒットは少ない。
”有効なクリーンヒット”という観点では大毅だったのでは。
ということで公式採点はともかく勝敗自体は目くじらを立てるようなものではないと思う。

坂田は書いたように全般的に衰えている。
今後は厳しいと思う。
大毅も進化はしているが、まだ課題は多い。
右には進化が見られるが、コンビネーションがない。
左フックだけでなく左ジャブも良いのだからこれを磨きたい。
呼びこんで打ち終わりに左フックも良いが、もっとジャブをビシビシついても良いのでは。
今日のようなボクシングではアウトボクサーのヒット&アウェーにやられると思う。

それにしても世界戦としては低調であった。
どっちが勝っても「さすが世界王者」という感じではなかった。
ここに清水とか久高とかが絡むわけか。
本当に世界かという気になってしまうが。
まぁこれも団体分裂、暫定王座乱立、王者のレベルの二極化という今日の背景を考えれば仕方ないか。
勝った大毅も益々奮起を望みたい。

親父は大丈夫だったのかな。



2010年09月22日

WBAフライ級、大毅VS坂田展望

いよいよである。
勝敗予想では大毅優位という。
私の予想は、

坂田の大差判定勝ち

である。
以下見て行く。

まずは戦力について。
前にも何度か書いたが、私は大毅の潜在能力を結構買っている。
問題の内藤戦の時には、大毅の蛮行をとがめながらもポテンシャルを見なおした旨書かせてもらった。
強靭な足腰、頑丈な肉体、豊富なスタミナ、強固なガード、図太さ・・・
番狂わせとか起こすタイプである。
チキンな一面のある興毅より怖いと思う。
最近はフットワークを使ったり、リラックスした体の使い方もするようになった。
幅が広がったという見方もある。
しかし私は違った見方をしている。
上手くはなったが、弱くなったと。
最近の大毅はかつての凄みを失ったと思う。
フットワークも使えるようにするため、腰高になった。
そのためパンチに体重が乗っておらず、手打ちになっている。
しかも打った後体が流れるようになった。
内藤とやった頃は、ぐっと腰を落とし、体重の乗った左フックの上下を打っていた。
今はそれがない。
全体的にフワフワしたボクシングになっている。
直近の試合を見ればわかる。
出てこない相手を追えない。
腰高でフワフワしているからダッシュできないのだ。
パンチも上滑りで正確性に欠く。
変な話、王者になる前の方が強かったと思う。
本番は多少足は使いつつも、基本的には以前通りやって欲しいのだが。
坂田は相変わらずだと思う。
チョコマカ手打ちボクシングだ。
よくもまぁフルラウンドイーブンペースでやれると思う。
打たれてどうかという話もあるが”その気になった時”のデンカオセーンのパンチを受けたら誰でも倒れる。
山口の時だって山口の一世一代の右だったから倒れた。
見えてなかったら軽打を受けても倒れる。
坂田はモロくない。
また王座転落後はゆるいペースでゆるい相手としかやっていないので、良い休養になって、コンディションは良いのではないか。
スロースターターとも言われるが、変なタイミングの持ち主を相手にしなければ、そう立ちあがりも悪くないと思う。

さて試合展開の予想に入る。
大毅はまず様子見でフットワークを使いながら距離を取ると見る。
坂田はチョコマカ打って出る。
大毅はグーッと押しこんだり、足を使ったり緩急をつけてこよう。
ただ坂田には通用しないと思う。
大毅は押しこむにしても腰高のため以前のような踏ん張りはない。
前半から坂田ペースになると見る。
大毅のパンチは上滑りして空回り。
坂田がチョコマカチョコマカ忙しく打ちまくる。
中盤、このままではいかんと思った大毅はガンガン体で押しこんでくる。
坂田も負けじと押し合いへしあいとなり、グシャグシャ感のある試合になってくる。
そして終盤スタミナに勝る坂田が打ちまくり、大毅はクリンチでしのぎゴングという展開ではないか。
結果大差判定で坂田・・・という感じ。
それは狙い目の王者誕生ともなる。
場合によっては興毅は再度フライ級に戻して挑戦なんてことになるのでは。

大毅としては序盤から腰を落としてガンガン行って欲しいし、それしか勝ち目はないと思う。
序盤打ち合いに持ち込み、打ち勝ったら、大毅にも勝機は出てくる。
坂田の場合は大毅がどう出てきても対応できよう。
ガンガンくれば序盤はむやみに打ち合わず出入りを激しくすれば良いし、出てこなければ、入って行ってチョコマカ打っていけばよい。
ただ体の振りは忘れないようにしたい。
こうして見てくると坂田の方が引出しが多く、適応力があると見える。
どうしても坂田の方が上に見える。

