●1月のインキネン指揮の実演前に聴いておいたものです。



④ヨッフム指揮:ベルリン・フィル   ★1964年1月13~24日録音
ブルックナー:交響曲第8番



ブルックナー:交響曲全集
①13:33②13:53③26:35④19:48

★73分ほどで、第3楽章以外は、速めのテンポながらも、手堅い正攻法。

①ソナタ形式
展開部半ばの金管群は強烈。
②ABACAの形式
スケルツォ主題(A)は速めのテンポで鋭利
③ABABA+コーダ
第2楽章が速めのテンポだったせいもあり、穏やかさが際立つ。2度めのAでは、金管群が力強い。
④ソナタ形式
金管群が良く鳴り、メリハリ十分。コーダの終わりは独特なアーティキュレーションで終わる。






⑤ショルティ指揮:ウィーン・フィル    ★1966年8月22~29日録音
ブルックナー:交響曲第8番



ブルックナー:交響曲第8番



①15:10②14:32③24:49④20:45

★速めのテンポながらも手堅い正攻法。メリハリも十分。録音もオケも良好。

①ソナタ形式
メリハリ十分。
②ABACAの形式
スケルツォ主題(A)は切れ味良好。トリオは美しい。
③ABABA+コーダ
タンタンとして、比較的冷静沈着ながらも、頂点では迫力十分。
④ソナタ形式
提示部第1主題は、「暴れん坊将軍」ショルティらしく勢い十分で力強い。この楽章でもティンパニが強烈。コーダのファンファーレにアッチェレランドがあり、一層盛り上がって終わる。




⑥ベーム指揮: ウィーン・フィル  ★1976年2月2~5日録音
ブルックナー:交響曲第8番



ブルックナー:交響曲第8番


①14:51②14:21③27:47④22:58

★ベーム(1894~1981)晩年の80歳過ぎの録音。
年齢の割にはテンポが緩むこともなく、バランス良好な正攻法。オケのせいか?比較的重心が低く、重厚感もある。

①ソナタ形式
展開部前半から金管群も良く鳴り迫力十分。
②ABACAの形式
速めのテンポで手堅い。
③ABABA+コーダ
録音も良く、弦の響きが美しい。5分過ぎのハープも臨場感豊か。
後半の頂点では金管群が豪快に鳴る。
④ソナタ形式
コーダは悠然と鳴るが、バランスも分離も良好。




⑦ヨッフム指揮:シュターツカペレ・ドレスデン    ★1976年11月3~7日録音
ブルックナー:交響曲全集




ブルックナー:交響曲第8番



ブルックナー:交響曲第8番(1890年版 ノーヴァク編)


①13:53②13:53③27:22④20:44

★ベルリン・フィルを振ったDG盤(④)よりは多少遅めのテンポ。オケのせいか?響もまろやかで④よりは聴きやすくもある。

①ソナタ形式
13分代のテンポで、やはり速い。
②ABACAの形式
トリオは優美
③ABABA+コーダ
遅めのテンポで、どちらかと言えば、穏やか
④ソナタ形式
提示部第1主題やコーダの冒頭も迫力十分。




⑧ヴァント指揮:ケルン放送交響楽団   ★1979年5月28、6月2日録音
ブルックナー:交響曲第8番




ブルックナー:交響曲第8番



①15:42②15:02③26:07④24:21

★メリハリ十分。手堅い正攻法。
オケが異なるせいか?録音のせいか?晩年のヴァントよりは穏やかな演奏

①ソナタ形式
提示部の終り、ホルンの後のオーボエ・ソロあたりは、テンポが緩む。
②ABACAの形式
中庸なテンポで手堅い。
③ABABA+コーダ
多少遅めのテンポ。最初のBのチェロは、渋い響きで印象的。
④ソナタ形式
コーダの入りは悠然と鳴るが、迫力も十分。





⑨テンシュテット指揮:ロンドン・フィル    ★1982年9月24~26日録音
ブルックナー:交響曲第8番



ブルックナー:交響曲第8番









①14:16②14:00③26:02④21:04

★ベルリン・フィルとの録音や、ロンドン・フィルとのライブ録音もあるらしい。
こちらは、セッション録音で、手堅い正攻法。

①ソナタ形式
展開部の頂点では、ティンパニが力強く鳴る。
再現部のファンファーレ風なところも迫力十分。
②ABACAの形式
勢いもあり、彫りも深い。
③ABABA+コーダ
中庸なテンポで手堅い。
④ソナタ形式
コーダのトランペットのファンファーレはアッチェレランドがあり勢い良く終わる。最後の最後は短めのアーティキュレーションで終わる。(ヨッフム盤に似ている)




その3へ続く
●その1は、こちら







作曲家 人と作品 ブルックナー (作曲家・人と作品)



ブルックナー (新潮文庫―カラー版作曲家の生涯)



ブルックナー 作曲家別名曲解説ライブラリー 5





 



ブルックナー/マーラー事典 (全作品解説事典)










こだわり派のための名曲徹底分析―ブルックナーの交響曲










アントン・ブルックナー―魂の山嶺



ブルックナー










ブルックナー―音楽の手帖 (1981年)










★交響曲第8番の初演を聴いたハンスリックの痛烈な批評も収録されていて、大変に興味深い。





吉田秀和作曲家論集〈1〉ブルックナー、マーラー











宇野功芳著作選集〈1〉モーツァルトとブルックナー









ブルックナー―その生涯と作品



吉田秀和全集〈2〉主題と変奏



 

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