51Y60WPPJBL



1: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 16:27:01.55 0
他界とは、人間が暮らす空間とは別に存在すると想像された世界。
古くは天国、オリュンポス、バルハラ、高天原、地獄、桃源郷、仙界、竜宮、時代が下っては、ユートピア等、文学等で描かれた様々な空間。

このスレでは、こうした他界像の移り変わりや、どういった社会背景からその他界が想像されてきたか、また、その観念が人々の発想や生き方、 にどのような影響を与えてきたかを語っていきたいと思います。







4: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 16:36:25.54 0
あと、ファンタジーとかね。

13: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 20:50:51.80 0
>>4
不思議の国のアリスの世界も一種の異界なんだろうが、 あれって作者の全くのオリジナルなんだろうか?
ああいう地下の世界はキリスト教世界では非常に異質な気がするし、なんか影響を受けた話がありそうな気もするけど。
アラジンの話とか。

16: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 21:51:42.87 0
>>13
確かに、アラジンの話の中で、魔神が宝石の木の実を取ってきたりする地下の洞窟とアリスが歩き回った地下世界は、なんか通じるものがあるね。

チャールズ・ドジソンの時代には、すでにアラビアンナイトも何度も翻訳が行われて英語版も複数の版が出ているので、影響を受けた可能性は高い。

21: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 23:12:16.58 0
>>16
不思議の国のアリスは、クロウリーがカバラとの関連を指摘していたぐらいだから、キャロルには異教の影響をかなり受けていたのかもしれないね。

5: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 16:38:50.09 0
>>1
世界中の民族が、そろいもそろって空に神の国があって、生前善行に励んだ人はそこに行くことができるとされたのは、なぜか?
みたいな話?

7: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 17:02:14.94 0
>>5
あとは、地下に地獄があって、悪いことをすると死後そこで苦しむとか

11: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 20:30:34.57 0
>>7
ギリシア神話でも、日本の神話でも、黄泉の国は必ずしも地下にあるとは考えられておらず、異論も多いよ。

6: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 16:44:36.63 0
沖縄はちょっと違ったんじゃなかったっけ?
ニライカナイは天上ではなく、海のかなたにあるって。

8: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 17:30:03.05 0
キリスト教で死んだら天国に行くってのは俗説だろ。
正当な神学だとキリストが復活すると地上に千年王国が築かれるはず。

19: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 22:23:01.26 0
>>8
>キリスト教で死んだら天国に行くってのは俗説だろ。

俗説というか、ヨーロッパ土着の土俗信仰と言った方が

9: 山野野衾 ◆m6VSXsNcBYte 2011/12/17(土) 17:32:55.34 0
高天原を天とする説は中世からあったものの、「高天原はすなわち天なり」と唱えて定説化させたのが本居宣長。
新井白石(学者として古代史研究の面で先駆的な役割を果たした)は神とは古代の人であったとして、常陸国の一部と想定していましたが。

中世には神仏混淆の中で高天原=兜卒天とする説が広まっていましたし、仏教の影響もあって、天とする見方が信仰面では一般的であったでしょうが。
伊舎那天=イザナギ=他化自在天(第六天魔王)とされたり、天照がその第六天魔王と交渉して日本列島を獲得していたり、スサノオの死後に魂が天に昇って泰山府君に、魄が閻魔大王になっていたり、昔の神話はかなり無茶。

俗説で面白いのは、日本で死者の霊が盆に帰還するとされ、西欧で煉獄の概念が生まれたこと。
共に典拠がなかったのに、民情から話が生まれ、定着している。

15: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 21:29:48.48 O
地下天上に異界を求めるのも東西南北はだいたいどんな国、世界があるとか、たかが知れてるからじゃない?
それで想像力を上下ベクトルに向けちゃった結果
沖縄なんかは果てしない海の先に何かありそうとワクワクしてたんだろうし西方浄土なんかも西はいいとこなんだろうなあっていうワクワクの結果じゃない?
黄金の国ジパングなんてのもその類だと思う
市場経済が地球中(宇宙開発とかまで含めると宇宙も)をおおいつくしてフロンティアがなくなった後、バーチャルな世界であるゲームとかネットが隆盛してきたのも異世界にワクワクしたい!て欲望からじゃないかな

素人が俺論かましてすみません

20: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 22:41:03.97 0
>>15
>地下天上に異界を求めるのも東西南北はだいたいどんな国、世界があるとか、たかが知れてるからじゃない?