さて本番まじか。
どうなることか。
あと親父は何かやらないかという楽しみもある。

世界ダブルタイトル観戦記

内山は圧巻のKO防衛、河野は予想外の惨敗であった。
以下感想を述べる。

内山VSムクリス。
実力差があった。
ムクリスはパワー、スピード、テクニックともそれ相応のレベルではあった。
しかしすべての面において内山が数段上であった。
予想通り、1Rのジャブの刺し合いからして、差が出た。
また内山の重い右の上下に対応できておらず、早期決着の予感。
2R以降もいっしょ。
ムクリスのパンチはほとんど当たらない。
そして5RあっさりKO。
ほぼ予想通りの結果となった。
展望でも書いた通りムクリスは突出したものはなく、すべての面で役不足。
身体能力も東洋人らしいものであった。
内山にしてみれば簡単な仕事であった。
内山のボクシングはテンポは決して速くないし、結構パンチも大きい。
ただ良く見るとなかなか味わい深い。
大きな右を当てるまでの撒き餌がすばらしい。
ジャブは見たところ3種類くらい使っていた。
ひとつは脱力してかつ拳も握りこまず、はじくもの。
はじくのは顔面に限らずグローブをはたいたりする。
フェイクだ。
もうひとつはいわゆる普通のジャブ。
三つ目は打った後腕を戻さず、押すようなもの。
バランスを崩すためだろう。
腕力のある内山だからできる技だ。
いつぞや雑誌でジャブだけで7種あると言っていた。
狙う場所とかも考慮したらそのぐらい使うのだろう。
こうした作りがあってはじめて右のズドンが生きる。
しかもその右が上だったり下だったり、フェイント交えながら飛んでくる。
一見シンプルだが奥の深いボクシングだ。
ムクリスもレベルの違いを感じていたであろう。
それにしても内山は強運だ。
うまいこと手頃な相手ばかりである。
リナレスとやって欲しいが、やはりソリスとの統一戦が筋か。
嶋田とかでは困る。
次戦が楽しみだ。

河野VSロハス。
ダイジェストだったので採点はしていないが、まさしく完敗である。
最終ラウンドダウンを奪ったが、とてもとどめはさせないと感じていた。
理由は後述。
試合展開は予想通りアッパーに翻弄された。
後半河野が距離をつかむと期待していたが、後半の方がボディを打たれて効いていた。
ロハスはアッパーに加え、フットワークが冴えわたっていた。
河野を起点に右に左にクルクル良く回ること。
頭を持っていく位置取りも巧みで河野にパンチを出す距離を与えなかった。
パンチ自体は大きく、緩慢ではあるが、位置取りの妙で色々な角度から曲線系のパンチが放たれるため、ブロックだけでは防げない。
河野は動きが直線的でかつ頭の振りが乏しいため、多彩なパンチに対応できていなかった。
最終ラウンドのダウンの後もロハスはやや効いていたが緩慢でも円運動を止めなかったので追い切れなかった。
というよりロハスのダウンもバリバリに効いたダウンでなかったので、多分追い切れないなと思って見ていた。
そして残念ながらタイムアップ。
完敗であった。
河野のフィジカル、根性は賞賛ものだが、いかんせん技術が・・・・
動きは直線的、防御はガードのみ、パンチは上のみ・・・世界のそれじゃない。
負けるべくして負けたと思う。
しかし本当に惜しいチャンスだった。
ロハスは上手いが、一級品の上手さじゃない。
世界のベルトを争う相手としては恵まれている方だ。
名城の時も大チャンスだったが、今回も逃した。
運は一流でも実力が足りなかったということか。
河野の試合後の談話で「レベルが違った」というようなことを言っていたようだが、この相手にそう感じるようでは今後もちょっとしんどいか。

