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【書評】「理不尽な進化」の先にあるのは、人間か大腸菌か【吉川浩満】
「人間と大腸菌、どちらが進化した生き物だと思う?」 大学の頃、留学生の友人にこんなことを尋ねられた。当時の私は相手がそう答えさせようとしているのだなと勘繰りながらも、「人間」と答えた。私はてっきり「残念、大腸菌です」という答えが返ってくるのだと思っていた。大腸菌の能力を引き合いに出し、人間より勝っている云々という話が続くのではないかと邪推したのだ。しかしそうではなかった。 「残念、人間も大腸菌も同程度に進化しています。何故ならどちらも環境に適応して生き延びているからです」 成程、確かに言う通りかもしれない。生存戦略として人間は知能を発達させたが、大腸菌は繁殖能力を手に入れたのだ。その進化の差を…
立花隆「思索紀行 下」(ちくま文庫) 先に上巻の案内をしたのですが、あれやこれやで下巻の案内が遅れていました。昭和を代表するジャーナリストというような言い方をするのは、少し大げさでしょうか。もっとも
7:20am起床。ヤクルト、ヨーグルト、玉ねぎのネット、シュレッダーなど最後にあれこれ集めてゴミ袋へ。いつもなら出さない量だが出しちゃおう。今年からトイレのスリッパを「使い捨て」タイプのにして、これがとても良い。年末なので新しいのとチェンジした。↓こういうぺらっぺらのやつ。 www.askul.co.jp 8am直前、ゴミを出しがてらセブンで「カフェラテ」の大を買う。250円。前回は小さいサイズで量に泣いたんだが、今回はまぁまぁ。帰宅してカフェラテ飲みながらブログ、ネット、前日のはてなのアップ。 11amから、ちくま文庫読む。 お昼は昨日作った野菜の闇鍋をベランダから持ってきて、地獄の釜のごと…
京都新聞の読書欄に「あの頃、忌野清志郎と」という本のレビューが掲載されていて、発売されていたことを知った。ちくま文庫で文庫本になっていたのだった。2023年03月13日頃に発売されたという。5月2日はキング・オブ・ロック・忌野清志郎の命日だ。今年はもうすっかりそのことを忘れていた。けれども新聞でこの本のことを知ると、読みたくなった。どこかでまだ清志郎のことを忘れられない自分がいるのだ。いや、忘れられない、ではない。忘れてはいけない人だ。清志郎は忘れてはならない人なのだ。まだ清志郎を忘れていない。その自分にほっとした。あの頃、忌野清志郎とボスと私の40年片岡たまきこの本の著者は元RCサクセションのマネージャーで、衣装係や、そしてファンクラブ会報誌の編集も担当した女性だという。(扉の紹介より)単行本は2014...あの頃、忌野清志郎と
週刊 読書案内 茅辺かのう「アイヌの世界に生きる」(ちくま文庫)
100days100bookcovers no91 91日目茅辺かのう「アイヌの世界に生きる」(ちくま文庫) 前回、YAMAMOTOさんからのご紹介が檀ふみの『父の縁側、私の書斎』でしたので、当初、檀一雄つながりで、若い頃によく読
《2004書物の旅 その16》 「水曜日は狐の書評」(ちくま文庫) 今から20年ほども前に、「日刊ゲンダイ」という夕刊紙に、毎週水曜日、「新刊読みどころ」という評判の書評コラムが載っていました
週刊 読書案内 安田登『異界を旅する能―ワキという存在』ちくま文庫
「100days100bookcovers no35」(35日目) 安田登『異界を旅する能―ワキという存在』 ちくま文庫 SODEOKAさんおすすめの吉田秋生の『BANANA FISH』のあとを、KOBAYASIさんはどんな本を選ぶのでしょう
週刊読書案内 朴沙羅「家(チベ)の歴史を書く」(筑摩書房)
