2022年06月
2022年06月20日
THE MATCH 2022 一夜明けて〜その他雑感〜
バックステージでの武尊の姿。
お通夜のようなあの雰囲気。
感動した、ナイスファイト・・・・称賛の声も多い。
しかし武尊にしてみれば大一番で負けた悲しみ、何度やっても勝てそうにない負け方、これまで何年も積み上げてきたものが全く通じなかった絶望感、こんな状態でナイスファイトとか言って欲しいわけない。
また頑張れとか、そんな励ましの声もいらないはず。
謝る必要はないなんて言われても余計絶望感がこみ上げるであろう。
勝負の世界は結果が全て。
敗者には何もくれてやるなが昔からの流儀。
したがって放っておくべきだ。
身近な人であれば特に試合には触れず普通にいつも通り淡々と接すれば良い。
勝負の世界は厳しい。
今回の興行見ていて全体的になんか10-10がやけに多かったなと言う印象だ。
ちょっとくらいでは差をつけない方針なのだろうか。
最近キックを見てないので何とも言えないが、昔からそんなとこだったか。
記者会見、計量の時に乱闘騒ぎを起こす割には、がっかりさせる奴、入場パフォーマンスが全てみたいな奴、安っぽいマイクパフォーマンスをしている自分に酔いしれている奴、実力で魅了していただきたいものだ。
以下気になった試合、選手について書いてみる。
実は本当のメインと言われた野杁VS海人。
結果は意外にも延長で海人の勝ち。
野杁は1Rで右拳を壊したというが、フルラウンド接近戦でのコンビの応酬。
両者ディフェンスも良く、ビッグヒットは皆無。
野杁のガードのわずかな隙間を脇を絞ったストレートを当てた海人が勝利。
日に日に強くなっている印象。
細身の割には結構体幹とか強そう。
野杁の重い攻撃が勝ると見ていたが、結構びっくりした。
またこの選手もSBの選手だが笠原。
以前那須川に倒されたがそれを糧に伸びている様子。
バランスが非常に良く、距離感も良い。
パンチ、キックとも伸びるし切れもある。
極真の強豪選手からK-1に転じた中島に快勝。
序盤こそ中島の変則的でがちゃがちゃした動きに戸惑っていたが、自分の距離から伸びやかな蹴りでペースを掴み、3Rにはダウンを奪って文句なしの判定勝ち。
この選手は伸びそうだ。
和島もなかなか良かった。
大味だが左の蹴り、パンチとも伸びがある。
これまた極真の強豪選手でキック、MMAで活躍するベイノアに圧勝。
国内では上位に位置するのは疑いない。
ただ海外強豪には現段階ではとても通用するようには見えなかった。
野杁VS海人以外は低調だった印象だ。
やはり団体が多すぎる。
とは言え世間で話題になったことは確か。
今回の興行で少しでもキックに関心を持ってくれる方が増えたのではないかと信じたい。
お通夜のようなあの雰囲気。
感動した、ナイスファイト・・・・称賛の声も多い。
しかし武尊にしてみれば大一番で負けた悲しみ、何度やっても勝てそうにない負け方、これまで何年も積み上げてきたものが全く通じなかった絶望感、こんな状態でナイスファイトとか言って欲しいわけない。
また頑張れとか、そんな励ましの声もいらないはず。
謝る必要はないなんて言われても余計絶望感がこみ上げるであろう。
勝負の世界は結果が全て。
敗者には何もくれてやるなが昔からの流儀。
したがって放っておくべきだ。
身近な人であれば特に試合には触れず普通にいつも通り淡々と接すれば良い。
勝負の世界は厳しい。
今回の興行見ていて全体的になんか10-10がやけに多かったなと言う印象だ。
ちょっとくらいでは差をつけない方針なのだろうか。
最近キックを見てないので何とも言えないが、昔からそんなとこだったか。
記者会見、計量の時に乱闘騒ぎを起こす割には、がっかりさせる奴、入場パフォーマンスが全てみたいな奴、安っぽいマイクパフォーマンスをしている自分に酔いしれている奴、実力で魅了していただきたいものだ。
以下気になった試合、選手について書いてみる。
実は本当のメインと言われた野杁VS海人。
結果は意外にも延長で海人の勝ち。
野杁は1Rで右拳を壊したというが、フルラウンド接近戦でのコンビの応酬。
両者ディフェンスも良く、ビッグヒットは皆無。
野杁のガードのわずかな隙間を脇を絞ったストレートを当てた海人が勝利。
日に日に強くなっている印象。
細身の割には結構体幹とか強そう。
野杁の重い攻撃が勝ると見ていたが、結構びっくりした。
またこの選手もSBの選手だが笠原。
以前那須川に倒されたがそれを糧に伸びている様子。
バランスが非常に良く、距離感も良い。
パンチ、キックとも伸びるし切れもある。
極真の強豪選手からK-1に転じた中島に快勝。
序盤こそ中島の変則的でがちゃがちゃした動きに戸惑っていたが、自分の距離から伸びやかな蹴りでペースを掴み、3Rにはダウンを奪って文句なしの判定勝ち。
この選手は伸びそうだ。
和島もなかなか良かった。
大味だが左の蹴り、パンチとも伸びがある。
これまた極真の強豪選手でキック、MMAで活躍するベイノアに圧勝。
