京アニ事件5年、遺族や社員ら黙とう「喪失感変わらず胸のうちに」

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茶井祐輝 吉村治彦
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 36人が亡くなり、32人が重軽傷を負った京都アニメーション(本社・京都府宇治市)の放火殺人事件から5年となった18日、事件現場の第1スタジオ跡地(京都市伏見区)で追悼式が営まれた。遺族や社員ら約140人が参列し、黙禱(もくとう)した。

 事件が起きたとされる午前10時半ごろ、追悼式は始まった。白いテントには「追悼」の文字がある祭壇が設けられ、亡くなった人と同じ36本のひまわりがあしらわれた。その前で、従業員の1人が弔辞を読んだ。

 放火された第1スタジオは解体され、いまはない。「ここから見える空は広く、大きく開けて見えます。それがとても空虚に感じられ、同時に心に空いた大きな穴を実感させるのです。5年経った今でも、大切な仲間を亡くしたという喪失感が、変わらず胸のうちにあります」と悼んだ。

 そして、「正々堂々とものづくりに臨む私たちの姿を、これからも見守っていてください」と呼びかけた。

 京アニによると、第1スタジオ跡地には今後、アニメ制作に使う社屋を建てる方針。非公開の慰霊碑を設けることも検討している。これとは別に、事件を後世に伝えるための碑が京都府宇治市の公園に建立され、14日に公開された。

 事件は2019年7月18日に起きた。第1スタジオ内には社員らスタッフ70人がいた。1階フロアにガソリンをまかれて放火され、3階建ての建物が全焼した。

 20年5月に殺人や現住建造物等放火などの疑いで青葉真司被告(46)が逮捕され、その後起訴された。京都地裁は今年1月、「人命の尊さを全く顧みず、罪責は極めて重い」などとして、青葉被告に死刑の判決を言い渡したが、青葉被告は控訴している。(茶井祐輝)

「思う気持ちはますます強く」

 「この5年はあっという間だ…

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