つきあっていた当時、14歳年上の夫は、女性(39)をお姫様のように大切にしてくれた。職場の上司で、優しくて、頼りがいがある。いつも思い切り甘えていた。
2年間つきあい、妊娠がわかった。夫は涙を流して喜んだ。
雲行きが怪しくなったのは、里帰り出産後だった。最初のころ、夫は週1回は息子の様子を見に来た。ところが次第に足が遠のいていった。
「次、いつ来られる?」とメールしても、10回に1回、返事がくればいい方だった。
出産後は、夫が1人で住んでいた一軒家に家族3人で住む予定だった。でも、その家は赤ちゃんが住むにはあまりにも不衛生で、そのまま住むのは無理だった。
家のことを相談しても夫から返信はない。実家に戻って9カ月が過ぎたころ、思いあまった女性は、義母に連絡した。義母の家は夫の家から近く、そこに住まわせてもらいながら、夫の家を掃除しようと思った。
かくして女性と息子と義母が3人で暮らし、夫とは別居という生活が始まった。
「笑うな」「レシピ見るな」暗黙のルールに支配された家庭
育児の合間をみて家を片付け…
- 岡崎明子
- 編集委員|セグメント編集長
- 専門・関心分野
- 医療、生きづらさ、ジェンダー、働き方
- 【視点】
とある縁で、夫から連れ去られた子どもを取り返す裁判を起こした女性のために、署名運動を行なった経験があります。母子のみならずきょうだいが引き剥がされていました。 夫は10才年上。子どもに接する現場の長で、職場では人々に信頼を寄せられていました
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