人気漫画「逃げ上手の若君」鎌倉にもゆかりの神社 新たな観光資源に
エリアリポーター・芳垣文子
時代は鎌倉末期から南北朝時代。主人公は鎌倉幕府の執権・北条氏の後継者、北条時行。実在の人物ながら、決してメジャーではない人物に光を当てた週刊少年ジャンプ連載の漫画「逃げ上手の若君」(「逃げ若」)が話題を呼んでいる。
7月からアニメ放送も始まり、舞台の一つ、神奈川県鎌倉市でも「知られざる若君やゆかりの神社などを知ってもらうきっかけになれば」と期待を寄せている。
北条時行は、第14代執権北条高時の息子で鎌倉幕府の後継者。
史実では1333年に鎌倉幕府が滅亡した後、有力御家人の諏訪氏に助けられて信濃国(現在の長野県)に逃れたとされる。1335年に諏訪頼重らに擁立されて「中先代の乱」を起こし、鎌倉を取り戻す。反乱は短期間に終わったものの、その後2度にわたって鎌倉を奪還した――。
漫画「逃げ若」で、北条時行は逃げる才能にたけ、その力を武器に天下を取り返すべく力を蓄える少年として描かれる。諏訪頼重は諏訪大社の当主で神官、神力で未来を見ることができるという設定だ。
連載が始まったのは2021年。作者は「暗殺教室」で知られる人気漫画家の松井優征さんだ。
戦乱の時代に、逃げて生き延…