今までのレスをまとめると、異界、他界の場所は、

原始社会~古代: 水平方向(もしくは、せいぜい高い山とか海の中)非常に遠くにある場所
古代~近代: 人間が住む世界とは垂直方向に隔絶した世界
近代~現代: 人間が住む世界に重なっているが、知覚出来ない。

要は、観測技術の発達に応じて変化しているようだ。
観測可能以遠の場所に、幻想を求めているのでは?

22: 山野野衾 ◆m6VSXsNcBYte 2011/12/17(土) 23:18:32.02 0
>>15
>地下天上に異界を求めるのも東西南北はだいたいどんな国、世界があるとか、たかが知れてるからじゃない?

インド亜大陸を指すはずだった南瞻部洲が何時の間にか中国や日本をも含めた「我々の住む普通の世界」を指す様になり、須弥山を中心に南瞻部洲など四つの大陸があり、それぞれ寿命も身長も異なる人種が住んでいるとされたのが仏教の世界観です。
四大陸自体は、昔の『西遊記』の冒頭で知る人も多いでしょうが。

北や南の外れに、羅刹やら小人やらを配置するのも洋の東西を問わずお約束。
『ホメロス』には北に小人の国があるとされていますが、全く同じ風俗描写が18世紀初めに日本で書かれた海外案内の書に出て参ります。
おそらくというか、ほぼ間違いなくオランダ人経由の情報でしょうね。
その本、アラビアにはフェニックスがいるとまで書いてありますし。

23: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 23:22:47.04 0
小人と言えば、ガリバー旅行記も、当時の他界観を反映した作品だなぁ。
確か、大人国の章の口絵には、アラスカらしい地形の地図が書かれていたけど。

26: 山野野衾 ◆m6VSXsNcBYte 2011/12/17(土) 23:29:36.35 0
ガリバーが訪問した非日常の国の中で、唯一実在したのが日本。
ラピュタ訪問記のついでですが。
確か、ラピュタ王と日本の将軍は義兄弟の契りを交わす仲であった筈。
空の国に馬の国と、段々皮肉がきつくなってくるのが面白い。

17: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 22:07:56.82 0
異界の話と混同されやすいものに、ラカンが主張した、現界、想像界、象徴界がある。
どれも実は、どこかよそに独立して存在する世界ではなくて、すべて人間が生活している世界と重なってるんだけどね。
200px-Jacques_Lacan


ジャック・ラカン

ジャック=マリー=エミール・ラカン(1901年4月13日 - 1981年9月9日)は、フランスの哲学者、精神科医、精神分析家。

人間は、いつまでも鏡像段階に留まることは許されず、成長するにしたがって、やがて自己同一性(仏:identité)や主体性(仏:sujet)を持ち、それを自ら認識しなければならない。その際、言語の媒介・介入は、不可欠である。
ラカンによれば、主体性は、構造的に現実界・象徴界・想像界(仏: Réel symbolique imaginaire:R.S.I.と略称される)という三つの領界もしくは機能から成るものであり、鏡像段階を経て人が主体性を獲得し、言語に介入されるということは、すなわち象徴界へと参入するということであるとされる。


18: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 22:20:34.04 0
ただ現代の異界観って、ラカンに限らず、今自分たちが暮らしている世界とオーバーラップしているけど、なんらかの原因でそれとは気づかないだけ、というのが多いんだよな。

霊界=四次元の世界、というのもそうだし、アストラル界もそう。
同じ場所に存在はしているけど、物質界からは知覚できないという発想だね。

さらに進んでくると、マトリックスのように、社会的フィルターによって、真理が見えなくなっているとする考え方が出てくる。
まあマトリックスの元ネタは、ボードリヤールで、その元ネタがラカンなんだが。

25: 世界@名無史さん 2011/12/17(土) 23:28:17.24 0
最近は宇宙へのロマンが薄れてるよな。
宇宙戦争が題材の作品は激減した。やっぱり冷戦の産物だったのかな。
子供の頃は21世紀になるとコロニーができていると思っていたのに。

35: 山野野衾 ◆m6VSXsNcBYte 2011/12/17(土) 23:49:39.53 0
>>25
月へは行ったが、その後40年以上経っても火星に行けるめどが立たない。
科学万能主義も一段落して、逆に高度経済成長期(科学大好きな時代でもあった)の公害や生物絶滅が非難される時代。

