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しぼうの話。

さいきん牛乳は低脂肪にしている(→すきむど話。)。

はじめはちょっと薄く感じて物足りなかったが、もう慣れた。

生協で注文すると普通の牛乳より30円安いのも魅力である。

抜いた乳脂肪は、バターになるんだろう。その分が安くなるわけだ。

ところが、生協の配達が止まって、近所のスーパーに行ってみると、どういうわけかこちらでは、低脂肪乳のほうが7円高い

ビンボーな私は簡単に宗旨替えし、安い牛乳を買ったものの、なにか釈然としない。

乳脂肪を抜き取っておいて、値段が上がるとは、どういうことか。

バターを作ってるんじゃなかったのか。

釈然とせぬまま帰宅し、買ってきた牛乳を飲む。

低脂肪牛乳に慣れた舌に、普通の牛乳がおいしく感じるか、といえば、正直よくわからない。

抜いた脂肪はどうなるのか、それもわからない。

世の中、わからないことだらけである。

首をかしげつつ飲んだ、普通の牛乳も、もうすぐ無くなりそうだ。

ここ10日ばかり、台所から話題をお届けしてきたが、そろそろ外に出かけようか。

すきむど



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/10/31 11:30

しいたけ話。

八宝菜にするかな~ あ、中華丼?

しいたけ

買って忘れていたシイタケを、何にしようかと迷っていたら、もう何年も前の、小さな出来事を思い出した。

お天気のいい、秋の日の昼下がり。

買物帰り、気分よくブラブラ歩いていたら、前を大荷物の子供が歩いていた。

めいめいが、工作の作品を持っている。

授業で作ったにしては、えらく大掛かりだから、学芸会の小道具かもしれない。

中の一人など、手に持ちきれない大きな笠のようなものを、頭にのせている。

かわいくてつい、声をかけたくなった。

本当は三度笠に見えたけど、股旅なんて言っても小学生にはわからないだろうと

何の帽子?カウボーイ?

なるべく愛想よく聞いてみたら

しいたけ!

戻ってきたのは、予想外の答え。

言われてみれば、笠のてっぺんに、切り込みらしきバツ印まで入っている。

ハハハ…そうか~ シイタケか~

あの子ももう、大学生くらいかしら。

今日もあの日のように晴れだから、きっと夜は冷えるだろう。

私もシイタケに切り込みを入れて、鍋にしよう。



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ごきんじょ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/10/30 11:30

ふしぎの話。

あきのほうりゅうじ

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

この季節、子規の句は多く人の口に上るが、では法隆寺の七不思議をご存じだろうか。

1・鯛石 洪水が来ても水はここまでしか来ない
2・伏蔵 掘ると財宝が出るといわれる
3・クモの巣が張らない
4・スズメがフンをしない
5・塔の大鎌 五重塔の支柱に4丁の鎌が刺さっている
6・雨だれの穴が無い
7・礼盤の汗 本尊の前の木製の壇の裏がいつも濡れている


…とまあこうスラスラと書けるのは、冷蔵庫に貼ってあるからだ。

マグネットで予定表などを貼っているお宅は多いと思う。

うちでは、実用的な用途には、コルクボードを用いるので、冷蔵庫に貼るのはこういう分類不能な紙ばかり(→めもった話。)である。

開閉に支障をきたすので、減らしはするが無くなることはなく、いつも何かしら貼ってある。

今はこの七不思議を紹介した子供新聞の記事のほか、走り書きのメモや、展覧会のチラシなど。

メモしてあるのは

ナットウキナーゼ サンショオール

食材の有効成分が、納豆、山椒という日本の食材にちなんで命名されているのを面白く思うと同時に、他に無いかなあと作ったリストだ。

海のミルク、森のバターといった別名シリーズに続く、個人的な課題である。

展覧会のチラシも、見なければいけないようなものは、ここには貼らない。行っても行かなくてもいい、でも気になる、そんなのばかりだ。

冷蔵庫の扉のもろもろは、きちんと決まった仕事や学校の予定表とは違う。

しかし、これもまた、未来の目標を示してくれる、私の予定表なのだ。

さあ今日は、チラシを持って、展覧会に行ってこようかな。

また!なにこれ?
(「また!ナニこれ?」奈良市出土の使途不明品 奈良市埋蔵文化財調査センター 10月1日~11月30日)



