いつか迎えに来てくれる日まで(番外編) ~あの世はあるのか~

あの世はあるのか。俺が死んだら、またかみさんに逢えるのか。

2022年10月

★前置き

亡くなった人の「魂」は見えない。「あの世」や「死後の世界」も見えない。だから、そんなものは存在しない。そう考えるのが常識というものだろう。

臨死体験の事例を見ても、単なる脳内現象だと思われるケースもあるし、脳内現象なのか、実際に「魂」が体験した現実なのか、判別できないケースが大半だ。

だが、肉体とは別に「魂」というものがある…と考えなければ納得できないケースもある。とりわけマリアの臨死体験事例アラン・サリバンの臨死体験事例などは、単なる脳内現象だと言い切ってしまうわけにはいかない。

こういう事例を見ていると、やはり肉体とは別の何か、「魂」と呼ぶしかないモノがあるのではないか、「あの世」や「死後の世界」はあるのではないかと感じてしまう。

事実、この世界には、見えなくても「ある」ものがたくさん存在する。「あるはずだ」と考えられるのに、それが見えない。理論上はあるはずなのに、実験や観測では発見できない。だが、何十年、何百年もかけて探索していると、突然それが見えてしまうということがあるのだ。

だとすれば、「魂」だって、「死後の世界」だって、今から何十年、何百年も経つと見えるようになる…ということだってあるのかもしれない。

・・・

この宇宙が誕生してから約138億年が経っている。
だとすると、最も遠いところから届く光を見れば、138億年前の宇宙の姿(誕生直後の宇宙の姿)が見える…ということになる。

だが、138億年前の宇宙の姿を見ることはできない。遠すぎて見えない…ということではない。

誕生してから38万年が経つまでの宇宙は、まるで霧がかかっているかのように不透明な状態だった。
つまり、その時代の宇宙の姿は「あるはずなのに見えないモノ」なのだ。

アレックス・ビレンケン(ウクライナの理論物理学者)によれば、宇宙は「無」から生まれた。ここで言う「無」とは、「カラッポの空間」という意味ではない。物質どころか、空間や時間もない完全な「無」だ。
人間の脳では、「空間や時間もない完全な『無』」をイメージするはできないだろう。

だが、そこでは微小な宇宙が明滅していた。
いわゆる「量子ゆらぎ」だ。

その明滅していた極微の宇宙の一つが何らかの原因で消滅せずに成長した。
それがわれわれの宇宙だと考えられている。

余談だが、生まれたての宇宙は11次元だったという説が有力(?)だ。やがて7つの次元はコンパクト化されて、現在のように3次元の空間(縦、横、高さ)と1次元の時間が残されたと考えられている(ちなみにコンパクト化された7つの次元は消えて無くなってしまったわけではない)。

宇宙が誕生した瞬間から約10^-44秒(より正確には、約5.391×10のマイナス44乗秒)までという、とてもじゃないが人間が認識できないような一瞬の間に、宇宙は「無」から、突然10^-35m(より正確には、約1.616×10のマイナス35乗m)という「プランク・スケール」のサイズで生まれた。そしてこの瞬間、空間が生まれ、時間が流れ始めた。

ちなみに10のマイナス44乗秒は「プランク時間」、10のマイナス35乗mは「プランク長」と呼ばれている。「プランク時間」は時間を分割していったときの最小単位であり、これ以上に短い時間は存在しない(と言うより、これより短い時間では、現在の物理法則でさえ破綻してしまう)。また、「プランク長」は空間を分割していったときの最小単位であり、これ以上に小さな空間は存在しない(と言うより、これより小さな空間は、物理学で定義できない)。

誕生から10^-36秒(10のマイナス36乗秒)から10^-34秒(10のマイナス34乗秒)という「ほんの一瞬」の間に、宇宙は指数関数的な膨張を起こした。これを「インフレーション」というが、10のマイナス35乗mという超ミクロサイズの宇宙が、一瞬で10^43倍(10の43乗倍)まで膨れ上がったのだ。