昔ほど、(夢を叶えるツールとしての)科学が信用されなくなったのでしょう。
かつては、原子力といえばアトムの様に魔法の力扱いでしたし。
藤子F不二夫先生の漫画には、正体の明らかでない本物の妖怪は出て来ず、ドラえもんでもタイムパトロールぼんでも、結局は宇宙人や幻覚オチでした。
妖怪は非科学的だが宇宙人は科学的かという話ですが、逆に言えばそれぐらい妖怪が否定され、宇宙人が肯定された時代(世代)の産物です。
F先生没後のドラえもん映画には、魔術師などが登場する様になりましたし。

妖怪を信じていた世代→妖怪を否定し、宇宙人を肯定した世代→妖怪が遠ざかり過ぎて逆にお話の一部として肯定する様になり、宇宙人には飽きて遠ざかった世代という移り変わりを感じます。

余談ながら、私は堅実に遠くに行けるはやぶさやイカロスが好きですね。

39: 山野野衾 ◆m6VSXsNcBYte 2011/12/18(日) 00:00:51.38 0
明治生まれ→妖怪の話を知り、信じていた世代
大正・昭和初期生まれ→話は知っているが、「神経」のせいと言っていた世代というのが、私の印象ですが。(しかし、神経が原因とか説明にも何にもなっていやしない)

鬼太郎が連載されていたのは、まさに大正・昭和初期世代が現役の頃。
風当りの強い中、よく貫かれたものです。
手塚先生は鬼太郎に対抗して『どろろ』を描かれたそうですが。
あれはキャラクター化された時点で、水木漫画の模倣にすらなっていなかったもので、民俗的な妖怪とはまた別物ですね。

現代っ子が妖怪の実在を信じるというのも、好奇心ゆえ。
古人の妖怪の実在を信じるというのは、日常の恐怖ゆえ。
同じ「信じる」でも、古人と同じ境涯に立つことは、もう無いでしょうね。

45: 世界@名無史さん 2011/12/18(日) 17:39:17.41 0
中世以前は今とは違って、夢の世界は、現界とは別に独立して存在するものと考えられていた。一種の異界だね。
今では、単なる想像、妄想扱いだけど。

47: 山野野衾 ◆m6VSXsNcBYte 2011/12/18(日) 22:45:28.94 0
>>45
明恵坊高弁など、『夢記』をわざわざ書いておりますね。
ここまでまとまったものでなくても、夢を行動のきっかけにした古人は多い。
参篭も、多くは夢想を得て道を切り開くためのものでしたし。
夢説きといって、夢を解析して幸運を開く専門職までありましたから。

48: 世界@名無史さん 2011/12/18(日) 22:50:57.57 0
夢を自立した世界として扱うと言ったら、やっぱりマレーのセノイ族じゃないかな
夢見に関するテクニックの体系が凄いみたいだね。

49: 世界@名無史さん 2011/12/22(木) 21:42:31.26 0
明晰夢を見るテクニックか。
一応、フィクションと言うことになっているけど、カルロス・カスタネダも、夢見については、インディアンの独自の世界観について書いてるね。

62: 世界@名無史さん 2011/12/23(金) 23:34:07.80 0
仏教の天界や地獄は文字通り、地の底や山の上、空の上にあると考えられた西方浄土も、西の彼方という空間的延長の彼方にある。

キリスト教の天国と地獄も、世界を壊したあとに再創造された世界だったり神曲見たく地底や上空にあったりした。

この空間とは別に存在する別の空間とか、別の時間軸みたいな発想が出てきたのはいつ頃から何だろう?

67: 世界@名無史さん 2011/12/24(土) 00:39:08.95 0
>>62
マルコ・ポーロが、東方見聞録でそれまでの夢物語とは違った、より現実に近い「他界」」という概念を初めて導いた可能性もある。
そしてイタロ・カルヴィーノの『見えない都市』やエステルハージ・ペーテルの『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし』 につながる、異空間への道を開いたとも言える。

78: 世界@名無史さん 2011/12/24(土) 14:11:10.60 0
>>17で出てるが、精神分析の観点から言うと、他界とか異界をどうしても作り出してしまうのは、人間の意識上で、想像界が必須のものになっているためだな。
ただ注意しないといけないのは、想像界とセットになって使用される「現実界」と言う言葉を自分たちが生活していて現実そのものと勘違いしている生活空間のことと思ってしまうこと。
人間の脳というのは、常に目で見た物に対して無数のフィルターをかけてしまうので、実はこれが現実だと思っている世界も、すべて想像界の一種に過ぎなかったりする。

