2016年09月

聴き比べ:チャイコフスキーの交響曲第4番 (その7)

●7月下旬、チョン・ミョンフン指揮(東フィル定期演奏会)前に聴いておいたものです。

㉗アシュケナージ指揮:フィルハーモニア管弦楽団 ★1978年録音。
Tchaikovsky: Symphonies 4-6


①18:43②09:28③05:20④08:40

★手堅い正攻法。所々にアゴーギク(感情移入)もある。録音もオケも良好。

①気合十分で、「運命動機」のトランペットは強力。
②木管群も良好
③丁寧な演奏
④金管群もよく鳴り、迫力十分。








㉘プレヴィン指揮:ピッツバーグ交響楽団 ★1980年録音。
チャイコフスキー:交響曲第4番



①19:33②09:38③06:18④08:08

★軟調のマエストロらしい演奏かと思いましたら、
終楽章だけが別人のようなアプローチでビックリ!!!!

①曲想のわりには遅めのテンポで、かつ穏やか
②ABAの構成
2度めのAは憂鬱さ十分
④提示部第1主題は、曲想もあるとは言え、速めのテンポで勢い十分。これまでが穏やかだったせいもあり、より印象的。
今回聴いた4枚のCDのなかで一番速いテンポ。






㉙マリス・ヤンソンス指揮:オスロ・フィル  ★1984年録音。
Symphony 4


Tchaikovsky: The Complete Symphonies








①17:34②09:32③05:28④08:30

★同じ頃?、レニングラード・フィルとの来日公演では、37分ほどでかなり速めのテンポ(NHKで放送したのでDVDにダビングした映像がありました)でしたが、このCD録音は41分前後。若々しく手堅い正攻法

①メリハリ十分で力強い
②木管群も臨場感豊か。
③バランス良好
④オケを煽ることもなく、丁寧な正攻法





㉚小泉和裕指揮:ロイヤル・フィル ★1990年11月15、16日録音。
Symphony 4 / Capriccio Italiano


①19:38②10:30③05:38④08:47

★端正で丁寧な正攻法。メリハリも十分。オケも録音も良好。

①序奏の金管群は力強い。その後は全体的にバランス良好。
②木管群も美しい
③分離、バランス良好。
④6分過ぎ第1楽章序奏の「運命動機」の再現後は、テンポがグッとゆるむのが印象的。



その8へ続く
その1は、こちら
その6は、こちら






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★この号の「現代名盤鑑定団」(130)では、チャイコフスキーの交響曲第4番が取り上げられています。
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ピエタリ・インキネン首席指揮者就任披露演奏会

● 9月27日(火曜日)午後7時より、サントリーホールにて、日本フィル演奏会●

①ワーグナー:楽劇《ジークフリート》より抜粋

②ワーグナー:楽劇《神々の黄昏》より抜粋

●ソプラノ:リーゼ・リンドストローム

●テノール:サイモン・オニール

★オペラの「抜粋」ということで、あまり期待していなかったのですが、2人の歌手が良いせいもあり、すごかった。驚愕!!!!!!!!!楽劇《ジークフリート》の実演は、数年ぶりということもありましょうが・・・・・・・・

とりわけ、曲のせいもあり、歌手は①の二重唱が素晴らしい。
①の「抜粋」と言っても、いきなり第3幕の序奏からで、多少の省略ありで、炎に囲まれた岩山でのジークフリートとブリュンヒルデの2重唱だけの1時間弱が前半のプログラム。歌手は、オペラの演技もなければ、長いオペラを歌う必要もないからセーブしないので、声質も良い上、声量が通常のオペラではとても聴くことができないほどの音量で迫力十分。オケの音量にも負けないほど。
序奏は、インキネンなら、もう少し室内楽的に演奏するかと予想しましたが、むしろメリハリも迫力も十分。

②の「抜粋」は、序幕の「岩山で迎えた夜明け」から「ジークフリートのラインの旅」、第1幕では、間奏曲、その後は、いきなり第3幕に飛び、息絶えるジークフリートの僅かな歌の後は、「ジークフリートの葬送行進曲」。この「葬送行進曲」は、いかにも現代風でかなり速めのテンポで、好みが分かれるでしょうが、速めのテンポは小生の好み。一月ほど前、カルショーがプロデュースした『リング』の録音(ショルティ指揮:ヴィーン・フィル)のドキュメンタリー番組映像を久しぶりに見ましたが、この「葬送行進曲」のテンポではカルショーが指定したテンポが速すぎて「こんな速いテンポは聴いたことがない」と、ショルティが当惑した様子で閉口しますが、そのテンポで良い、とカルショーは軽くあしらう。インキネンのテンポはショルティよりも速い。時代の変化も激しい??????

②では、①よりもオケだけの部分も多く、バランス良好で透明感もあり、とりわけ第3幕の終わりの「ラインの乙女」のライトモチーフも明瞭で素晴らしい。

●来年は、定期演奏会で演奏会形式の『ラインの黄金』全曲があるので、いまから楽しみ!!!!!!!