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/10/29 11:30

ばりばり話。

あ、プラゴミ、プラゴミ…

台所に駆け込んで、分別ゴミ箱を開ける。今週はロクに料理しなかったので、ゴミも少ない。

少ないなァ…

少ないと、ゴミ袋がもったいない気がする。あきれた貧乏性だと、自分でも思う。

キョロキョロ見回したら、飲みかけの2リットルペットボトルが目についた。

本体は資源ゴミだが、ラベルはプラスチックゴミだ。

ぺりぺりと剥がしてゴミ袋に入れたが、なにほども増えた様子はない。

ふと思いついて冷蔵庫を開け、ヨーグルトを1つ出す。

いつもならゴミを出してから、ゆっくり食べる朝食。台所で立ったまま食べて、カップをゆすぎ、ゴミ袋に追加する。

うーん…

まだまだ袋が膨らまないので、再び冷蔵庫を開け、3玉入りのヤキソバを発見した。

ソバもソースも個包装になっているから、外の袋をバリバリと剥がす。袋には作り方が書いてあるが、これくらいなら読まずに作れるだろう。

ついでに野菜室を見ると、今夜煮るつもりだったジャガイモがある。これもバリバリ袋を破いて、中身をゴロゴロと流しにあける。

ヤキソバとジャガイモの袋を入れたところで

これはアレだな 深爪して血が出るという…

ようよう我に返って、袋の口をキュッと縛った。

たいして増えなかったゴミ袋を手に、表に出る。今日も快晴だ。

ばりばりでんせつ



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/10/28 11:30

りょうりの話。

忙しくて家事をおろそかにせざるを得ないとき、うちで最初にシワ寄せが来るのは料理である。

どんなに散らかってても、お食事はちゃんとしたい、という人もいるだろうから、人それぞれ。

私は見えているものが気になる質なので、家が荒れていると気分が落ち込むが、食べるものは少々お粗末でも平気である。

食品庫を開ければ、1秒も料理せずに食べられるものが、あんがいたくさん見つかる。

レトルトは言うに及ばず、お豆腐、ツナ缶、お腹を満たすだけならそれで十分だ。

今でこそ公言してはばからずにいるが、昔は後ろめたかった。

専業主婦の時代、小さな子供もいて、日々台所に立ちながらも

料理イヤだなあ…

思ってしまう自分に罪悪感を覚えていた。

主婦という境遇を含め、なんだか悶々としていたころ、ヒサコさんと知り合った。

たかぎはつえ

業界の大先輩、神様みたいな方なのだが、経歴にそぐわぬこの見た目。(→ゆうじん話。

ふだんは何をしてるの、というお話から、趣味の話題となり

お料理もねエ…凝ったことはあるけど…

在外の長かった人なので、ゲストを招いた本式のクリスマスディナーなど、華麗な経験談のあと

まァ何時間かけて作っても 食べれば終わりだからネ

今はパンをトースターに入れるくらいで、何にもしない、という。

憑き物が落ちたわ、ハハハとほがらかな笑い声に、私のわだかまりまで吹き飛んだ。

料理キライで べつにいいんだ

もちろん、経済が許さないから、それからも黙々と、料理はしている。あのとき、キライでいいと思えたから、続けられたのかもしれない。

やればできるし、食べればおいしい。でも、やらずに済むならしたくない。

私にとって料理は、そんなものである。



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もろもろ | コメント(4) | トラックバック(0) | 2022/10/27 11:30

ちょうりの話。

ぶんしちょうりとやら

今朝のテレビは分子調理とやら。

美味しさを科学的に分析し、分子レベルの原理に基づいて、調理方法を開発するという。

高価な機械を使ったり、オデンの大根を油で揚げたり、ふつうやらないことをして騒いでいる。

新しいもの全般に反感を持つ、という困った性分にくわえ、料理にも不熱心な私は

オイシイだのマズイだの、ウルセエんだよ!

気づけば画面に向かってシカメツラをしていた。

だいたい、食物をやたらアレコレ細工するのは、人間の傲慢である。

調理というのは、本来食用に適さないものを、食べられるようにするために行うものだ。

おいしいものを食べる幸せ、というのはたしかにある。

しかし、食物を、むやみに人の味覚に寄せる、というのが、どうも不健康に思えてならない。

かつては採っただけ、焼いただけで、おいしかったはずだ。

単純な調理をおいしいと感じなくなった、人間の味覚には、改める余地はないのだろうか。

得意げに食材をいじくり倒しているのをケッとせせら笑ってから、テレビをバツンと切った。



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てれびじょん | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/10/26 11:30

ちゃいろの話。

生協の配達がなくなって(→ひょうろう話。)、困っているのは実家の母も同じである。

季節の変わり目、体調もいまひとつだというから、代わりに買物をして、届けることにした。

マイド~!

景気づけに大声を出して、勝手口を入ると

ゴメンネ 朝から血圧がちょっと…

申し訳なさそうに立ってくるおばーちゃんに

いいよいいよ ついでだから 先にしまっちゃうね~

座っているように言ってから、台所へ。

実家の冷蔵庫は、あいかわらずの混沌に支配されている。

古そうなものを勝手に抜き出し、おばーちゃんに黙って捨てたあと、できた空間に、頼まれて買ってきたものを入れる。

あ、アイス買ってきたからね~

自分では買ってきてとは言わないが、アイスを買っておくと、ちゃんと食べてある。

食が細くなってきた老母には、カロリーや乳成分の豊富なアイスクリームを食べてほしい。

よーろぴあんしゅがーこーん
(最近の母のお気に入りのアイス)

さっそく口に運びながら、テレビの旅行番組を見ていたら

そういえば ドコソコで食べたソフトクリーム…

昔行った観光地を思い出したらしい。

おいしかった?