79: 世界@名無史さん 2011/12/24(土) 14:49:22.25 0
>>78
マトリックスが、ちょっと雑に大衆受けするような感じで描写した世界も、まあそんな感じだったね。

映画の中では、機械たちが人間に夢を見せてるから、幻想に惑わされている、みたいな説明だったけど、実は人間の脳と精神構造自体が、現実をそのまま見ることが不可能な仕組みになっているということ。

64: 世界@名無史さん 2011/12/23(金) 23:40:54.70 0
別の空間とか、別の時間軸って発想を明確に思考できるようになったのはニュートンとか、下手したらアインシュタイン以降じゃないだろうか。
それ以前は現代の視点から見ると「これって別の空間ってことだよね?」みたいな感じのものなら有りそうだが明確に異空間って概念を使った発想はなさそう

65: 世界@名無史さん 2011/12/24(土) 00:18:27.26 0
べつの空間てのは明らかにこの世界じゃ存在しえないような大風呂敷をひろげた結果生まれたものとifの世界つまりパラレルワールドのどっちかでは?
後者は過去にさかのぼりたいって欲望に起因してそうだし歴史観とか時間観にまでかかわるテーマになりそうだ

68: 世界@名無史さん 2011/12/24(土) 01:48:54.25 0
>>65
大風呂敷を広げた結果生まれた別の空間概念って具体的には何?

132: 65 2011/12/25(日) 00:03:12.39 0
>>68
いわゆるファンタジーの魔界とか。
設定から一から練りましょうねって考えで作っているだけ
必ずしも「別の世界」を想定したからといって空間とかの物理科学の裏打ちがあったとは言えないと思う

141: 68 2011/12/25(日) 18:46:04.67 0
>>132
その想像力の何に裏打ちされているかって疑問について話してるのに「設定から一から練りましょうねって考えで作っているだけ」がどうして、その答えになってるわけ?
想像力に裏打ちなんて必要ない、という話だろうから、具体的に作品名を尋ねたのだけど狭義のファンタジーなんてそれこそ近代の産物だろう。

143: 世界@名無史さん 2011/12/25(日) 20:55:57.48 0
>>141
一から設定を作らなくちゃいけない理由はやっぱり世界を観測しきっちゃった感だと思うよ
遠方の国を舞台にしても陳腐になっちゃうから別世界さを際立たせているだけ

82: 世界@名無史さん 2011/12/24(土) 16:24:01.78 0
科学が未熟な頃は、異界や異空間という発想が出来ないから・・・
どこか物理的に遠くの場所だという発想が出たんだろ。

88: 世界@名無史さん 2011/12/24(土) 20:40:45.55 0
>>82
逆だよ。
異界、他界というのは、通常の交通手段で到達できない場所である必要があって、現代はフロンティアが無くなったから、無理矢理異次元とかSF的な空間しか残されない状態になっただけ。

138: 世界@名無史さん 2011/12/25(日) 18:30:39.93 0
>>88
その理屈だと異星とかでもいいじゃん。
さらにいうと、仏教の三千世界とか、古典古代原子論の別のコスモスとか、さらには月世界人とか、ブルーノの星々は他の世界とかそういう発想はまだ未知の世界があった頃でさえ、存在したよ。

167: 世界@名無史さん 2011/12/26(月) 00:10:45.78 0
小谷野敦が、文化が違うと別の世界を生きている、というのは地理的に探検しつくした結果、異世界が消滅しその代償として生み出された概念と主張してたな

184: 世界@名無史さん 2011/12/29(木) 12:42:59.77 0
日本神話では、いわゆる黄泉の国というのがあります。
これは死後の世界に当たるため、後世の地獄と混同して語られたこともあり、地下の世界ということになってますが、必ずしもそうではないという説も。
黄泉の国とは、元々は人間が住む世界から離れた場所にあっただけで、その気になって旅を続ければ、歩いていくことができる場所と考えられていたのでしょうか?

185: 世界@名無史さん 2011/12/29(木) 14:31:43.87 0
黄泉は中国由来で地下の泉の意味です。転じて地下にある死者の世界の意味となって日本に伝わりました。
日本のヨミの国は元々は地下じゃなかったんだけど、黄泉の意味に引きずられて地下と考えられるようになったと言われています。

190: 世界@名無史さん 2011/12/29(木) 16:51:35.87 0
>>185
ちなみに、何で黄色なんですか?