上記のように敗者に対してはちょっと辛口になってしまった。
ムクリスは自国内ではホープとしてスタッフあげて世界へのプロジェクトを組んで大事に大事に育てられたのだと思う。
また恵まれない幼少時代を送ったとも聞く。
試合前にはマネージャーを亡くした。
このような背景のもと、本人もセコンドも意気込みは並々ならぬものがあったと思う。
しかし現実は厳しかった。
顎の骨折の疑いもあると言う。
としたら再起にも1年くらいかかるだろう。
負け方もレベル差を見せつけられたものであり、精神面のダメージも計り知れない。
みんなで一生懸命積み上げてきた結果、バッサリ・・・だ。
あまりに残酷な世界だ。
内山がムクリスを気遣うような発言をし、周りは武士道とか言っているが、ムクリスにはどう感じるか。
逆に惨めな気持ちになってやしないか。
負けた相手に悪態つくのもいかがなものかというのもあるが、妙な配慮も良くないと思う。
むしろ相手に対しては何も言わず、「みなさん応援ありがとう」ぐらいで良かったのではないか。
河野は努力に努力を重ねてここまで来た。
今回もやれることはすべてやったと思う。
しかし結果はあれだ。
試合途中も何ラウンド目か、終了時、首をかしげていた。
途中でちょっと気持ちが折れていたのではないか。
根性折れでなく、あまりに自分のふがいなさに悲しくなったとか・・・
目いっぱい練習しても、大敗には違いない。
努力は報われるとは限らない・・・・
ボクシングは、勝負の世界は、あまりにも残酷だ。
両者が今後再起するのかどうかはわからないが、どのような道に進むにしても幸運を祈りたい。
ムクリス選手、河野選手、本当にお疲れ様でした。

PS
福原の惨敗もショック。
フィリピンの選手はビンビン・ルフィーノとかみたいに思いっきり振ってくる奴が多い。
東洋圏でも比較的体が柔らかい選手が多い。
今回のタナダもそれ。
キャリアに乏しく組み易しと見えたかも知れないが、あの若さでは日に日に進歩している可能性がある。
試合が決まった時点よりもグッとレベルアップしていることもある。
ある意味福原はついていなかった。


2010年09月20日

世界ダブルタイトル展望

20日のダブルタイトルの展望を書く。
ムクリスもロハスも少しの動画しか見つけられなかったので、両選手について今ひとつ詳しく分析できなかった。
以下簡単に記す。

内山VSムクリス。
ムクリスはアップライトに構え、非常に綺麗なボクシングをする。
国内で大事に大事に育てられたという感じの選手だ。
パワー、スピード、テクニックと三拍子そろっていると言えばそろっているが、そのどれも決して超一流ではない。
技術的にはストレート系だけで、上しか打たない。
ディフェンスも上体を柔らかく使ったスウェーやダックは使わない。
なんとなく全体的にぎこちない印象だ。
まさに東洋の選手と言った感じだ。
体も堅そうで、中南米人のようにグーンと伸びるパンチはなさそうだ。
手頃な相手だな。
内山は元々強靭な肉体の持ち主だが、専門のトレーナーのもと一層フィジカルを強化しているようだ。
重厚なボクシングに益々磨きがかかっていることだろう。
内山はこの世界で重要な「運」も持ち合わせている。
世界戦はもとよりキャリアを積む仮定でもだ。
世界ランカーと戦ったときも、弱くはないがどことなくポンコツ感のある選手でかつ噛み合う相手だった。
スタッフがよく見つけたという話もあるが、そういう選手がちょうどいたということだろう。
何もかもがうまく「レールに乗っている」感じだ。
前回に続き今回も「うまく流れているな」というところだ。

予想は、内山の5RKOだ。

序盤から呑んでかかったように重厚なプレスをかけよう。
ムクリスの単調なボクシングでは防げない。
ジャブの刺し合いからして優位に立とう。
そして重い右を上下に散らし、ワンサイドになるであろう。
内山強し!という印象しか残らない試合となろう。

河野VSロハス。
河野もなかなかの強運の持ち主だ。
無論ワタナベジムの努力もある。
前回の名城戦もチャンスだったが、今回も大チャンスである。
こういう巡り合わせは大切にしたい。
河野も良いフィジカルトレーニングを積んでいるようで、あの泥臭いファイトにさらに磨きがかかっているであろう。
ただロハスは評価の高い選手だし、実際良い選手だ。
しかし本当に強い相手には歯も立たず完敗している。
要するに一応強いのだが、そこそこレベルの選手ということだ。
ただ長身のサウスポーでアッパーが良いというのが気になる。
河野のスタイルはアッパーをもらいやすい。
名城にもアッパーでやられた。
今回のロハスは中南米人独特の関節の可動範囲の広さくるタイミングのずれたアッパーを持っている。
しかもサウスポーだ。
角度、タイミングの点で今までにないものを感じるのではないか。
さて試合はどうなるか。
序盤から河野の出鼻にバチバチアッパーが決まると思う。
河野はなかなか入れないのでは。
中盤まではワンサイドであろう。
後半は河野が驚異的スタミナで追いあげるであろう。
ただいつものようにドーン!グシャグシャッという感じになり効果的なパンチは当てられまい。