ニーベルングの指環 リング・リザウンディング
ジョン・カルショー
学習研究社
2007-08-29




マーラー:交響曲第1番
日本フィルハーモニー交響楽団

チャイコフスキー:交響曲第4番
日本フィル
日本フィルハーモニー交響楽団
2009

マーラー:交響曲第5番
日本フィルハーモニー交響楽団

Night Ride & Sunrise / Belshazaar's Feast / Kuolem
New Zealand Symphony Orchestra
Naxos
2008-12-16


シベリウス:歴史的情景
インキネン
Naxos
2008-04-09

シベリウス:交響曲第2番ニ長調Op.47
ピエタリ・インキネン
ナクソス・ジャパン(株)
2014-02-26

Violin Concertos
Naxos
2008-09-30

ジャン・シベリウス:交響曲全集[4CDs]
ピエタリ・インキネン
Naxos Japan
2015-04-22









 

ロジェストヴェンスキー指揮のショスタコーヴィチ:交響曲第10番

●9月26日(月曜日)19:00より、サントリーホールにて、読響定期演奏会●

①ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「黄金時代」 作品22a
②ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 作品35 ★ピアノ=ヴィクトリア・ポストニコワ
③ショスタコーヴィチ:交響曲 第10番 ホ短調 作品93

★ロジェストヴェンスキー指揮の演奏会は、2009年以来。ブログを書くようになる前には数回は聴いているはずですが、タナーエフなどのかなりマイナーな曲も聴いたような??????
今回はほぼ名曲ばかり。

①組曲の全曲を聴くのはおそらく初めて。第2曲は、ロマンチックで若き日のショスタコーヴィチには珍しい?曲想で興味深い。第3曲は、どこかで、何度か?聴いたことあり。

②は、小曽根真のソロで1月にもサントリーホールで聴きました。
悲しいかな、第4楽章が印象的なので、とりわけ、第2、第3楽章の記憶が薄い。
ポストニコワのソロは、かなり久しぶりかとも思われますが、音量も十分。トランペット・ソロも良い。



③タコ10は、読響は昨年6月にもテミルカーノフの指揮で演奏しているので、演奏しやすかったのでは???
多少遅めのテンポで、およそ62分前後。
思ったほど大きなアゴーギクもなく、比較的端正で、楷書風。
充実した演奏で、聴き応え十分。
オケは多少金管群に「おや?」という点もあったものの、見事な演奏。 

◆第1楽章:ソナタ形式 序奏も遅めなので何やら不気味な雰囲気十分。第1主題のクラリネットの寂寥感漂う響きが印象的。 展開部冒頭のファゴットも良好。その後じわりじわりとクライマックスへ向かい、頂点で再現部に入るところは、交響曲第5番、第8番と同じで面白い。 再現部では、クラリネットが第2主題を奏でる。コーダでの静かな響きやピッコロは印象的。
◆第2楽章: 比較的遅めのテンポで、個性的。 そのためか、後半に交響曲第7番の第1楽章の展開部(中間部)の「侵攻のエピソード」(「チチンプイプイ」)に似ている旋律が聴こえてきた。(空耳か????)
◆第3楽章:複合三部形式 中間部の「エルミーラ」音型のホルンはもう少し安定感がほしい所。
◆第4楽章: 長い序奏は、バランス良好で木管群の臨場感ある響きが良好。序奏が遅めのテンポのせいもあり、主部が勢い良く明るく感じられる。 荒れ狂うような第2楽章のスケルツォ主題が再登場する展開部後半は、迫力も勢いもあり。 ファゴットで始まる再現部から、コーダにかけては「レ・ミ♭・ド・シ」のショスタコーヴィチ音型の頻出は面白い。   





★以前曲目解説を書きましたので、詳細はこちら

●タコ10は、10月にノット指揮(東京交響楽団)12月にヤコブ・フルシャ(都響)2月にパーヴォ・ヤルヴィ指揮(N響)でも演奏されるので、たのしみ。ノットとパーヴォ・ヤルヴィは欧州公演のプログラムにも入っている。









Gennady Rozhdestvensky Edition (Historical Russian Archives)


Tchaikovsky: Complete Symphonies


チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」/ショスタコーヴィチ:バレエ音楽「ボルト」/ストラヴィンスキー:バレエの情景(抜粋)(ロジェストヴェンスキー)(1981, 1987)


Rozhdestvensky Edition Vol 1



Berlioz - Symphonie fantastique; Tchaikovsky - Francesca da Rimini










Shostakovich;Syms.7 + 8


Shostakovich: Symphonies Nos. 1-15, Orchestral Works










プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番











Legacy: Gennadi Rozhdestvensky




Glazunov & Shostakovich: Violin Concertos









 

パーヴォ・ヤルヴィ指揮のブルックナー:交響曲第2番

●9月25日(日) 3:00pm より、NHKホールにて、N響定期演奏会●

①モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 ★ピアノ:ラルス・フォークト
②ブルックナー:交響曲第2番 ハ短調

①ラルス・フォークトのピアノ協奏曲を聴く機会は多い方ですが、モーツァルトはおそらく初めて。
以前は、バレエ音楽『ペトルーシュカ』のピアノパートまで担当してくれたこともあった。

