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よていの話。

つばめさん

ツバメが巣作りの場所を探して家々の軒を飛び回る季節。

カレンダーをめくれば、連休中の予定がこまごまと書きこまれている。

友達とのランチ、地元のイベント、親戚の集まり。

ずっと前から予定していて、どれも楽しみなんだけど、ふと思ってしまう。

なんか…ちょっとめんどくさい…家にいたいな…

その感じが懐かしくて笑ってしまった。

すっかりふてぶてしくなった今じゃ想像もつかないが、私はひどく神経質な子供だった。

ひょんなことでメソメソして、よく大人を困らせたが、よく泣いたのは遠足の前日。寝る前になって、パジャマで布団の上で

あした行きたくない…お休みする…

などとゴテるのである。

行かない理由は持ち物だったり、班行動のメンバーだったり、色々だが、要するにイイワケで、つまりはただ行きたくないのだ。

遠足がイヤなのではない。

予定が決まるとカレンダーに印をし、しおりが配られれば念入りに読み、オヤツは何にするか、リュックに何を入れるか、どのズボンをはくか、迷って迷って、楽しみに待つ。

ところが、明日はその日という時になって、一気に憂鬱になり、行きたくなくなる。

あれはどういう心理なんだろう。

そのくせ行ってしまえば誰よりも楽しんで、遠足=楽しいという経験ばかりが重なり、前日の憂鬱は、次の遠足まですっかり忘れているのだ。

連休の予定も、行けばきっととても楽しいだろう。大人なんだから、もう泣いたりしない。小さな憂鬱は心の隅っこにしまって、当日を待とう。



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むかしむかし | コメント(12) | トラックバック(0) | 2015/04/30 09:38

てにすの話。

天気がいいので、午後はブラブラ歩いて買い物に出た。

ムスコやムスメが卒業した中学の横を通ると、テニス部が練習をやっている。

まだ新入生がケツを割る前なのか、たくさんの部員がいて、意味不明の大声を出している。

はいた~ いと~ !

はい! た~いと~ !

微妙にニュアンスは違えど、決まり文句のようだ。

ここを通るたび、あの掛け声は何の意味があるんだろうと考える。

野球のような集団競技で、チームが声をかけあうのならわかる。だが、テニスは個人技である。

私のような運動音痴には、非常に奇異に思える。

テニスなんて、合理的にシステマティックに練習するものじゃないんだろうか。

少なくとも、ニシコリケイ君が中学時代、プレーの合間に、歯痛伊藤!とか廃帯刀!とか叫んでいたとは、とても思えないのである。

にしこりけい
(ユニクロ以外のマークもついてることに最近気づいた)

ちなみに「はいたーいとー」は、吐いた伊藤でもハイ対等でもなく「ファイトファイト」と言っているらしい。



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ごきんじょ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/04/29 10:26

こればた話。

スーパーでチーズを見ていたら、バター売り場で笑い声がした。

ハハハ…なにコレ!ヘンな名前!

女の子とお母さんが、黄色い箱を指して笑っている。

まるでばたー

「バター風味」とか、「バター好きのための」とか、やや遠慮がちなネーミングのマーガリンはいくつかあるが、これはまた直球だ。

笑う親子をよそに、私は別種の感慨にうたれていた。

たとえるなら黒船来航の衝撃である。

ついに、日本にまで来たか…。

あたりばたり

イギリス DairyCrest社の「まるでバターみたい」という名前のマーガリンは、発売後20年を経た人気商品である。

イギリス人はベーキングが得意だが、バターを使う人は意外に多くなく、経済的なマーガリンは家庭で大量消費され、日本のマーガリンの3倍はありそうなデカい容器で売っている。

銘柄もさまざまで、同じバター風味マーガリンにはこんなのもある。

こればた

これがバターじゃないなんて私信じられない!」という商品名。

日本で売り出されたら、きっと「こればた」などと略称で呼ばれることだろう。




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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2015/04/28 09:43

ままぞん話。

ママゾンってご存知だろうか。

ネット通販のアマゾンは、皆さんおなじみだろう。

あまぞん

このダンボールのamazonのロゴの部分にちょちょいと細工をして

ままぞん

ママが、家を出て生活している息子や娘に、物資を送るのが、mamazon

本家アマゾンは書籍から生きた金魚、今話題のドローンまで、いろんなものが注文できるが、ママゾンは食料品が主なようだ。

うちにも下宿して大学に通うムスメがいるが、そういえば援助物資は送ったことがない。

下宿近辺のほうが、ずっと便利で買い物しやすいし、うちには送る価値のあるオフクロの味なんて、ないからだ。

ムスメの食生活は業務スーパーとバイト先のまかないが、ちゃんと支えてくれる。

そんなムスメから珍しく電話があった。

大学に出す書類がいるんだけどさ…こっちでプリントアウトするから、スキャンして送って!