ううん その逆…

マズかったんだ

なんだかね 名産の何か混ぜてある…

ああ、あるね、わさびソフトとか、醤油ソフトとか

ワサビやしょうゆじゃなかったわ あれ何だったかしら なんか茶色の…

しきりに記憶をたどるが、思い出せないようだ。

いいじゃんもう 美味しかったんならともかく マズかったんだから

うーん でもねえ~

まあたしかに、思い出せなくて引っかかる気持はわかる。

アイスを食べ終え、テレビも終わって

じゃあアタシ帰るね~

玄関で靴を履いているときも

ホントに何だったかしら なんか茶色の…

おばーちゃんはまだ考えていた。



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ごかぞく | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/10/25 11:30

じゃぐちの話。

うちは築30年以上の中古で、台所の蛇口は、上から下に押して出す(→てあらい話。)。

おゆのじゃぐち

今は逆に、上げて出し、押して止めるタイプが主流である。

よそのお宅に行くと、水を出そうとしてガン!と抵抗を受けたり、止めるつもりでジャー!と出したり、失敗が多かった。

なんとかしたいとは思いつつ、使い続けてきたのだが、この度めでたく直らない水漏りが発生し、蛇口を取り換えることにした。

ピカピカの蛇口が、ボロい台所に光を放っているようで、やっぱり新しいものは気分がいい。

上げると出る機能にも、すぐに慣れた。

使い始めてすぐ実感したのは、水圧の強さである。

ジャーと出る水に勢いがあるのに、水流に細かな泡が入っていて、ハネが上がらない。

さすが新製品には工夫があるなあ

なにしろ、比較の対象が30年モノだから、感心するしかないのである。

もうひとつの進歩は、しばらく分からなかったが、ヤカンに水を入れていて

あれ…なんか時間かかる?

なかなかいっぱいにならないことに、ある日気がついた。

水量を最大にしたとき、一定量の水が溜まるのに、以前より時間がかかる。

つまり、節水になっているのだ。

ジャージャー流してお皿を洗っても、思ったより水を使っていない、ということになる。

こんなに節約したらお金が余っちゃうワ~ ウフフ…

とってもいい気分だから、とりあえず工事費用のことは忘れていようと思う。



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もろもろ | コメント(8) | トラックバック(0) | 2022/10/24 11:30

TKGの話。

家で仕事をしていて、お昼どきになった。

空腹ではないが、抜くとヘンな時間におやつを食べてしまうので、何か食べねばならぬ。

冷蔵庫を開けると、冷やゴハンと玉子があって

チャーハン…いや、めんどくさいな…

こんな時は玉子かけごはんである。

近頃はTKGなどと呼んで、驚いたことにそれを売り物にする専門店があるらしい。

玉子とゴハンなら200円がいいとこだろうと思いきや、千円だ2千円だと、いい値段をとる。

そんな店に客が押し寄せて、行列をなしているというから、さらに驚く。

私見であるが、玉子かけごはんなんて、お金を出して人前で食べるものではない。

時間が無くて、やる気も無くて、そのくせお腹ばかり空いて、そういう醜い自分と対峙しつつ、恥ずかしい気持でコッソリ食べる。

玉子かけごはんをおいしくするのは、高級な玉子でも、銘柄米でもなく

こんなもんで済ませちゃって…

と、後ろめたく思う心なのだ。

レンチンした冷やゴハンに生玉子をかけ、ぞろぞろと啜れば

フフ…おいし…

誰にも見られないうちに、玉子と醤油で汚れたお茶碗を洗って、1人のおひるは終わる。

TKG.jpg



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もろもろ | コメント(12) | トラックバック(0) | 2022/10/23 11:30

ちからの話。

サンドイッチに入れるので、瓶詰のピクルスを時々買う。

ぴくるす

大きなビンにぎっしり詰まった、ウインナーソーセージくらいのキュウリのピクルスは、いちどに1本か2本ずつ使って、数か月で空っぽになる。

今日は新しいビンを開ける…開け…

開かない!

そうだ、このビン、やけにフタがかたいんだ。

まず、写真でもフタの真ん中がくぼんでいるのが見えるとおり、内部が陰圧になっている。

くわえてフタの直径が大きくて、私の手ではしっかりつかめないのである。

フタ開けラクチン!などと銘打った便利グッズも使ってみたが、びくともしない。

満身の力を込めても、かたいフタは回らない。

ああ、衰えたり…

加齢で握力が無くなったせいだと思うと、ガックリだ。

それでも、フタとビンの間にキッチンバサミを突っ込んでこじたり、暖めたり、加齢では衰えないしつこさでアレコレやっていると、ふいに

…アイタ!

ケガをしたのではない、フタが開いたのである。

ィヤッター!

ひとしきり喜んで、中身を取り出したビンのフタを再び閉め、冷蔵庫にしまってから

そういや 前のビンも苦労したんだった…

ふと思い返す。

そして今回も、その前も、けっきょくどうやれば開いたんだったか、サッパリ思い出せない。

衰えたのは握力ではなく、記憶力なのだった。



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もろもろ | コメント(6) | トラックバック(0) | 2022/10/22 11:30
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