国内では上位に位置するのは疑いない。
ただ海外強豪には現段階ではとても通用するようには見えなかった。
野杁VS海人以外は低調だった印象だ。
やはり団体が多すぎる。
とは言え世間で話題になったことは確か。
今回の興行で少しでもキックに関心を持ってくれる方が増えたのではないかと信じたい。
2022年06月19日
THE MATCH 2022 那須川VS武尊 観戦記
予想通り那須川が判定勝ちした。
公式採点ではダウンの差だったが、実質的には全ラウンド那須川のものであった。
武尊は開始から終了まで攻撃の糸口を見つけられなかった。
両者の技術差、スピード差は大きかった。
相性もあった。
それにしても武尊の動きは非常に悪かった。
やはりコンディショニングにも問題あったか。
最終ラウンド魔裟斗も武尊のスタミナ切れを指摘していた。
あの選手のスタミナ切れは知る限りない。
やはりコンディションは良くなかったように思える。
1Rから武尊は那須川に全くついていけない。
攻撃の起点になる左ローも出す距離にならない。
中に入ろうにも那須川の右ジャブが邪魔になる。
焦って大振りの左右フックから入ったら、左ショートを食って転がった。
終了間際であったが、これで完全に勝負あった。
2R焦りまくる武尊はさらに雑になる。
那須川はもう無理しない。
武尊のバッティング、投げは焦りの証左。
3Rも那須川は右ジャブ中心に安全運転。
武尊の左右フックは空を切るばかり。
全然ダメなまま終了。
那須川が良かったというよりも武尊が悪すぎた。
終わってみればやはり那須川のための興行であった。
諸条件でお膳立てもあった。
とは言え、きっちり仕事をこなす那須川も立派。
これでボクシングに専念することになる。
武尊は底が見えた観あり。
今後のどのような道を歩むのか。
榊原氏の一件もあり、これでいわゆる格闘技熱はいったん覚めるのであろうか。
それにしても観客動員5万6000人とは大したもの。
最後に何年も諸事情に振り回されつつもここまでたどり着いた二人の労をねぎらいたい。
公式採点ではダウンの差だったが、実質的には全ラウンド那須川のものであった。
武尊は開始から終了まで攻撃の糸口を見つけられなかった。
両者の技術差、スピード差は大きかった。
相性もあった。
それにしても武尊の動きは非常に悪かった。
やはりコンディショニングにも問題あったか。
最終ラウンド魔裟斗も武尊のスタミナ切れを指摘していた。
あの選手のスタミナ切れは知る限りない。
やはりコンディションは良くなかったように思える。
1Rから武尊は那須川に全くついていけない。
攻撃の起点になる左ローも出す距離にならない。
中に入ろうにも那須川の右ジャブが邪魔になる。
焦って大振りの左右フックから入ったら、左ショートを食って転がった。
終了間際であったが、これで完全に勝負あった。
2R焦りまくる武尊はさらに雑になる。
那須川はもう無理しない。
武尊のバッティング、投げは焦りの証左。
3Rも那須川は右ジャブ中心に安全運転。
武尊の左右フックは空を切るばかり。
全然ダメなまま終了。
那須川が良かったというよりも武尊が悪すぎた。
終わってみればやはり那須川のための興行であった。
諸条件でお膳立てもあった。
とは言え、きっちり仕事をこなす那須川も立派。
これでボクシングに専念することになる。
武尊は底が見えた観あり。
今後のどのような道を歩むのか。
榊原氏の一件もあり、これでいわゆる格闘技熱はいったん覚めるのであろうか。
それにしても観客動員5万6000人とは大したもの。
最後に何年も諸事情に振り回されつつもここまでたどり着いた二人の労をねぎらいたい。
2022年06月18日
THE MATCH 2022 那須川VS武尊 展望
話題の一戦である。
村田、井上の世界戦と同等、あるいはそれ以上のように感じている一般市民も多いようだ。
本質的なグレードはボクシングに遠く及ばないことは言うまでもない。
最近キックボクシングは良くは見ていないがあまりにも団体が多いし、団体によってルール、採点基準、コンセプトも異なり、正直言ってつまらない。
今回この二人以外にもK-1、RISE等の王者クラスが多数出場するが知らない奴ばかりだ。
自己PRは派手で試合はしょぼい、あるいは馬鹿になって打ち合う勇気は凄いが、技術的に物足りない、一体君は何屋さんだと問いたくなる選手が多すぎる。
ルールも最近固まったようにある意味よそ行きの戦いを余儀なくされる選手も多かろう。
この辺がキックの弱いところ。
ボクシングのような至高の戦いは望めない構造になっている。
地上波放送も急遽なくなったが、まさにPRIDE末期と同様であり、中心となって切り盛りしてきた榊原氏率いるRIZINは厳しい今後を迎えそうだ。
THE MATCHも今回限りの単発興行となりそう。
地上波なしということでファイトマネーにも影響は大きいであろう。
綺麗ごと並べて地上波を、などと言う選手もいるがやはり興行上の都合が本音だろう。
めげずに頑張って。