えー、スキャナなんか使ったことないよ、できるかなあ…

できるできる!ガンバってね~!

やむなく、ふだんはコピーにしか使わないプリンタのマニュアルを見て、四苦八苦してスキャンしたデータを、なんとかメールに添付した。

メールのタイトルは「できた!」。

ムスメからは「おめでとう。ありがとう。」と返信が来た。

今のところ、私がムスメに送ってやったのはあのデータだけである。




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ごかぞく | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/04/27 08:18

げせない話。

駅前で若い女の子がチラシを配っていた。

美容室スマイルでーす よろしくお願いしまーす

などと言いながらB6のチラシを差し出すが、ほとんど受け取ってもらえないでいる。

私は、差し出されたチラシは、よほど荷物が多くない限りもらうことにしている。

もらったってロクに読みやしないのだが、野天のチラシ配りは決してラクな仕事ではあるまいと思うと、無下にするのも忍びない気がするのだ。

いわば巡礼にご報謝、というような気持である。

そういえばしばらく髪を切っていないなと思った。さいわい時間はある。

チラシを持って、美容室スマイルに行ってみた。店舗は新しく、雰囲気は悪くない。

びよういん

ご予約ですか?

いえ、今このチラシを駅前でもらったので…

ただ今混み合っておりますので、お待ち時間2時間ほどですが…

チラシで勧誘しておいて待たせるとは、大きく出たものだ。いくら時間があるといっても、2時間もただ待つのはイヤだ。

若いときなら即座にムッとして帰ってしまうところだが、最近の私は気が長い。翌日の予約を取ってみた。

予約の時間に行くと、丁寧な受付の後、ソファに案内されて20分

椅子に座らされ、ケープを着せられて、雑誌を差し出されて15分

ことあるごとにとにかく待ち時間が長いのだ。どうも、全般に人員が足りてないようだ。

待たされ疲れでくたびれて店を出、駅前を歩いていたら、昨日のチラシ配りがいた。

美容室スマイルでーす よろしくお願いしまーす

この子だって従業員なんだから、美容師のタマゴか何かだろう。チラシ配りなんかやめさせて、シャンプーでもさせた方が、お客も待たずに済むはずなのに。

部外者のあずかり知らぬところではあるが、解せない経営方針だ。

また差し出されたチラシを、今日は断った。



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ごきんじょ | コメント(14) | トラックバック(0) | 2015/04/26 09:55

むいむい話。

青葉萌え出づる美しい季節。

それだけならいいのだが、虫類も涌き出てくるのは避けようがない。

私は虫には詳しくないので、チョウチョ、トンボといった一目瞭然な虫以外の小虫は、一括して「ムイムイ」で片づけている。

(ムイムイ … 関西で虫を指す幼児語)

昨日は自転車に乗っていて、左目にムイムイが飛び込んできた。

…という言い方は正確ではない。移動していたのは私のほうなので、たむろしていたムイムイの中に、私の左目が突っ込んだのである。

ムイムイに飛び込まれた左目は痛かったが、ムイムイのほうは生命の危機である。

それにしてもムイムイは、なぜあの絶妙の位置・高さにたむろするのであろうか。

そもそも、歩道という場所の選定に誤りがある。

また、あと30センチ上または下なら、人が歩いていようが、自転車で来ようが、問題はない。

よりによって、歩道の上空1.5メートル界隈にたむろっていたせいで、濡れた球の表面 (注・目玉のこと) にへばりついて死ななければならないのである。

ムイムイには今後、車道の上空5メートルにたむろするよう、進化することを勧めたい。

しゃどうじょうくう



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2015/04/25 07:06

すきまの話。

ワイドショーをつけていたら、中国で沼地に落ちたゾウを助けている映像が流れた。

たすける

数えているわけじゃないが、こういう救出映像って、週に1回は必ず見ている気がする。

ポイントは

1.アジアのどこかで

2.身動きならないスキマや穴に

3.動物子供がはまり込む


この3つである。

たまに、アメリカで犬猫を助けるのが混じることもあるが、アメリカの犬は凍った池にはまり、ネコは公園の木に登っているので、この範疇には入らない。

アジア圏には、欧米よりも、狭いスキマや穴が多いのだろうか。

それとも、アジアの動物(および子供)は、スキマに入りがちなのだろうか。

同じようなニュースがあまりにも多いので、もしかしたら、この手のニュースだけを集めて配信する会社があるのではないかと思う。

スキマニュース社(仮称)のニュースは、ニュース番組のスキマを埋めるために用いられるのである。

それにしても、動物は仕方ないにしろ、子供には

あんまり狭いスキマにムリに入るんじゃありませんよ!