192: 世界@名無史さん 2011/12/29(木) 20:55:34.30 0
>>190
五行説で土は黄色になるから。青春とか白秋というのも五行説から来ている。丑の日にウナギを食べる土用は夏だけじゃなくてそれぞれの季節の間に入る。(四季と五行説を統合する為の苦し紛れだな)
木、青、春
火、赤、夏
土、黄、土用
金、白、秋
水、玄(黒)、冬

201: 世界@名無史さん 2011/12/30(金) 11:38:50.38 0
>>192
でも、黄泉の国って中国の話では全然聞かないね。
ギリシア神話にはよく出てくるけど。

212: 世界@名無史さん 2011/12/31(土) 10:50:34.19 0
>>201
この世では会わないと母親に言ったが、後悔してる王に穴掘ってそこで会えと進言した話があったよ「東周英雄伝」て漫画に
元ネタは史記かな?

213: 世界@名無史さん 2011/12/31(土) 11:08:32.27 0
>>201
ギリシア神話には、確かによく黄泉の国出てくるね。
ハデスが支配する死者の国として。

214: 世界@名無史さん 2012/01/01(日) 10:36:05.31 0
デメテルの娘がさらわれてハデスの妻になる話とか。
デメテルが、さらわれた娘を取り戻しに行く話なんか、イザナギがイザナミを取り戻しに
行く話といろいろモチーフが共通したり。

黄泉の国の食べ物を口にしてないことが、地上に戻る条件だけど、実は口にしてしまうとか。

186: 世界@名無史さん 2011/12/29(木) 16:07:50.92 0
古事記で、伊弉諾尊が、亡くなった伊弉冉尊を追っかけて行った先って地下じゃなかったっけ?

188: 世界@名無史さん 2011/12/29(木) 16:23:48.50 0
>>186
地下説は宣長の誤読説が有力なんじゃなかったっけ?
黄泉比良坂をイザナミが下りながら追いかけてきてるとかで

187: 世界@名無史さん 2011/12/29(木) 16:18:10.94 0
黄泉の国に続く黄泉比良坂はこここですってのは全国各地にあったはず。
だから、それを信じていた人達の間では、そこを通ればいけると考えられていたかも…とかいたところで前近代一般の話じゃなくて、記紀神話が書かれた頃にどう信じられたかって話だと気づいた。

189: 世界@名無史さん 2011/12/29(木) 16:35:21.42 0
じゃあ、黄泉比良坂ということで、坂→下の方に向かうってことから地下にされたってこと?
確か、イザナギが真っ暗ななかで、ウジ虫に食われた醜い姿で横たわるシーンもあったよね。
あれも理由の一つなんだろうけど。

191: 世界@名無史さん 2011/12/29(木) 16:53:39.30 0
古事記にどう書かれてたか以前に、江戸時代には地下の国って発想が定着してそう

195: 世界@名無史さん 2011/12/29(木) 23:59:02.87 0
江戸時代の国学では死後の世界は生者の”明るい世界”とは違って”暗い世界”だから生者の目には見えない。
そして生者の目には見えないだけで、物理的にはまさに今まさに生きてる世界と同じ場所に幽世がある。
我々の周りには目に見えない死者たちが溢れているみたいなことが唱えられてたりする

313: 世界@名無史さん 2012/01/02(月) 18:14:37.31 0
生活様式が他界観に与える影響って軸がまだでてないな
遊牧民族、農耕民族、都市生活者とかで大きく違いそう

319: 世界@名無史さん 2012/01/02(月) 19:08:37.54 0
>>313
あと、生活空間の中のちょっとした区切り(空間的なものと時間的なものがある)を越えると
異界に通じてる、みたいな話とか。
空間で言えば、辻、鏡、海岸、橋、
時間で言えば、黄昏時、丑三つ時とか

321: 世界@名無史さん 2012/01/02(月) 20:09:32.00 0
>>319
そういう境界に立てて、外界から生活空間を守るのが、道祖神・地蔵(元は石柱とか陽石)

323: 世界@名無史さん 2012/01/02(月) 20:31:23.11 0
>>319
時間的なものはよく分からないけど、空間的なものは結構ヨーロッパと共通しているね。
中東とか、他のアジア諸国でも同じような場所が境界となっているのなら、普遍的なものなんだろう。

326: 世界@名無史さん 2012/01/02(月) 23:26:42.25 0
>>323
>空間的なものは結構ヨーロッパと共通しているね。

鏡は多いな。
キャロルの『鏡の国のアリス』もそうだし。

327: 世界@名無史さん 2012/01/02(月) 23:30:52.15 0
あとは井戸、トイレとか?
水ってのは、別世界への入り口とされることが多いかも。
鏡の場合も、水がものを写すのと似た作用があるため、異界への入り口とされたとか?