朴沙羅「家(チベ)の歴史を書く」(筑摩書房) 2018年に出版された本です。書いたのは朴沙羅、1984年生まれの在日コリアン二世の女性です。出版当時、京大の社会学の博士課程を出て、神大の博士課程
南伸坊「笑う茶碗」(筑摩書房・ちくま文庫) 単行本は2004年の新刊です。今ではちくま文庫になっています。著者の南伸坊は「ガロ」の編集長をしていたりした人で、路上観察とかハリガミ考現学とか、1980年代
吉田篤弘「つむじ風食堂の夜」(ちくま文庫) なんと、もう10年以上も前のことになってしまいました。実はこの原稿は以前高校生に案内したリニューアルなのですけれど、僕はそのの当時、とりあえず年間
木田元「闇屋になりそこねた哲学者」(ちくま学芸文庫) それぞれの時代には、それぞれの青春があります。十七歳、十八歳という年齢は、自分自身がオリジナルでありたいということを強く意識する一方で、時代
「コメント力」齋藤孝著、ちくま文庫、2007年6月コメント力――「できる人」はここがちがう(ちくま文庫)齋藤孝筑摩書房著名人や漫画などのコメントから、コメントを求められたときに、一言、二言で端的に自分の感じたことや考えたことを表現する力を磨く本。コメントを引用されている著名人は、アーノルド・シュワルツェネッガー、古今亭志ん朝、寅さんら。漫画は、エースをねらえ、天才バカボン、スヌーピーなど。人のコメントを紹介して本にできるなんていいなあと思う反面、引用したコメントに対するコメントに、大学教授やテレビのコメンテーターとして活躍する著者ならではの巧みさを感じました。日本のビジネスシーンで使うと、引かれたり呆れられたりするコメントも多いです。日常会話でなら使えそうです。「映画に対する1行コメントを考えてみる」(P...コメント力
後藤繁雄「独特老人」(ちくま文庫) 最初に断っておくが、自ら、老人の境地をかみしめる年齢というわけで、こんな書名に気持ちが引かれたのではない。著者に対する、単なる好奇心から手に取っただけな
由良君美「みみずく偏書記」(ちくま文庫)―フクロウ氏へ捧ぐ―
「ハックルベリー・フィンの冒件」の案内の時に、若い文学を愛するお友達に「フクロウ氏」などと勝手なニックネームを付けた手前というか、そういえばというか、自ら「みみずく」と名乗ったものす
《人間というのは都合のいい生きもので、日ごろの所業を棚に上げ、初夢はめでたいやつをぜひひとつ、なんて都合のいいことを神頼みする。が、そうは問屋がおろさない、反対にひどい夢を見たりするもん
今でもあるのかどうか知らない。昔、使っていた筑摩書房の教科書。一年生の最初の教材に演出家?竹内敏晴のエッセイ「出会うという奇跡」というエッセイが載っていた。いかにも新入生向けの題がついていて
芥川龍之介 「地獄変、その他」(芥川龍之介全集 ・ちくま文庫)
高校一年生の国語の教科書に『絵仏師良秀』(宇治拾遺物語)という説話が出てきます。 自分の家が燃えるのを目の当たりにして「あはれしつるせうとこかな」、つまり「ああ、もうけ「所得」たものだ」をしたと嘯
週刊マンガ便 吉田秋生「増補ハナコ月記」(ちくま文庫) 秋になりました。夏の間に散らかして、身動きが取れなくなったので、机の周りを片づけていると出てきました。マンガです。なんで
週刊 読書案内 加賀乙彦「日本の10大小説」(ちくま学芸文庫)
週刊 読書案内 加賀乙彦「日本の10大小説」(ちくま学芸文庫・1996年刊 かつて、イギリスの作家サマセット・モームが「世界の十大小説」(岩波文庫)というエッセイで選んだ作品をご存知でしょうか。
2004年《書物》の旅 (その11) 別役実「思いちがい辞典」(ちくま文庫) 先日、(2004年の先日)別役実という劇作家の「賢治幻想 電信柱の歌」という演劇を観ました。傘付裸電球の街