と、教えたほうがいいのではないか。アジアの幼児教育の専門家諸氏に、一考を促したい。



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/04/24 08:57

ハンメン本。

今日4月23日はサンジョルディの日。スペイン、カタルーニャ地方に起源を発する、本を贈り合う日だという。

日本でも、30年くらい前から、書店商の組合が紹介しているが、どうもバレンタインデーのようにうまく広まらないらしい。

本というのは中身のあるものだけに、うかつにあげると人格も疑われかねない。人に本を贈る、というのは、チョコをあげるように無邪気にはできないことのように思う。

私も、自分のコドモ以外の人に、本をあげた経験はない。

逆に、親以外の誰かに本をもらったことってあったっけ?と考えて、一つだけ思い出した。

学生時代、ハヤシ君という青年が、こんな本をくれた。

ふどうき

(「小説日本婦道記」 新潮文庫)

経緯は忘れたが、確か

キミもこんなの読んでみたらいいんじゃない?みたいな感じで手渡されたと思う。

武家の定めの中で、夫のため、子のために生き抜いた日本の妻や母の、強靱さと美しさ、哀しさがあふれる感動的な作品…と、アマゾンの解説にもあるが、そういう本だ。

念のため申し添えるが、ハヤシ君は単なる同級生。

女性としての私に、かくあれ、と指図できるような関係でも立場でもない。

タダでもらったから、ケチの私はとにかく読んだが、こんな本をよこしたハヤシ(もはや呼び捨て)に対し、

あんにゃろ、何様のつもりだ

という反感がむらむらと湧き起こったことしか覚えていない。

小説自体は名作なのだが、出会いかたが悪かったとしか言いようがない。

結果、せっかくの名作を反面教師として、男を男とも思わず、婦道のフの字もたしなまない、こういうオバハンができてきたわけである。

ハヤシのヤロー(ひどい)が私にこの本をくれたについてどんな思惑があったにしろ、それは失敗に終わったことになる。

本のプレゼントは、かくも難しい。サンジョルディーの日、定着は絶望的であろう。



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ブックガイド | コメント(12) | トラックバック(0) | 2015/04/23 09:44

くるくる話。

これは、関西のあるデパートの紙袋の模様である。

くるくる 001

頭文字のKをもちいた、単純な模様だが、1カ所非常~に気持ち悪いところがあるのにお気づきだろうか。

くるくると一筆で描かれたループ模様を、指でなぞってみるとすぐわかると思う。

そう、この部分。

くるくる 002

Kのしっぽが、自然に一回くるんと丸まったのを、ちょうど筆記体のSを描くようにして、ループの向きを変えているのだ。

もし、方向転換をしないで、くるくるを続けると、ループはこのように内向きになってしまう。

snap_okkanabikkuring_201542224431.jpg

なんだか子供の描いた雲のようにモクモクした、パッとしない形だ。

やはり、ヒマワリが咲くような外向きループのほうが、明るく景気よく、デパート向きだろう。

それは分かるのだが、しかし私はどーしても、最初の方向転換の部分が気になるのである。

電車でこの紙袋を持った人が前に立つとつい、ヒザの上に指で、Kで始まるくるくる模様を描いてしまう。

なんとか方向転換の気持ち悪さを解消できないものかと、何度も、何度も描く。

隣に座った人はきっと、このオバサンヒザがかゆいのかしら、と思っているに違いない。



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2015/04/22 08:53

さんかい話。

汗ばむ陽気だったので、食後のコーヒーをアイスにした。

アイスコーヒー

今年度初のアイスコーヒーだわぁ!

と言ったら、ムスコがぶすっとした顔で

それ、こないだも言ってた…

うっそ!いつ?

旅行の時、美術館のカフェで…

そうだ、あの日は天気がいいなか、けっこう歩いて、のどが渇いたんだ。

ままま、旅行は非日常だから…ベツモンだよね…

と、言い訳しながら、さらにガックリくることを思い出してしまった。

その前に、旅行の相談兼ねておばーちゃんとご飯食べたとき、アイスコーヒー飲んで

今年度初のアイスコーヒー!

って言ったわ私。

3回もおんなじこと言って、しかも忘れるか…。

今年3度目のアイスコーヒーは冷たくておいしくて、苦かった。




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もろもろ | コメント(10) | トラックバック(0) | 2015/04/21 09:24
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