10日ほど前にもケフェレックのソロで同曲を聴いたばかりですが、ホールがだいぶ異なるせいもあり、ピアノの響きももだいぶ異なる。
フォークトのピアノは硬質で、クリア。ダイナミック・レンジが大きい。意図的な?弱音も多いので、3階席の方は聴こえたのだろうか???(小生の席は前から2列目)

★アンコールはシューベルトの「楽興の時」。モーツァルト以上にアゴーギクもあり、個性的で興味深い。

②冊子によると、キャラガン版の第2稿らしいので、最新ではないかもしれませんが新しい楽譜。
ブル2の実演は比較的珍しいのですが、今年は、3月に「花粉からの逃避」で山形県に帰省した時に偶然聴く機会があったので、今年2度め。山形交響楽団の演奏は予想以上に素晴らしかったので印象深い。

今回は、流石に大編成のオケとは言え、NHKホールなので、残響が?????
昔、ノリントン指揮の演奏会では、ステージ後ろに反響板を置いていたものでしたが、ノリントンの真似をする指揮者はノリントン以降いないのでは??????(定期演奏会の会員でもないし、テレビも映らないので最近の状況は不明ですが??????)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮の演奏は、端正ながらも切れ味良好メリハリ十分。バランスもよく、透明感も十分。
冊子には演奏時間が62分と表記されていましたが、56分前後では???測っていたわけではありませんが。
(小生の腕時計には秒針もなく、時間の数字もないし・・・・・・・版によってもだいぶ異なるのでしょうが)
第2楽章以外は速めのテンポに感じました。

◆第1楽章:ソナタ形式
第2主題の前に休止があるので、わかりやすい。展開部はバランス良好。再現部の前にも休止あり。
◆第2楽章:アンダンテ:ABABA-コーダ
A主題の弦が美しい。
◆第3楽章:スケルツォ:ABAの3部形式
切れ味鋭いスケルツォ主題。
2度めのAのティンパニは強烈!!!!!
◆第4楽章:ソナタ形式
印象的な第1主題が迫力十分。
ティンパニは良く響くが、金管群がうるさすぎることもなく、素晴らしい。

今年6月にブルックナーの交響曲第3番のCDの聴き比べを13枚ほどしたせいもあり、今回第2番の実演を聴いて、第2番は、第3番と兄弟のように似ていると感じました。(とりわけ、第1と第2楽章)



 
ブルックナー:交響曲第9番









ブルックナー:交響曲第7番



ブルックナー:交響曲第6番




ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック 」



ブルックナー:交響曲第2番(来日記念盤)



スダーン指揮のベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」作品24

● 9月24日(土曜日)午後6時より、サントリーホールにて、東京交響楽団定期演奏会、休憩20分で終了は8時44分頃●

 ベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」作品24
(コンサート形式/字幕付)

●ファウスト:マイケル・スパイアーズ
●メフィストフェレス:ミハイル・ペトレンコ
●マルグリット:ソフィー・コッシュ
●ブランデル:北川 辰彦

混声合唱:東響コーラス(合唱指揮:安藤常光)
児童合唱:東京少年少女合唱隊(合唱指揮:長谷川久恵)


★「ファウストの劫罰」の実演は初めて。「ハンガリー行進曲」だけは、良く聴きましたが・・・・・・
歌手と合唱団が必要で、演奏時間も2時間を超えるので、在京オケの定期演奏会でも珍しい(はず)。
そのうち、カンブルラン(読響)が演奏してくれるかも???と思っていたら、スダーンが取り上げた。

全曲を意識して聴く機会がなかったので、ショルティ指揮(シカゴ響)のライブ映像で予習してみると、なかなかな佳作。親しみやすい旋律も多い。舞台裏から演奏もあり、マーラーにも影響を与えているのでは???。

今回の実演は、当然ながら、臨場感もあり、歌手は、オケの後ろからにもかかわらず、声量も十分で、みんな上手。木管ソロや、ヴィオラ・ソロも良好。
なにも言うことなし。





ベルリオーズ:ファウストの劫罰
小澤征爾
ユニバーサル ミュージック
2015-01-14

ベルリオーズ:劇的伝承「ファウストの劫罰」
フランクフルト放送交響楽団 インバル(エリアフ)
日本コロムビア
2007-12-19

ベルリオーズ:ファウストの劫罰
ナガノ(ケント)
ワーナーミュージック・ジャパン
2003-02-19

ベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」
ショルティ(サー・ゲオルグ)
ユニバーサル ミュージック クラシック
2007-02-21

ベルリオーズ:ファウストの劫罰
マルケヴィッチ(イーゴル)
ユニバーサル ミュージック クラシック
2006-08-23


ベルリオーズ:ファウストの劫罰[Blu-ray Disc]
アンネ・ゾフィー・オッター
Arthaus
2016-01-27


管弦楽法
エクトル ベルリオーズ
音楽之友社
2006-02-10

ベルリオーズとその時代 (大作曲家とその時代シリーズ)
ヴォルフガング・デームリング
西村書店
1993-07

音楽のグロテスク
エクトル・ベルリオーズ
青弓社
2007-06-26



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