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あったかーいは、不快の領域。 5

 字の如く「採暖」は暖かさを採るための「点」ポイントであるのに対して、暖房は、空間の寒さを取り除く設えです。寒いという刺激を柔らかく取ることができれば、すなわち無刺激になります。そのためには室温で示される空気の温度はもとより、その空気が抱えている湿度、それから壁・床・天井の面自体の温度など、あらゆる要因がその環境に影響します。暖房はそういうものをコントロールする手立てなのです。そういう意味では、これまでのこの国の暖房はほとんどの場合、囲炉裏手あぶりの類からストーブまで、ほとんどが暖房とくくられながら「採暖」だったということです。また、暖房をするためには暖房が「効く」器の性能が必須となりますから、採暖を取らざるを得なかったという部分も多々あると思います。本来の快適である無刺激な暖房を実現しようとすれば、まずは温度が無秩序に乱れ漏れる器ではなく、然るべき性能の器にしなければならないということです。

 この国は、今、ようやく住まいの高性能化に気がついたくらいの段階だと思います。その上で、より少ないエネルギーで快適に、つまり無刺激に暮らすためには、まだまだ進化が必要です。床暖は、ある意味「面」ではありますが、そこに暖かいという温度を感じているならやはり採暖の域を超えていない。もっと低音で、しばらく触っても感じくらいなら暖房として成立していますが、そうなるためにはまだまだこの国の住まいは性能不足なのです。展示場の床暖房然り、まだ面での採暖の域を超えません。

 よく不思議なことを言うなという顔をされますが、私はやはり、冬、寒くない、夏、暑くない住まいを目標にしたいと思います。(おわり)

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| 住まいづくりのヒント | 07:08 | comments(0) | - |
あったかーいは、不快の領域。 4

 そろそろ、タイトルの種明かしをしましょうか。「快適」とは刺激がないということなのです。つまり、何も感じないこと。「あったかーい」と感じるのもつまり刺激ですから、長く続けば不快になるのです。住宅展示場の床暖房に数十分の見学で感動して、それを快感と思い込んでしまうのは少しずれてしまうことに他ならないのです。

 私は高性能を習いに北海道に伺っていた頃に先輩たちによく言葉の端々を間違えるなと薫陶を受けました。「あったかい」ではなくて「寒くない」を目指しなさいとよく言われたものです。一般の方のイメージとしては、どうしても「あったかーい」の方がイメージしやすく、瞬間的な快感もありますから、ここの定義の共有は難しいのですが、実は言い得て妙な非常にデリケートな表現だと思います。そういう意味では、一般の方のお話しの中で私も「暖かい」を無碍には否定しませんが、自分の使う言葉として、「寒くない」住まいを目指しているわけです。刺激は瞬間的な快感を誘発しますが、過ぎれば不快になります。そういう意味では暮らしのベースとなる自分の住まいが、日々、目まぐるしく刺激的である必要はありません。むしろ、無刺激で優しい空間をこそ、目指すべきだと常々思っています。ただ、この「無刺激」が、案外デリートで難しいお話なのです。かなり用意周到に計算されたベースとしての性能がなければ、実現できないことなのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 06:10 | comments(0) | - |
あったかーいは、不快の領域。 3

 例えば、こたつやホットカーペットという採暖器具がこれから登場する季節ですが、あったかーいとその刺激的な暖かさに喜ぶのは瞬間なのです。みなさん少しお酒を飲んで、ホットカーペットの上で寝てしまって、起きた時の感覚を味わった方も少なくないのではないでしょうか、喉はカラカラ、なんだか頭は痛いし、気だるく不快極まれない。口の悪い私などはポップコーン状態とよく表現しますが、床から煎りあげられた人間の体はほとんど水分ですから、どんどん干からびていくような不快感が否めないのだと思います。

