第2回現実離れした党首選の政策論議 「人びとの困窮こそ最大の危機」

有料記事いま選択の時に

聞き手・小村田義之
[PR]

 連日、政治家たちが国家の行方を語っていますが、足もとの人々のことが本当に見えているのでしょうか。平和学者で宇都宮大学教授の清水奈名子さんは「犠牲になる人びとに目を向けて」と訴えています。

 安全保障や原発政策についての政治家の議論にリアリティーが感じられません。国家レベルの政策論議と、社会で生きる人びとの目に見えている現実が、かけ離れてしまっています。

 岸田文雄政権では、外国の侵略から「国益を守る」ことが喧伝(けんでん)されてきましたが、今の日本を冷静に見るならば、直接的な脅威は「外からの敵」よりも、目の前で起きている政治腐敗、経済格差、人口急減、相次ぐ災害、そして国家の基本が崩れ始めていることでしょう。

 公的な教育を担う教員が足りない。官僚が次々に辞めていく。自衛官も足りない。国家の基本を支える人材が疲弊しているだけでなく、農業、福祉、介護など、生存に不可欠な職場でも深刻な人材不足です。また、若い世代が直面する経済的な困難によって、少子化は加速するばかりです。そして、これらの問題に対応できない政治へのあきらめが広がっています。

国家の危機を語る前に

 福島の原発事故で、日本でも…

この記事は有料記事です。残り1434文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
小村田義之
政治部|戦略機動キャップ
専門・関心分野
政治、外交安保、メディア、インタビュー
自民党総裁選挙2024

自民党総裁選挙2024

自民党総裁選に関する最新ニュースはこちら[もっと見る]