今回の興行、実は野杁VS海人が裏メインと言われているが、私もそう思う。
ただ残念なのはやはりルールということになってしまう。
海人の本当の武器は肘打ちだ。
カウンター、縦肘と日本人離れした技術を持つ。
それが使えない。
またそもそもシュートボクシングにある投げも使えない。
RISEルールでも良く試合しているとは言うもののやはりよそ行きかなとも思ってしまう。
ルールの壁は大きい。
名前だけならメインよりも興味深いカードなのだが、多分野杁が圧勝するであろう。
さて本題に入る。
那須川は今回を最後にボクシングに転向する。
プロモート的にも負けられない一戦だ。
武尊もK-1に対する競技愛、プライドは極めて高く、大変な気合いの入りようだ。
ファイトスタイルも対象的だ。
サウスポーのスピードスターと猛烈ファイターだ。
面白い組み合わせである。
那須川はすぐれた動体視力とスピード、キックの選手には珍しい横への速いフットワークが持ち味だ。
ボクシングでもしっかり練習すれば活躍できるであろう。
武尊も大したもので、勝つだけでなく、みんなが喜ぶような試合をする。
常に正面切っての打ち合いを挑む。
逃げ切り勝ちとか画策しない。
なるほど人気が出るわけだ。
何年も前から対戦を望む声は多かったが、今はだいぶ階級が違ってしまった。
那須川はスーパーバンタム前後、武尊はスーパーフェザーというかボクシング的には若干軽めのライト級だ。
本来なら難しい組み合わせだ。
キャッチウェイトとしても結構無理がある。
ということで圧倒的に体格面の差で武尊有利と言いたいところだが、どうやらそう単純なものでもない。
リバウンド制限の計量が試合のなんと3時間前にあるという。
これ結構きつくないか。
武尊にしてみれば前日に2Kg普段より軽く仕上げなければならない。
元々スーパーバンタムだったというのは過去の話で体を作った今、結構厳しい。
で試合3時間前は62Kgという制限がかかる。
通常の試合は60Kgということはリング上では65kgくらいの可能性もある。
リカバリーが不十分にならざるを得ず、パワー、スタミナ、スピードとも落ちるのでは。
一方の那須川は重めのリミットなので普通にコンディション調整できそうだ。
62kgより軽めにしてスピード勝負で行けそう。
この辺小さな問題ではないように思う。
コンディショニングでは那須川が実際は有利なのではないか。
ルール的には那須川の土俵のほぼRISEルールのようだ。
武尊がこういった条件を飲むとはよほど対戦したかったのであろう。
試合展開だが武尊が攻めて那須川がカウンターという一般的な見方通りになろう。
おそらく序盤那須川の左ストレートのカウンターは機能するであろう。
場合によっては武尊のダウンもあると見る。
武尊は基本ノーガードでフックを振り回すスタイルだ。
頭をずらしながら打つのでまともにもらうことはあまりないが、那須川レベルになるとどうか。
相手のレベルもあるがよくあのスタイルで勝ってきたと思う。
ただ武尊の武器は実は左ローだ。
オーソドックスの内またへの左ローが実に速く、うるさい。
だからパンチも当たる。
武尊というとパンチのファイターというイメージがあるが、実際はスピーディなキックを起点としたコンビネーションパンチャーだ。
この試合のキーは武尊の左ローが機能するか否かにあると考える。
ただ那須川はサウスポーなので左ローを放った後左ストレートのリターンが当たりそう。
武尊はサウスポーが苦手という意見も多いが、スタイル的にその通りだと思う。
うまくフェイントを交え、左ローを当てることができれば武尊がペースを握るであろう。
しかしそれは相当難しいと見る。
那須川のスピード、技術が上回ると見る。
ここで武尊がコンディショニング上フィジカル低下が露呈しそう。
したがって序盤は那須川のペースになろう。
3Rなのでそのままスーっと行ってしまうかもしれない。
ただ武尊の根性も相当なもの。
最終的には那須川を圧力で追い回しそう。
おそらく1,2Rは那須川、3Rは武尊という感じではないか。
結果的には那須川が逃げ切ると思う。
那須川の判定勝ち
を予想する。
結局この興行は那須川のための興行なのである。
諸条件は那須川有利。
判定についてもなんだかんだ言って那須川寄りになるのではないか。
ボクシング転向に際して無敗とそうでないのとでは随分印象が違う。
変な判定にならなければよいと思うが、、、
明日はそれぞれの夢をかけて頑張って欲しい。
村田、井上の世界戦と同等、あるいはそれ以上のように感じている一般市民も多いようだ。
本質的なグレードはボクシングに遠く及ばないことは言うまでもない。
最近キックボクシングは良くは見ていないがあまりにも団体が多いし、団体によってルール、採点基準、コンセプトも異なり、正直言ってつまらない。
今回この二人以外にもK-1、RISE等の王者クラスが多数出場するが知らない奴ばかりだ。
自己PRは派手で試合はしょぼい、あるいは馬鹿になって打ち合う勇気は凄いが、技術的に物足りない、一体君は何屋さんだと問いたくなる選手が多すぎる。
