住まいを買うものから、少しずつ紡いでいくようなものにしていくことが、住まいづくりがどんどん難しくなってきている近年の状況の改善へのヒントになるのではないかなと思ったりします。完成品を買って、せっかくとんでもない投資をしたにも関わらず、借り物のように暮らす、あるいは世間一般のいう常識という範疇に囚われて、自身の方を空間に馴染ませて暮らすということにならないように、厳しい時だからこそ考察していくことが良いのではないかと想うのです。
住まいづくりはまさに大きな転換期にあるのではないかと思います。温熱性能に全く無頓着なこの国にあって、私は数十年その改善を望み高性能住宅の普及と実戦に向かってきました。私の行いなど影響はほとんどないでしょうが、想いは幸運にも時流に乗り、来年の性能義務化の法整備、一般の方への認識の普及もずいぶん改善してきたなと実感があります。さて、経済が伸び悩み、コロナと戦争で流通が壊滅的なダメージを受けて、建設コストが急激に上がってしまった今、どうしていくかということを想う時、必ずしも今の方向性だけで良いというわけではないので、自分なりの動きわしていきたいと今想っています。時代が変わる時には、徒花のように突然わっと広まって、すぐ消えていくものも多く散見します。これからが正念場、住まい手のための住まいというものをしっかりと考えていきたいと思います。(おわり)
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