予想は少差判定でロハスと見た。

河野としてはとにかく頭を振りながら接近戦に持ち込む努力をすることだろう。
私は河野が懐に入るのに6R要すると見ているが、うまく2,3Rから懐に入ることに成功したら根性勝ちできると思う。
奮起を期待したい。

このほかにも三垣VS金井、福原VSタナダとOPBFタイトルをそろえる豪華な興行だ。
2年ほどだがかつてワタナベジムで修行したことのあるので、ワタナベプロモーションの隆盛振りは嬉しいものだ。

2010年09月12日

変だぞ!!WBA!!今更だけど・・・

石田の暫定王座防衛戦の認可が下りなかったらしい。
コットがなぜかスーパー王者になり(変だなぁ・・・・)、正規王座を改めて決めるという。
石田はその決定戦に出場する。
コットのスーパー王者昇格(?)も不可解だが、こういう場合暫定王者が正規王者に昇格というのが筋である。
なぜ改めて決定戦なのか。
暫定王座の意味ってなにか。
石田も本来なら怒って試合をボイコットしても良いくらいの事態だ。
しかし石田も世界王者になりたくてなりたくて仕方ないのだからそうもいくまい。
こういう時はJBCが断固抗議すべきである。
しかしJBCもWBAの意向を尊重する方針という。
JBCっていうのも・・・
まぁここは興行の世界である。
石田じゃ正規王者にしてもカネを生むファイトをできない、というのがWBAというか興行側の判断なのだろう。
かわいそうだなぁ、石田・・・・
石田には何の罪もない。
それにしても試合はいつになるのか。
9月の試合を信じて、米国まで行って調整しているというのに。
もう石田としてはとにかく決まった試合にしっかり勝つしかない。
くさるな石田!
頑張れ石田!
もうWBA、WBCしか認めないというのはやめにしても良いのでは。
IBFもWBOも認める、その代わりJBC(最近頼りないが)が、しっかり王座としてふさわしいか審査した上で王者挑戦を認めるといった格好はどうであろうか。

我が心の名勝負(ボクシング編)〜杉田竜平VS舘岡恭〜

1997年2月のスーパーフェザー全日本新人王決勝である(当時の呼称はジュニアライト)。
当時は東日本の新人王戦は12月、全日本は翌年2月に行われていた。
たしか全日本は東京、西日本(大阪あるいは名古屋)で隔年開催だったと思う。
当時私は仕事場が東京だったこともあり、東日本も全日本も基本生観戦していた。
何度も新人王戦は見てきたが、この試合は鮮烈に記憶に残っている。

杉田は当時は無名であったが、デビュー以来無敗でかつKOも多く、西のMVPであった。
東の舘岡もたしか全勝だったと記憶している。
東の決勝での舘岡のデキは素晴らしく、たしかMVPだったんじゃないか。
舘岡はジャブの切れがすばらしく、場内のあちこちからどよめきが起こるほどであった。

さて試合の方だが、フルラウンド打ち合うすさまじいものとなった。
ただ血みどろの殴り合いではなく、お互い技術がしっかりしているためこれは効いたというヒットはなかったが、非常に見ごたえのある攻防が展開された。
杉田が頭を振りながら懐に入り、ボディから顔面へのフックのコンビを見せたかと思うと、舘岡もシャープなジャブで突き放し、機を見て上下のコンビ(これがまたシャープ)を放つ。
お互いしっかりした構えでかつよく頭を振っていることもあり、強いヒットは奪えない。
拮抗した展開が続く。
ほぼ全ラウンド10−10という感じのジャッジ泣かせの試合だ。
5Rの終盤が凄かった。
差のないことを意識している舘岡がバババーと左右連打で突如襲いかかる。
印象点をなんとしてもとりたかったのだろう。
これに対して杉田も同じように左右のパンチをフル回転で迎え撃つ。
地鳴りのような大歓声がホールを揺るがすなかゴング。
難しい試合だ。
そして最終6Rは激烈を極めた。
両者ゴングと同時に猛ラッシュ。
正確さは欠いており、両者クリーンヒットは奪えないが、よくもあれだけ手が出るなというぐらいのラリーが通続き、試合終了。
当然ホールは大きな拍手に包まれた。
固唾をのんで判定を待つ両陣営と観客。
いやぁいい試合だった。
結果はドロー。
ただ勝者扱いは杉田ということで、見事全日本新人王に輝いた。
杉田は全日本でもMVP、敗者扱いの舘岡も敢闘賞か何かとっていたと記憶している。
三賞のうち二つを両者で獲った格好だ。
それも納得の内容であった。