ルールも最近固まったようにある意味よそ行きの戦いを余儀なくされる選手も多かろう。
この辺がキックの弱いところ。
ボクシングのような至高の戦いは望めない構造になっている。
地上波放送も急遽なくなったが、まさにPRIDE末期と同様であり、中心となって切り盛りしてきた榊原氏率いるRIZINは厳しい今後を迎えそうだ。
THE MATCHも今回限りの単発興行となりそう。
地上波なしということでファイトマネーにも影響は大きいであろう。
綺麗ごと並べて地上波を、などと言う選手もいるがやはり興行上の都合が本音だろう。
めげずに頑張って。
今回の興行、実は野杁VS海人が裏メインと言われているが、私もそう思う。
ただ残念なのはやはりルールということになってしまう。
海人の本当の武器は肘打ちだ。
カウンター、縦肘と日本人離れした技術を持つ。
それが使えない。
またそもそもシュートボクシングにある投げも使えない。
RISEルールでも良く試合しているとは言うもののやはりよそ行きかなとも思ってしまう。
ルールの壁は大きい。
名前だけならメインよりも興味深いカードなのだが、多分野杁が圧勝するであろう。
さて本題に入る。
那須川は今回を最後にボクシングに転向する。
プロモート的にも負けられない一戦だ。
武尊もK-1に対する競技愛、プライドは極めて高く、大変な気合いの入りようだ。
ファイトスタイルも対象的だ。
サウスポーのスピードスターと猛烈ファイターだ。
面白い組み合わせである。
那須川はすぐれた動体視力とスピード、キックの選手には珍しい横への速いフットワークが持ち味だ。
ボクシングでもしっかり練習すれば活躍できるであろう。
武尊も大したもので、勝つだけでなく、みんなが喜ぶような試合をする。
常に正面切っての打ち合いを挑む。
逃げ切り勝ちとか画策しない。
なるほど人気が出るわけだ。
何年も前から対戦を望む声は多かったが、今はだいぶ階級が違ってしまった。
那須川はスーパーバンタム前後、武尊はスーパーフェザーというかボクシング的には若干軽めのライト級だ。
本来なら難しい組み合わせだ。
キャッチウェイトとしても結構無理がある。
ということで圧倒的に体格面の差で武尊有利と言いたいところだが、どうやらそう単純なものでもない。
リバウンド制限の計量が試合のなんと3時間前にあるという。
これ結構きつくないか。
武尊にしてみれば前日に2Kg普段より軽く仕上げなければならない。
元々スーパーバンタムだったというのは過去の話で体を作った今、結構厳しい。
で試合3時間前は62Kgという制限がかかる。
通常の試合は60Kgということはリング上では65kgくらいの可能性もある。
リカバリーが不十分にならざるを得ず、パワー、スタミナ、スピードとも落ちるのでは。
一方の那須川は重めのリミットなので普通にコンディション調整できそうだ。
62kgより軽めにしてスピード勝負で行けそう。
この辺小さな問題ではないように思う。
コンディショニングでは那須川が実際は有利なのではないか。
ルール的には那須川の土俵のほぼRISEルールのようだ。
武尊がこういった条件を飲むとはよほど対戦したかったのであろう。
試合展開だが武尊が攻めて那須川がカウンターという一般的な見方通りになろう。
おそらく序盤那須川の左ストレートのカウンターは機能するであろう。
場合によっては武尊のダウンもあると見る。
武尊は基本ノーガードでフックを振り回すスタイルだ。
頭をずらしながら打つのでまともにもらうことはあまりないが、那須川レベルになるとどうか。
相手のレベルもあるがよくあのスタイルで勝ってきたと思う。
ただ武尊の武器は実は左ローだ。
オーソドックスの内またへの左ローが実に速く、うるさい。
だからパンチも当たる。
武尊というとパンチのファイターというイメージがあるが、実際はスピーディなキックを起点としたコンビネーションパンチャーだ。
この試合のキーは武尊の左ローが機能するか否かにあると考える。
ただ那須川はサウスポーなので左ローを放った後左ストレートのリターンが当たりそう。
武尊はサウスポーが苦手という意見も多いが、スタイル的にその通りだと思う。
うまくフェイントを交え、左ローを当てることができれば武尊がペースを握るであろう。
しかしそれは相当難しいと見る。
那須川のスピード、技術が上回ると見る。
ここで武尊がコンディショニング上フィジカル低下が露呈しそう。
したがって序盤は那須川のペースになろう。
3Rなのでそのままスーっと行ってしまうかもしれない。
ただ武尊の根性も相当なもの。
最終的には那須川を圧力で追い回しそう。
おそらく1,2Rは那須川、3Rは武尊という感じではないか。
結果的には那須川が逃げ切ると思う。
那須川の判定勝ち
を予想する。
結局この興行は那須川のための興行なのである。
諸条件は那須川有利。
判定についてもなんだかんだ言って那須川寄りになるのではないか。