 このように、瞬間的な心地よい刺激も、少し長時間になると全て不快なものになります。冒頭で「採暖器具」という言葉を使いましたが、ここで暖房と採暖では根本的に別物だということをお分かりいただければと思います。採暖は、寒いからその場所で焚き火をするのと同じです。点としての暖かさ。人間がそこに近づいて暖をとります。暖房の「房」とは大まかに言えば囲われた空間ですから、その空間そのものを温めることに他なりません。実は日本の住まいでこれまで行われてきた暖の取り方はほぼほぼこの採暖で、暖房ではありません。だんぼうにはその空間の性能が必要で、これまでの日本の住まいではこの部分が全く抜け落ちていたから、効かなかったのです。ここからお話しすると、徐々に性能が不可欠であることがわかってきます。採暖は寒いと感じる人間の方が近づいて暖かさを感じるもの、暖かさやその時間は人間の方が調整しなければなりません。不快に思えば遠ざかりますし、ついついほつとカーペットの上で寝込んでしまうのは、この間合いを失敗した不快さなのです。住まいの設えとして、どうしたら良いのでしょうか。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:19 | comments(0) | - |
あったかーいは、不快の領域。 2

 寒くなれば、あったかいものが恋しくなるのは当然で、そろそろ暖房機に入ると昔でいえば、いささか刺激的な灯油の燃焼ガスの匂いや窓ガラスの曇りも、なんだかあったかさの象徴として、イメージが私たちの記憶に深く刷り込まれています。それは当然の感覚なのですが、水を差すような言い方をすれば、私たちの言う高性能住宅の領域では、灯油燃焼の匂いが立ち込めるなどという状況は、換気が十分にされていない空気の鮮度が心配な状態であったり、窓ガラスが曇るということは表面温度が極端に下がり露天温度に達しているということですから、窓ガラスの性能が他の場所から著しく劣っているアンバランスの象徴ということになってしまいます。情緒的に、全てこういうことを否定するべきものでは決してありませんが、感情として私たちが抱く快適のイメージと実際とでは多少誤差があるということを少しばかり意識しなければなりません。そうでないと本当の快適領域を想像することができないからです。

 あったかーいは不快な領域と書きました。それはどういうことでしょうか。例えば、この季節、郊外の住宅展示場に行って、床暖房装置の体験をして、営業の方から「ね、床触ってみてください。暖かいでしょ」と言われて触っとてみるとかすかに暖かい。本当だーと感動するなどというシーンがあるとすれば、これはとんでもない落とし穴であるわけです。瞬間的に暖かいものを感じるのと、空間の快適性とは案外遊離しているもので、私たちはそのほんのりの暖かさが、24時間足の裏を「暖かい」と刺激し続けることを想像しなければならないのです。こういう刺激は、実は不快なのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:18 | comments(0) | - |
あったかーいは、不快の領域。 1

 ここ九州福岡でも、段々と朝晩が冷え込むようになってきて、今朝はたまらずに暖房を入れたなどというオタクも出てきているかもしれません。私たちのいう高性能住宅ではまだまだ先の話ですが、そろそろそういう季節に入ってきました。これは住まいの熱性能のお話で、単純に熱性能が悪くて室温を一定に保つ機能が発揮できない住まいと、その機能が備わっている住まいの個体差です。そのレベルは千差万別で、色々なレベルがありますしその振り幅も非常に大きい。それで、すでに暖房が入る住まいと、まだまだ必要ない住まいとがあるということなのです。

 この季節になると、テレビCMも一気に鍋やシチューの素などのものが増え始めて、曇る窓ガラスの室内で湯気たつ鍋を囲んだり、テーブルクロスの上の真っ白いお皿の上に、艶やかなクリームシチューが注がれていたりするシーンを目にすることがありますよね。そして「あったかーい」を連呼されると、なんだか切なくなって、そんな季節が来たなぁと想うわけです。この CM、もちろんおおよその方が快適の象徴のように受け止めて、今夜は鍋にしょう、シチューを作ろうと想うから流れているわけで、イメージとしては肌寒くなった時の快適の象徴なんです。ちょっとショッキングなタイトルですが、今回はそんな表現を深掘りしてみたいと思います。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:16 | comments(0) | - |
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