これは1秒の「1,000兆分の1」の「1,000兆分の1」の「1万分の1」という、人間が「まばたき」する時間よりもはるかに短い。そんな一瞬のうちに、肉眼では見えないアメーバが、銀河団のサイズになるほどの倍率で膨張したのだ。

微生物サイズの宇宙が、突然、天文学的な大きさに膨れ上がった。
それほど大きくなったのに、この時代の宇宙の姿は見ることができない。

繰り返しになるが、誕生から38万年が経過するまでの宇宙の姿は、「あるはずなのに見えないモノ」だったのだ。

(続く)

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★前置き

亡くなった人の「魂」は見えない。「あの世」や「死後の世界」も見えない。だから、そんなものは存在しない。そう考えるのが常識というものだろう。

臨死体験の事例を見ても、単なる脳内現象だと思われるケースもあるし、脳内現象なのか、実際に「魂」が体験した現実なのか、判別できないケースが大半だ。

だが、肉体とは別に「魂」というものがある…と考えなければ納得できないケースもある。とりわけマリアの臨死体験事例アラン・サリバンの臨死体験事例などは、単なる脳内現象だと言い切ってしまうわけにはいかない。

こういう事例を見ていると、やはり肉体とは別の何か、「魂」と呼ぶしかないモノがあるのではないか、「あの世」や「死後の世界」はあるのではないかと感じてしまう。

事実、この世界には、見えなくても「ある」ものがたくさん存在する。「あるはずだ」と考えられるのに、それが見えない。理論上はあるはずなのに、実験や観測では発見できない。だが、何十年、何百年もかけて探索していると、突然それが見えてしまうということがあるのだ。

だとすれば、「魂」だって、「死後の世界」だって、今から何十年、何百年も経つと見えるようになる…ということだってあるのかもしれない。

・・・

われわれの日常の感覚からすると、光は瞬時に目に届くと感じられる。
だが、光は一瞬で届いているわけではない。光にも速度があるのだ。
よく使われる言葉だが、「1秒間で地球を7周半」。それが光の速度(光速)だ。
正確には1秒間で299,792,458m。それが真空中での光速だ。

蛍光灯や電球の光は、秒速299,792,458mで飛んできて、人間の目の網膜に届く。電球を点けたと同時に光が見えるように感じるが、光も時間をかけて飛んできて、人間の目の中に入っているのだ。

ちなみに1m離れたところにある電球の光が人間の目に届くまでの時間は、0.000000003秒程度。ほんの一瞬だ。だからこそ、「電球を点けたと同時に光が見えるように」感じてしまうのだ。

しかし、遠くから飛んでくる光なら、人間の目に届くまでにそれなりの時間がかかる。たとえば太陽の光が地球に届くまでには8分19秒かかる。また、アンドロメダ銀河の光が地球に届くまでには約230万年かかる。つまり、今この瞬間、われわれが見ている太陽は、8分19秒前の太陽の姿であり、われわれが見ているアンドロメダ銀河は、約230万年前のアンドロメダ銀河の姿なのだ。

これを言い換えれば、遠くの星々を見るということは、その星々の過去の姿を見ているということだ。

この宇宙が誕生してから約138億年が経っている。
だとすると、最も遠いところから届く光を見れば、138億年前の宇宙の姿(誕生直後の宇宙の姿)が見える…ということになる。

だが、138億年前の宇宙の姿を見ることはできない。遠すぎて見えない…ということではない。

誕生してから38万年が経つまでの宇宙の姿は見えない。
それは「あるはずなのに見えないモノ」なのだ。

(続く)

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★前置き

亡くなった人の「魂」は見えない。「あの世」や「死後の世界」も見えない。だから、そんなものは存在しない。そう考えるのが常識というものだろう。

臨死体験の事例を見ても、単なる脳内現象だと思われるケースもあるし、脳内現象なのか、実際に「魂」が体験した現実なのか、判別できないケースが大半だ。

だが、肉体とは別に「魂」というものがある…と考えなければ納得できないケースもある。とりわけマリアの臨死体験事例アラン・サリバンの臨死体験事例などは、単なる脳内現象だと言い切ってしまうわけにはいかない。