ボクシング転向に際して無敗とそうでないのとでは随分印象が違う。
変な判定にならなければよいと思うが、、、
明日はそれぞれの夢をかけて頑張って欲しい。
2022年06月11日
WBAライトフライ級統一戦 京口VSベルムデス 観戦記
京口に二度減点という荒れた展開ながらまずは完勝であった。
ベルムデスの変則スタイルを持て余すのではないかと心配していたが、全く問題にしなかった。
京口は久々の試合とはいえなかなか好調で左右とも満遍なく手が出ていた。
1Rから相手の外からのパンチに対して内側からアッパーを決めるなど早くも技術の差を見せる。
倒す8Rまで一貫して京口のペース。
ボディワークもスムーズでまともに貰わず、打ち終わりに巧くアッパーを入れていく。
まるでメキシコ人のような戦いぶりだ。
ベルムデスも血まみれになりながら向かってくるが、京口に目立った被弾はなし。
減点については相手がガンガン来るので熱くなったか。
もう少し力を抜いても良かったか。
まずはアウェーでしっかり勝てて良かったのではないか。
次は寺地との統一戦が期待される。
ベルムデスの変則スタイルを持て余すのではないかと心配していたが、全く問題にしなかった。
京口は久々の試合とはいえなかなか好調で左右とも満遍なく手が出ていた。
1Rから相手の外からのパンチに対して内側からアッパーを決めるなど早くも技術の差を見せる。
倒す8Rまで一貫して京口のペース。
ボディワークもスムーズでまともに貰わず、打ち終わりに巧くアッパーを入れていく。
まるでメキシコ人のような戦いぶりだ。
ベルムデスも血まみれになりながら向かってくるが、京口に目立った被弾はなし。
減点については相手がガンガン来るので熱くなったか。
もう少し力を抜いても良かったか。
まずはアウェーでしっかり勝てて良かったのではないか。
次は寺地との統一戦が期待される。
2022年06月09日
WBAライトフライ級統一戦 京口VSベルムデス 展望
久々の防衛戦、アウェーでの一戦となる。
寺地との統一戦もあり得るだけに負けられない一戦である。
予想としては、
苦闘の末、京口の判定勝ち
とする。
両者の歩んできたキャリアを比較すると京口の方がはるかに格上だ。
ベルムデスなんてカニサレスに勝って初めて知った人も多いだろう。
そのカニサレス戦も大番狂わせであった。
こうしてみると京口は圧勝しなければならない相手ではある。
しかし私は負けはしなくてもかなり苦戦するのではないかと考える。
京口は日本人離れした柔軟な筋肉の持ち主で左ボディ、アッパーを軸にした中南米スタイルのボクサーファイターだ。
勝負所でしっかり競り勝つ勝負根性の持ち主でもある。
しかし何か出し切れていない。
当然圧勝しなければならない相手に間延びした戦いになることが多い。
相手に合わせてしまうのである。
また妙に左の上下にこだわり、できるはずのショートのまっすぐ、ジャブが少ない。
どことなく幅がないのである。
もっともっと強いはずなのだが試合は退屈だ。
一方のベルムデスはスローモーで大振りだが侮れない相手だ。
長身で手が長い。
パンチは遅いのだが、タイミングが遅れて出てくるかのようで妙なリズムである。
右のボラードは要注意だ。
また右の後の返しのパンチも上にも下にも来る。
相手の入り際のアッパーもタイミングがずれていそう。
ディフェンスは甘そうだが、妙なタイミングで長い手が大きな弧を描いてくるのでやりにくそうだ。
なんだかんだ言ってカニサレス戦も1Rから波乱を起こしそうな雰囲気ありありであった。
京口としてはガードもさることながら頭をよく振りたい。
おそらく京口はベルムデスの懐に入って左ボディを軸にインファイトを考えていると思われるが、入り際は本当に注意したい。
また離れ際の遅いフックにも気を付けたい。
試合展開としてはベルムデスが攻めて出て京口が巧く懐に入っても上から覆いかぶさるような展開となり、思うようなファイトには持ち込めないと見る。
タイミングのおかしなパンチにも悩まされそう。
それでも要所要所でボディを効かせ、後半競り合いから何とか抜け出しそう。
なんかぐちゃぐちゃした展開のなか京口が効果的なヒットで辛うじて上回ると見る。
ただアウェーだけに判定を落とす可能性も低くはない。
いい加減本領を発揮して欲しいが、それができないというのはその程度の実力かもしれない。
ここは正念場、バシッと決めて欲しい。
寺地との統一戦もあり得るだけに負けられない一戦である。
予想としては、
苦闘の末、京口の判定勝ち
とする。
両者の歩んできたキャリアを比較すると京口の方がはるかに格上だ。
ベルムデスなんてカニサレスに勝って初めて知った人も多いだろう。
そのカニサレス戦も大番狂わせであった。
こうしてみると京口は圧勝しなければならない相手ではある。
しかし私は負けはしなくてもかなり苦戦するのではないかと考える。
京口は日本人離れした柔軟な筋肉の持ち主で左ボディ、アッパーを軸にした中南米スタイルのボクサーファイターだ。