一般的に新人王決勝は名勝負を生んだり、後のスター選手のその片鱗を見れるすばらしい機会である。
東京在住のボクシングフリークであれば見に行かれたい。
上記の試合はそんな新人王決勝のなかでも忘れられない好勝負であった。

この試合の後、期待していた舘岡は数試合やって(負けもあった)、フェードアウト。
弟も好ボクサーでそこそこやっていたと思うがほどなくフェードアウト。
一方の杉田は後に世界挑戦するほどまでの選手となった。

2010年09月05日

今週の徒然

湯場の敗戦は残念。
佐々木基樹が湯場の致命的弱点をチャーリーは意識的か無意識か不明だが1Rからついていたと意味深なコメント。
ボディだろうか。
昔から湯場は勝つ時は前半でバッサリだが、後半競ってくるとどうも・・という感じがした。
身体能力は優れているも、技術的にやや甘いか、それとも寄る年なみか。
再起するというが頑張って欲しい。
最近のチャーリーは見ていなかったが、技術的に随分進歩したようだ。

BJペンの完敗もショック。
湯場、ペンの試合ともに予想はおおはずれ。
もっと勉強しよう。

K-1は韓国でMAXとヘビーの開幕戦を二日連続で行うという。
国内では開催できない状態か。
MAXは10月に開幕、その一ヶ月後には決勝トーナメントと非常にハードスケジュール。
選手も大変である。

和毅の判定覆りが話題になっていたが、諸氏の意見を総合すると和毅の勝ちは妥当な内容だったという。
和毅は結構ハードなマッチメイク路線か。
ならば日本タイトル挑戦に名乗りを上げてはどうか。

パッキャオVSマルガリートが決定という。
最近のマルガリートはどうなのか。
メイウェザー戦はまだか、という気持ちの方が強い。

9月はボクシングの世界戦ラッシュだ。
益々熱い月となりそうだ。

UFC118観戦記

エドガー、ペンのリマッチ、ボクシング三階級王者ジェームス・トニーのデビューが目玉。

エドガーVSペン。
ペンのKOによる王座奪還を予想していたが、おおはずれ。
エドガーの圧勝であった。
1Rからエドガーは忙しくフットワークを使って、細かいパンチを放ちつつ、隙あらばタックルと非常にテンポの速いゲームメイク。
フェイントも巧みだ。
2Rはペンもパンチの距離がつかめたか、逆に要所にパンチを決める。
エドガーは手を出すもヒットしない。
オフィシャルスコアは2Rもエドガーだったが、ペンの方がよく見えた。
3Rからなぜかペンは急失速。
動きが鈍くなり、追えない。
エドガーの動きは快調そのもので、益々テンポアップ。
グランドになっても速い動きで上を取り、パウンド。
立たれたらすかさずヒットアンドアウェーとつけ入る隙を見せない。
4,5Rも同様の展開で大勝。
エドガーは技術的にはコンパクトなパンチ・キック、速いタックル、タックルと打撃を上手く相互にフェイントにしているところがすばらしい。
出入りが速いので、パンチをもらわない。
あとあのスタミナは脅威。
5分、5R、途切れることなく常にチョコマカチョマカだ。
この選手に勝つにはタックルさせてでもグランドに持ち込み、寝技勝負のできるようなタイプでないと難しいか。
それにしてもペンの3Rからの失速は謎。
特に良いパンチをもらったわけでもないし。
コンディンション調整の失敗か。

クートゥアVSトニー。
開始後、あっさりクートゥアがタックルしてマウントを取る。
コツコツパンチを入れつつ、肩固めで終了。
トニーは一発のパンチも入れられなかった。
というよりも一発もパンチを出していないのでは。
トニーも総合の練習を積んだということだったが、デビュー戦でクートゥアというのは無理があった。
ボクシング経験しかない場合、たとえ世界王者であっても、総合格闘技のアマの試合に出ても難しいと思う。
それぐらい違うのである。
寝技もさることながら、まずは立ち技からのテイクダウンの攻防をみっちりやらなければいけない。
自分の攻撃しやすいポジション、守れるポジションをしっかり取る練習が必須だし、結構時間もかかる。
トニーは半年ほどの準備期間だったというが、あまりに短すぎた。
それもグリーンボーイでなくクートゥアのようなトップファイターが相手なのだから。
トニーは継続参戦するのだろうか。
もう呼ばれないかな。
下のレベルからやり直すのだろうか。

その他も見ごたえのある試合ばかりであった。


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