314: 世界@名無史さん 2012/01/02(月) 18:21:24.21 0
よく「世界が違う」とかいうけど実際平安貴族とかは庶民の暮らしをこの世のものとは思ってないくらい差別的に見てたし殿上人とかいう言葉もあるくらいだし逆もしかりでしょ
身分によって暮らしに大きな開きがあること、というか身分間の交流がないことが異界観に影響を与えたと思う

315: 世界@名無史さん 2012/01/02(月) 18:33:36.59 0
南アメリカ先住民の間では動物はお互い同士が人間に見える。
魔物もお互い同士が人間に見えてて、人間が動物(狩りの獲物)に見える
という認識の違いによる異界が信じられていたという。

318: 世界@名無史さん 2012/01/02(月) 18:54:56.31 0
>>315
魔物っていう異界が一枚かむのは面白いな
畜生道とかトーテミズムとかあたりの話と絡めて動物を含めた世界観の話に発展しそうだ
異教徒差別にも似てる気がする

540: 世界@名無史さん 2012/01/05(木) 00:23:54.50 0
異世界を描いた映画

オズの魔法使い (1939年) 歴史に残るファンタジーミュージカル。オマージュ作品多数。
ダーククリスタル (1982年) マペット人形が演じる惑星ソラの物語。
銀河伝承クルール(1983年) SF設定に基づき、剣と魔法、ドラゴンとダンジョンの世界を描く。
ネバー・エンディング・ストーリー(1984年) 古本屋の本の中にある異世界を少年が冒険する物語。
ウィロー (1988年) 悪の女王を倒す希望の子エローラを守るために仲間と共にウィローが旅立つ。
ロード・オブ・ザ・リング (2001年~2003年) 言わずと知れた指輪物語の映画化。世界3大ファンタジーの1つ。
ナルニア国物語 (2005年~) 世界3大ファンタジーの1つ。

世界3大ファンタジーの最後の1つは書かない。

545: 世界@名無史さん 2012/01/05(木) 01:05:43.30 0
>>540
オズは他界ではあるけど、異世界ではないよね。
竜巻で飛ばされる「地球」のどこかにあるオズの国。
考えてみると現代ではこの設定はかけないかも。

指輪も異世界じゃなくて神話的古代の地球で、ホビット庄は大昔のイギリスのあたりにあった場所という設定。
当時の読者が、地球ではなく別の星を舞台にしたと解釈してるのにトールキンはびっくりしてそう言っている。

ある意味これは面白い。
あの手の指輪物語の舞台としてトールキンは、「神話時代」のこの世界として受け止められるだろうと思って書き当時の読者は、地球ではない「別の惑星」として解釈し現代の読者はこの宇宙とは根本的に別な「異世界」として受け止める。

異世界に関する想像力の変遷が現れてると思う。
現代なら、とにかくそういうファンタジーな世界があるんだってことで特に説明もなく「異世界ファンタジー」という作品が受け止められるが当時の人間には、”別の惑星”というような概念を介してファンタジー世界を受け止める必要があった。
しかも、それを送り出したトールキンは、特に説明しなくてもこの世界の神話時代として受け止められるはずと考えていた。
つまり、ある意味「異世界」という発想自体がなかった。

550: 世界@名無史さん 2012/01/05(木) 01:22:04.90 0
>>545
水星を舞台にした異世界ファンタジー「ウロボロス」ってのも指輪より早く出てるな

「別の惑星」から「純粋な異世界」に変遷する間に、たぶんナルニアやエターナル・チャンピオンズのようなパラレルワールドってのが挟まってると思う。
「この地上の過去や別の国」(指輪やコナンやオズの魔法使い)

「地球とは別の惑星」(ウロボロス、当時の読者が考えた指輪)

「この宇宙の外にある異次元」(ナルニアやエターナル・チャンピオンズ)

「作品世界だけで完結している純粋な異世界」(ゲド戦記やロードス島戦記)

546: 世界@名無史さん 2012/01/05(木) 01:07:28.61 0
民話や童話がアニメやマンガやゲームや特撮にとってかわられているんだよな
民話が継承してきたような他界観は当然継承されなくなっていく
そこらへんを考え出すとディズニーにもつながってくるな

引用元: ・【神話】他界観史とその影響【SF】

京都・異界をたずねて (新撰 京の魅力)
蔵田 敏明 角野 康夫
淡交社
売り上げランキング: 407,779