勝負所でしっかり競り勝つ勝負根性の持ち主でもある。
しかし何か出し切れていない。
当然圧勝しなければならない相手に間延びした戦いになることが多い。
相手に合わせてしまうのである。
また妙に左の上下にこだわり、できるはずのショートのまっすぐ、ジャブが少ない。
どことなく幅がないのである。
もっともっと強いはずなのだが試合は退屈だ。
一方のベルムデスはスローモーで大振りだが侮れない相手だ。
長身で手が長い。
パンチは遅いのだが、タイミングが遅れて出てくるかのようで妙なリズムである。
右のボラードは要注意だ。
また右の後の返しのパンチも上にも下にも来る。
相手の入り際のアッパーもタイミングがずれていそう。
ディフェンスは甘そうだが、妙なタイミングで長い手が大きな弧を描いてくるのでやりにくそうだ。
なんだかんだ言ってカニサレス戦も1Rから波乱を起こしそうな雰囲気ありありであった。
京口としてはガードもさることながら頭をよく振りたい。
おそらく京口はベルムデスの懐に入って左ボディを軸にインファイトを考えていると思われるが、入り際は本当に注意したい。
また離れ際の遅いフックにも気を付けたい。
試合展開としてはベルムデスが攻めて出て京口が巧く懐に入っても上から覆いかぶさるような展開となり、思うようなファイトには持ち込めないと見る。
タイミングのおかしなパンチにも悩まされそう。
それでも要所要所でボディを効かせ、後半競り合いから何とか抜け出しそう。
なんかぐちゃぐちゃした展開のなか京口が効果的なヒットで辛うじて上回ると見る。
ただアウェーだけに判定を落とす可能性も低くはない。
いい加減本領を発揮して欲しいが、それができないというのはその程度の実力かもしれない。
ここは正念場、バシッと決めて欲しい。
2022年06月07日
WBA、WBC、IBFバンタム級統一戦 井上VSドネア 観戦記
予想通り井上がスピードで圧倒し大勝した。
それにしても2Rとは早い。
井上も凄かったが、ドネアも潔い。
1Rから真っ向勝負に来た。
ごまかしたり、はぐらかしたりすることができない性格なのだろう。
今までもせこい逃げ切り勝ちとかしてこなかった。
序盤からプレスをかけて井上が返してきたところにカウンターという戦略であったのだろう。
ただスピード差があったので引き付ける前にやられてしまった格好だ。
1Rの右クロスで終わったも同然であった。
2Rドネアの反応は明らかに鈍っており、より一層スピード差が目に付いた。
井上もここぞとばかりに詰めに入ったのは良かった。
2Rの攻防はおまけだ。
まずは完全勝利だ。
今の井上に勝つにはのらりくらりはぐらかすしかなさそうだ。
この勢い、完成度を保っている間になんとしても四団体制覇をして欲しい。
陣営のビジネス遂行能力に期待。
そして上の階級に行って欲しい。
井上はドラマにしないと言っていたが、試合前のドネアの緊迫感溢れるコメント、迫力ある立ち上がりのプレス、緊張感ある攻防。
一瞬のカウンターが実質的な決定打となったスリリングな1R終盤。
今回も十分ドラマであった。
それにしても2Rとは早い。
井上も凄かったが、ドネアも潔い。
1Rから真っ向勝負に来た。
ごまかしたり、はぐらかしたりすることができない性格なのだろう。
今までもせこい逃げ切り勝ちとかしてこなかった。
序盤からプレスをかけて井上が返してきたところにカウンターという戦略であったのだろう。
ただスピード差があったので引き付ける前にやられてしまった格好だ。
1Rの右クロスで終わったも同然であった。
2Rドネアの反応は明らかに鈍っており、より一層スピード差が目に付いた。
井上もここぞとばかりに詰めに入ったのは良かった。
2Rの攻防はおまけだ。
まずは完全勝利だ。
今の井上に勝つにはのらりくらりはぐらかすしかなさそうだ。
この勢い、完成度を保っている間になんとしても四団体制覇をして欲しい。
陣営のビジネス遂行能力に期待。
そして上の階級に行って欲しい。
井上はドラマにしないと言っていたが、試合前のドネアの緊迫感溢れるコメント、迫力ある立ち上がりのプレス、緊張感ある攻防。
一瞬のカウンターが実質的な決定打となったスリリングな1R終盤。
今回も十分ドラマであった。
2022年06月05日
WBA、WBC、IBFバンタム級統一戦 井上VSドネア 展望
2年7か月振りの再戦となる。
もうそんなになるのかというところ。
ボクサーにとって2年3年というのは大きい。
若いと思った井上ももう29歳だ。
ドネアは39歳。
前回来日したときも髪も後退し、ふやけた顔はまさにおじさん。
今回さらにおじさんになっているのだろう。
さて予想だが、
井上のワンサイドゲームで中盤KO
とする。
前回も圧勝を予想していたが、思わぬ苦戦と言うか歴史に残る激闘となった。
ただ井上の勝利は確かなものだった。
前回の苦闘は間違いなく井上の「油断」にあった。
度重なる階級アップによるドネアのスタイルの乱れ。
加齢からくる衰え。
WBSSでの度重なる幸運。