こういう事例を見ていると、やはり肉体とは別の何か、「魂」と呼ぶしかないモノがあるのではないか、「あの世」や「死後の世界」はあるのではないかと感じてしまう。

事実、この世界には、見えなくても「ある」ものがたくさん存在する。「あるはずだ」と考えられるのに、それが見えない。理論上はあるはずなのに、実験や観測では発見できない。だが、何十年、何百年もかけて探索していると、突然それが見えてしまうということがあるのだ。

だとすれば、「魂」だって、「死後の世界」だって、今から何十年、何百年も経つと見えるようになる…ということだってあるのかもしれない。

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アインシュタインは、「重力波」が「見えなくても『ある』もの」だと主張した。
一方、多くの学者たちが「重力波」なんて実在しないと言っていた。

だが、中には奇特な学者もいるものだ。
実際に「重力波」を検出してやるぞ!「見えなくても『ある』かもしれないもの」を「何が何でも見てやるぞ!」と考えた人たちがいたのだ。

そして、アインシュタインが「重力波」の存在を予測してから100年が経った2016年のこと。カリフォルニア工科大学やマサチューセッツ工科大学を初めとする国際研究プロジェクトチームによって、「重力波」が見つかったと発表された。アメリカのワシントン州とルイジアナ州にある「レーザー干渉計重力波観測所(LIGO)」が、「重力波」を捉えたのだ。

★ LIGO
howdoesanexp

長い間、「アインシュタイン最後の宿題」と言われていた「重力波」。アインシュタインが「あるけれど絶対に見えない」と言っていたもの。それが100年間のテクノロジーの進歩によって「見る」ことができたのだ。

最初に観測された「重力波」は、GW150914と命名された。その後の検証によりGW150914は、2つのブラックホールが13億年前に衝突し、合体した際に放出した「重力波」であることが確認された。2つのブラックホールのうち、一方は太陽の36倍の質量を持ち、もう一方は太陽の29倍の質量を持っていた。その2つが合体し、太陽の質量の62倍もの巨大なブラックホールが誕生したことも確認された。

あれ? 62倍? 36+29 = 65倍じゃないの?と気づいた方もいるだろう。残りの3倍分の質量はどこへ行っちゃったの?と思った方もいるだろう。

ここで思い出してほしいのは、アインシュタインの「特殊相対性理論」から導かれる方程式 E = mc^2 だ。この方程式の意味は、「質量とエネルギーは等価である」ということ。言い換えれば、質量はエネルギーに変換することができるのだ。この原理によって作られたのが「原子爆弾」であることは、ご存知の方も多いだろう。

ブラックホール同士の衝突・合体によって、3倍分の質量がエネルギーに変わって時空の歪みを生んだ。これが「重力波」だ。それが13億年の時間を掛けて、アインシュタインの予言から100年後に地球に到達したのだ。

ちなみに、なぜGW150914がブラックホール同士の衝突・合体によるものだと分かるのか。これもアインシュタインのおかげだ。

LIGOの研究チームは、「一般相対性理論」の「重力場の方程式」に基づいて、どのような天体現象が起こったときに、どのような「重力波」が生じるのか、また、その「重力波」を地上で観測すると、どのような波形になるのか等についてシミュレーションを行っていたのだ。
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GW150914が観測されたとき、その波形とシミュレーションの結果とを比較すると、太陽の36倍と29倍の質量を持つブラックホール同士の衝突・合体による波形と誤差の範囲で一致したのだ。

アインシュタイン最後の宿題と呼ばれた「重力波」は、アインシュタイン自身の遺産(一般相対性理論)によって、その姿を「見る」ことができたのだ。

・・・

1916年、アインシュタインは「重力波」が実在することを予想した。それは確実に存在するが、絶対に「見る」ことはできないだろうとも言った。

だが、それから100年という時を経て、人類は「見えなくても『ある』もの」を見ることに成功したのだ。

(続く)

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