そして1Rで確信したであろう圧勝の手ごたえ。
ドネアの左フックが炸裂した2R、井上はガードを下げ、にやけながらジャブであしらいにかかった。
そこを突かれた。
この後実質片目で戦うことになるが、9Rのピンチを除いてはまずは巧く対応していた。
今回同じ轍を踏むことはあるまい。
となると今回は井上の思うがままの展開になると見る。
両者の最大の差はスピードだ。
井上が変な力勝負に行かず、KOを過度に意識せず、普通にワンツー主体のスピードボクシングをすれば気が付いたらドネアはキャンバスに転がっていよう。
禁物なのは左フック合戦をやりにいったり、左ボディを安易に放ちに行くことだ。
要するにドネアが左フックを合わせやすい状態を作らないことである。
最近のドネアはどっしり構え安定感が出てきている、良い勝ち方をしている、と言われている。
確かにそういった面はあるし、ドラマインサイタマ妓紊僚室妥戮楼豸ドネアの方に見える。
ただ相手のレベルを見て欲しい。
井上のような強豪だったか。
複数王座制による王者もどきの相手でなかったか。
そこは過度に評価する必要はない。
もっとも井上の方もドネアと比べるとだいぶ格落ちの相手としかやっていない。
直近の防衛戦では序盤のスパークをすかされ、ペースがマンネリ化しつつあったところでのKOだった。
不安がないわけではない。
しかし今回何かと面倒くさいカシメロの自滅もあり、悲願の四団体制覇も現実味を帯びてきた。
モチベーションも高まっていることであろう。
油断することの厳しさを痛いほど知った今回、万全の戦いをみせてくれるであろう。
ドネアは数々のわなを仕掛けてこよう。
色気を出さず、判定でも良しというつもりで用心深くゲームメイクして欲しい。
井上の圧勝を期待している。
もうそんなになるのかというところ。
ボクサーにとって2年3年というのは大きい。
若いと思った井上ももう29歳だ。
ドネアは39歳。
前回来日したときも髪も後退し、ふやけた顔はまさにおじさん。
今回さらにおじさんになっているのだろう。
さて予想だが、
井上のワンサイドゲームで中盤KO
とする。
前回も圧勝を予想していたが、思わぬ苦戦と言うか歴史に残る激闘となった。
ただ井上の勝利は確かなものだった。
前回の苦闘は間違いなく井上の「油断」にあった。
度重なる階級アップによるドネアのスタイルの乱れ。
加齢からくる衰え。
WBSSでの度重なる幸運。
そして1Rで確信したであろう圧勝の手ごたえ。
ドネアの左フックが炸裂した2R、井上はガードを下げ、にやけながらジャブであしらいにかかった。
そこを突かれた。
この後実質片目で戦うことになるが、9Rのピンチを除いてはまずは巧く対応していた。
今回同じ轍を踏むことはあるまい。
となると今回は井上の思うがままの展開になると見る。
両者の最大の差はスピードだ。
井上が変な力勝負に行かず、KOを過度に意識せず、普通にワンツー主体のスピードボクシングをすれば気が付いたらドネアはキャンバスに転がっていよう。
禁物なのは左フック合戦をやりにいったり、左ボディを安易に放ちに行くことだ。
要するにドネアが左フックを合わせやすい状態を作らないことである。
最近のドネアはどっしり構え安定感が出てきている、良い勝ち方をしている、と言われている。
確かにそういった面はあるし、ドラマインサイタマ妓紊僚室妥戮楼豸ドネアの方に見える。
ただ相手のレベルを見て欲しい。
井上のような強豪だったか。
複数王座制による王者もどきの相手でなかったか。
そこは過度に評価する必要はない。
もっとも井上の方もドネアと比べるとだいぶ格落ちの相手としかやっていない。
直近の防衛戦では序盤のスパークをすかされ、ペースがマンネリ化しつつあったところでのKOだった。
不安がないわけではない。
しかし今回何かと面倒くさいカシメロの自滅もあり、悲願の四団体制覇も現実味を帯びてきた。
モチベーションも高まっていることであろう。
油断することの厳しさを痛いほど知った今回、万全の戦いをみせてくれるであろう。
ドネアは数々のわなを仕掛けてこよう。
色気を出さず、判定でも良しというつもりで用心深くゲームメイクして欲しい。
井上の圧勝を期待している。
2022年06月04日
IBFスーパーフェザー級 尾川VSコルディナ 展望
完全なるアウェーで強敵を迎えての初防衛戦だ。
計量も終わり、後はゴングを待つばかりとなった。
挑戦者のホームタウンだけに厳しい予想も多いが、
尾川の僅差判定勝ち
と予想する。
コルディナはアマエリートらしくジャブとディフェンスに優れたテクニシャンだ。
ただスピード、パワーとも並みで、技巧も絶対的なものではない。
戦い方もスマートすぎてアスリートではあるが戦士ではない。
一方の尾川は逆にアスリートというよりも戦士、格闘家という印象だ。
常に目を爛爛と輝かせ、隙あらば猛烈な勢いで打ち込んでくる。
フルラウンド途切れないテンションが一番の武器か。
一般的には尾川は野性味あふれるボクサーファイターというところだが、実際はなかなかのテクニシャンでもある。
ファーマーやフジレといった東洋には存在しないディフェンスマスター、スピードスターに技術的にも劣っていなかったし、まともに打たれていない。
スピードでもむしろ上回っていた。
速いリズムのフットワークから一瞬の隙を見て右をぶち込む攻撃型アウトボクサーというのが本当の姿である。
このスタイルは日拳がベースになっている。
何度も書いているが日拳は才能の競技だ。
コンビでなく単打で面、胴のピンポイントにジャストミートしなければ旗は上がらない。
攻防の中心は後ろ手がほとんどである。
したがって日拳の強豪選手はオーソドックスなら右カウンター、あるいは遠間からの速い踏み込みに乗せた右ストレート単打の名手である。
こういう芸当は訓練だけでは身につかない。
優れた動体視力、距離感、反射神経が要求される。
体重無差別ななかでも好成績を上げていた尾川はいかに高い才能の持ち主かがわかる。
加えて重い防具をつけて組打ちありというルールなのでフィジカルも相当要求される。
こうした下地があった上に帝拳で磨き上げられてきたわけだ。
また実家が道場で幼少のころから勝負に親しんできたこともあり、勝負時の嗅覚、ピンチの時の対処も自然に身についてきたようにも見える。
国内戦では冴えない試合もあるが、ここぞという時は無類の強さを発揮しているようにある意味勝負師とも言える。
今回も生粋の戦士がエリートアスリートを押しつぶしてしまうのではなかろうか。
コルディナはガードに気を使い、ジャブでコントロールし、要所要所で右ストレート、左フックでポイントアウトを狙うと思われる。
ただスピードは尾川の方が上だ。
コルディナのパワー、スピードでは防御も悪くない尾川には機能しないと考える。
逆に尾川の右は単発でも捉える局面が多そう。
結局、ファーマー、フジレの時と同様に迫力勝ちするのではなかろうか。
・・・と思ってはいるが、地元で燃えているであろうコルディナが巧くかわす可能性もある。
まさに五分五分といったところだ。
KO勝負にはならないと思う。
クロスゲームの末判定勝負となろう。
変な判定はご勘弁を。
好勝負を期待する。
計量も終わり、後はゴングを待つばかりとなった。
挑戦者のホームタウンだけに厳しい予想も多いが、
尾川の僅差判定勝ち
と予想する。
コルディナはアマエリートらしくジャブとディフェンスに優れたテクニシャンだ。
ただスピード、パワーとも並みで、技巧も絶対的なものではない。
戦い方もスマートすぎてアスリートではあるが戦士ではない。
一方の尾川は逆にアスリートというよりも戦士、格闘家という印象だ。
常に目を爛爛と輝かせ、隙あらば猛烈な勢いで打ち込んでくる。
フルラウンド途切れないテンションが一番の武器か。
一般的には尾川は野性味あふれるボクサーファイターというところだが、実際はなかなかのテクニシャンでもある。
ファーマーやフジレといった東洋には存在しないディフェンスマスター、スピードスターに技術的にも劣っていなかったし、まともに打たれていない。
スピードでもむしろ上回っていた。
速いリズムのフットワークから一瞬の隙を見て右をぶち込む攻撃型アウトボクサーというのが本当の姿である。
このスタイルは日拳がベースになっている。
何度も書いているが日拳は才能の競技だ。
コンビでなく単打で面、胴のピンポイントにジャストミートしなければ旗は上がらない。
攻防の中心は後ろ手がほとんどである。
したがって日拳の強豪選手はオーソドックスなら右カウンター、あるいは遠間からの速い踏み込みに乗せた右ストレート単打の名手である。
こういう芸当は訓練だけでは身につかない。
優れた動体視力、距離感、反射神経が要求される。
体重無差別ななかでも好成績を上げていた尾川はいかに高い才能の持ち主かがわかる。
加えて重い防具をつけて組打ちありというルールなのでフィジカルも相当要求される。
こうした下地があった上に帝拳で磨き上げられてきたわけだ。
また実家が道場で幼少のころから勝負に親しんできたこともあり、勝負時の嗅覚、ピンチの時の対処も自然に身についてきたようにも見える。
国内戦では冴えない試合もあるが、ここぞという時は無類の強さを発揮しているようにある意味勝負師とも言える。
今回も生粋の戦士がエリートアスリートを押しつぶしてしまうのではなかろうか。
コルディナはガードに気を使い、ジャブでコントロールし、要所要所で右ストレート、左フックでポイントアウトを狙うと思われる。
ただスピードは尾川の方が上だ。
コルディナのパワー、スピードでは防御も悪くない尾川には機能しないと考える。
逆に尾川の右は単発でも捉える局面が多そう。
結局、ファーマー、フジレの時と同様に迫力勝ちするのではなかろうか。
・・・と思ってはいるが、地元で燃えているであろうコルディナが巧くかわす可能性もある。
まさに五分五分といったところだ。
KO勝負にはならないと思う。
クロスゲームの末判定勝負となろう。
変な判定はご勘弁を。
好勝負を期待する。